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【おすすめ!】時系列+比較グラフでよくわかる温度管理【THGateway】

はじめに

AtomMatrixという消しゴムサイズの小さなマイコンを使って、家の温度計を一元管理しています。スマホやPCでいつでもどこからでも、家の気温変化を見ることができます。

はじめは、趣味の盆栽を管理するための装置作りのために作っていましたが、とても役に立つので、酷暑の今、あらためて皆様にご紹介いたします。

装置の仕組み

簡単な図

まずは簡単な図で説明いたします。

①温湿度計で収集されたデータをBLEで「THGateway」で受信します。BlueTooth機器なので、装置から見渡せる場所の範囲内にあれば受信できます。「THGateway」はAtomMatrixというマイクロ・コントローラを使って作成しました。

②「THGateway」で集めたデータを20分ごとにクラウドサービスのAmbientへ送信します。このAmbientは手軽に利用できるIoT向けクラウドシステムとして、活用しています。

③Ambientのチャンネルを見ることで、現在から過去の気温の状況がグラフ化されてみることができます。
「時系列+比較」のグラフが見れることが「THGateway」最大のメリットであり、おすすめポイントとなります。

配置図

装置の説明

BlueToothで簡単にスマホとつながるSwitchBot温湿度計を使っています。

SwitchBotが大好きすぎて部屋のあちこちに置いてみたり、趣味の盆栽鉢の近くに置いてモニタリングしています。
屋外に置くことに抵抗がありましたが「屋外を屋内に」すればよいことに気が付きミニ百葉箱を考案しました。

最初は100均の箱を白く塗った簡素なものでしたが、冬ごもりの工作で素敵なミニ百葉箱のミニチュアを完成させました。

ここまでの歩み

さらに昔、怖いもの知らずで購入していたボタン型ソーラー式データロガーCYALKIT-E03からのデータ読み出しにも成功し、活躍しています。

部屋に置いた温湿度計を紹介します。

リビングの棚に置いたSwitchBot温湿度計とCYALKIT-E03

ここは窓辺の比較的明るい場所なのですが、CYALKIT-E03のソーラーはほとんど機能しません。

無造作に置いた作業机下の初代ミニ百葉箱にCYALKIT-E03をセット

夏場は直射日光は当たりませんが、明るい日陰です。ここだと、ソーラーでしっかりと発電できるようです。

お気に入りのミニ百葉箱

雨や水やりの水、直射日光からSwitchBot温湿度計を守るための箱です。盆栽の横に置いてもマッチするよう仕立てました。

THGatewayの様子

リビングの壁面収納キャビネットの奥でひっそり稼働しています。
LED表示の意味は以下のとおりです。

1:アドレス1に登録した機器のデータを受信
2:アドレス2に登録した機器のデータを受信
3:アドレス3に登録した機器のデータを受信
4:アドレス4に登録した機器のデータを受信
5:アドレス5に登録した機器のデータを受信
6:アドレス6に登録した機器のデータを受信
7:アドレス7に登録した機器のデータを受信
8:アドレス8に登録した機器のデータを受信
★:Ambient更新までの残り時間(5分ごとに減る)
〇:Wi-fiを掴んでいると点灯
▲:BLE信号キャッチ毎に明滅

では実際のグラフを見てみましょう。

現在は4つの温湿度計が稼働しています。
青色:棚場(SwitchBot)
ピンク:棚場作業机下(CYALKIT-E03)
赤色:リビング
紫色:寝室

グラフからわかることは
・棚場と棚場作業机下の温度はほぼ連動している。
・屋外の温度はほぼこれぐらいであることがわかる。
・SwitchBotとCYALKIT-E03どちらもおおよその温度はあっていそう。
・屋外は約10度の気温変動がある。
・リビングの温度変化で在宅状況がわかる。
・寝室のエアコンの効きがわかる。
・寝室からのデータ受信は失敗しがち。
・在宅時は人が動き回って電波を拡散させるためか、データの受信状況が良いと思われる。

といった感じでしょうか。

6/21からのグラフ
棚場の温度だけ抽出

早い梅雨明け後、一日だけ酷暑になりました。左側のピークです。7/1の15:00ごろ、38.3℃を記録しました。
その後、先週は数日にわたり38℃台を記録しています。

最高気温が高くなる時は、よく晴れていて直射日光が当たっているときです。雨の日は日中でも気温変化が少ないようです。

といった具合で、Ambientのグラフ設定を変えることで簡単な考察ができ、さらに詳しく調べたいときはAmbientデータをCSVでダウンロードし、そのデータを用いて分析することもできると思います。

THGatewayの特長

THGatewayのアピールポイントはメンテの簡単さにあります。
周辺にある温湿度計の電波を受信し、今まで受けたことがある装置かどうか判定します。
そうであれば今までの番号を使ってデータを登録し、そうでなければ新たに番号を追加します。
つまり、事前のペアリング作業が不要なので、追加が簡単です。
デメリットはその反対で機器の特定が難しく、データ変化を見て推測する必要があります。
私の場合、装置を作っている最中はいろんなことが気になり注目していますが、一度できてしまうとあまり気にしなくなります。なので、複雑な設定を極力排除したいと考えます。

必要なもの

  • AtomMatrix

  • USB Type-Cケーブル

  • ACアダプタ

  • PC(プログラム書き込み用)

  • SwitchBot温湿度計

  • CYALKIT-E03

  • Wifiルーター

  • インターネット環境

  • PCまたはスマホ(グラフを見るため)

つくりかた

1.Ambientサイトで登録を行う。(無料)

とても親切に解説されています。この中で開設されている「チャンネル」を開設し、「チャンネルID」と「ライトキー」を控えます。

2.AtomMatrixにプログラムを書き込みます。

PCとAtomMatrixをUSBケーブルで接続し、プログラムを書き込みます。
プログラムはArduinoIDE用に作っています。
こちらの方法については、ネット上にたくさん載っていますので「M5Stack Arduino」で検索し、わかりやすい方法をご自分でお試しください。「チャンネルID」と「ライトキー」、Wi-fi接続用のID、Passwordをプログラムに書き込みます。

3.Ambientサイトでグラフの調整をします。

チャンネル設定

1日グラフ

7日グラフ

以上です。

今後の課題

このようにまとめてみて、皆様に広くお使い頂きたい気持ちがある反面、まだまだIoT構築のためのハードルは高いものだと実感しました。
・Wi-fiルーターへのアクセス方法
・Ambientのチャンネル登録
が必要なため、プログラムを都度書き換えねばならず、そのために開発環境が必要になります。
電子工作好きならば楽しみながらできることでも、機能を利用したいだけの方々にはハードルとなってしまいます。

この辺り、少しずつ詰めていけるようなものづくりを心掛けたいと思います。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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