2.初心者による初心者の為の船釣りのはじめ方(道具編)
いざ釣りに行こうと決まっても、手ぶらで行けないのが船釣りです。初心者であっても一部自分で用意していかなければならないものもあります。その中でも、何の魚を釣る時でも共通して必要になるものと、狙う魚によって用意すべきものが変わるものがあります。
後者には★マークをつけました。この★マークのついたものを具体的に購入する際は、「釣る予定の魚種+タックル(ロッドやリールなどの道具の総称)」でググると、オススメのアイテムが一式紹介されていることが多いので、はじめはそれをマネしておけば間違い無いと思います。
★ロッド(竿)
基本的には釣船でレンタル可能ですので、はじめての時はレンタルで十分だと思います。釣る魚と釣り方によって、長さや柔らかさ等をベースに種類が変わってきますので、自分がこのスタイルの釣りがメインでやりたいなというのが見えてきたら購入しましょう。
★リール(糸を巻く部分)
ロッド同様、釣船でレンタル可能で、ロッドに取り付けた状態で借りることができます。リールにも色々なカテゴリーがありますが、僕が釣りで使うリールは主に「スピニングリール」というカテゴリーのリールです。狙う魚の引きの強さや、ルアーを投げたり沈めたりする距離に合わせて、巻ける糸の長さや、糸を巻きとるパワー別で選びます。こちらもロッド同様、自分のやりたい釣りが決まったら、それに合わせて購入するのがいいと思います。
★本線(リールに巻かれた糸)
こちらも釣船でのレンタルに含まれており、初めからリールに巻いてあります。こちらも購入する際には、やりたい釣りのスタイルに合わせて長さや太さなどを選んでみてください。基本的に素材はPE(ポリエチレン)で、PEラインと呼ばれることが多いです。購入したラインをリールに巻く作業は、購入した釣具屋でやってくれる場合があるので、普段ECサイトをメインで使っている人も、購入する前に近くにある釣具屋のサービスを確認した方がいいと思います。
★ショックリーダー(本線と仕掛けの間につける糸)
本線とルアーを直接結ぶこともありますが、釣りの最中にPEラインが海中や魚の歯による擦れで切れてしまうのを防ぐために、大抵はショックリーダー(リーダーと略す場合が多いです)を使用します。透明のピアノ線のような見た目のものが多いです。こちらはレンタルに含まれている時とそうでない場合があるのと、根がかり(ルアーが海底や漂流物などに引っかかること)たり魚に食いちぎられたりで、PEラインから先をロスト(紛失)してしまった場合に備え、購入して持っておいた方が無難です。
種類としては主に以下の3種があります。
・ナイロン
→しなやかで伸縮性が歩あり、リールの巻き癖の少なさや絡まりにくさはありますが、障害物には弱く擦れると切れやすいので、表層を責めることが多いキャスティングに向いてるかなと思います。
・フロロカーボン
→硬くて丈夫で水中でも魚から見えにくいですが、リールの巻き癖がついたり、絡まりやすかったりします。擦れに強いため、海底までルアーを沈めることが多いジギングに向いていると思います。
・ワイヤー
→フロロカーボンのもっと硬いバージョンです。金属製で太刀魚やサゴシのように、歯が鋭い魚を釣る場合に使うことがあります。
★スナップ・サルカン(リーダーとルアーを繋ぐ金具)
リーダーとルアーを直接繋ぐ場合もあります。ただ、船釣りでは海のコンディションや天気、魚の反応などの状況に応じて、ルアーを頻繁にローテーション(取り替え)する場合がほとんどです。そんな時に、いちいちリーダーからルアーを外して、また別のルアーにつなぎ変えるのは時間のロスなので、それを短縮するために、ルアーを簡単に取り替えられる金具としてスナップをつけることが多いです。また、同じ部分に使う金具としてサルカン(スイベルともいう)というものがあります。これはルアーが海中で回転した場合にラインの代わりに回転して、ラインのねじれを防ぐものです。このスナップとルアーが一体型になったものもあります。こちらもリーダー同様にレンタルに含まれている時とそうでない場合があるのと、ロストする危険性もあるので、自身で持っておく方がいいです。
★ルアー
生きた餌で魚を釣る場合もありますが、僕が釣りに行く際は基本的にルアーという疑似餌を使って魚を釣ることがほとんどです。ルアーの種類はめちゃくちゃ多いので、釣るものが決まった際に、その魚や釣り方に合わせたルアーのおすすめをググるのがいいです。
こちらはレンタルに含まれていない上、ロストしたり、魚に噛まれて塗装が剥げたり、引っ張られて針が伸びたりと、必ずダメージをうける消耗品であり、且つそれなりの値段払ってその日の釣りに合わせて購入してきている場合が多いので、基本的には他人に貸したくないのが本音です。なので、竿はなくてもルアーは自身で用意して持って行くようにしましょう。値段もピンキリです。種類によっては百均でも売っていたり、有名メーカー品ではない安いものもあるので、お金をかけたくなければ、まずはそういったものでも大丈夫です。私も初期はそういうものを使っていましたが、それでも魚は釣れました。
プライヤー(ペンチとはさみが一つになったもの)
ラインやリーダーを切る時、サルカンとルアーを繋ぐ時、釣った魚から針を外す時など、いろんな場面で必要になるのがプライヤーです。釣り専用のアイテムもありますが、長く続けるかわからない場合はハサミとラジオペンチ(どちらも百均で購入可)で代用してもOKです。
フィッシュグリップ(釣った魚を掴むための道具)
釣れた魚は船上で激しく跳ね回ります。また、魚によってはヒレや歯が鋭く、直接触ると怪我をする場合もあります。フィッシュグリップがあれば、魚に直接触れずに持ち上げて、針を外したりする作業が出来るため、安全に魚を扱えます。また、人の手の温度は魚にとっては高温で、手で触るだけでもダメージになるので、リリースする際には尚更、手ではなくフィッシュグリップで扱ってあげる必要があります。
防水の服・靴
船の上は基本的には屋根も壁もない場合がほとんどです。たまにキャビン(船室)のある船もありますが、それでも釣る際には外に出る必要があります。また、いくら天気が良くても、釣船が移動する際には波が立ち、そのしぶきを全身に浴び、信じられないくらい濡れることも珍しくないです。夏場であれば渇くまでの我慢かもしれませんが、冬に船上で体が濡れるのは死活問題になりますし、ポケットに入れているものもびしょ濡れになるので、必ず上下共に防水機能のある服を着ましょう。また、船の上では魚を釣り始めると、血抜きした汚れなどを流すために、常に足元に海水が流れていますので、靴も同様に防水のものを選びましょう。
かぶる水は海水なので潮をふきます。また、釣った魚の血が付くこともあります。僕も当初はノースフェイスなどの高いアウトドア用品を着てやっていたりもしましたが、ゴアテックスの服などは洗濯すればするほど機能が落ちるため、専用の洗剤で単品で洗わなければいけなかったりと何かと気を使います。初めてでお金をかけたくない人はコンビニで売っている上下のレインコートで始めるのがいいと思います。僕は釣り専用と割り切って、安さに反して見た目もよく機能性も高いワークマンで全身一式揃えました。
偏光サングラス
屋根のない船上で日差しから目を守ったり、他人や自分の振りかぶったルアーが思わぬ方向から飛んでくる際に目を守ったりするためにも、アイウェアは必須です。その中でも偏光サングラスをしておくと、海中の上層部を泳ぐ魚が肉眼で確認でき、キャスティングをする際に狙いどころがわかったり、自分が動かしたルアーに対する魚の反応が見れたりして便利です。
普段メガネをしていてコンタクトも持っていない場合、度付きの偏光グラスを作るのはコストがかかりそうですが、JINSやZoffでは普通のメガネにアタッチメントで偏光グラスが付けられるモデルがあるので、こちらを購入して、普段はメガネとして使いつつ、乗船したらサングラスにするという風にしてもいいと思います。
帽子
サングラス同様に日差しやルアーから頭を守ります。特に夏場は頭や顔だけでなく首や耳も日焼けするため、その防止策としても、360度ツバのある帽子をかぶることをお勧めします。また、船上は風が強い時もあるので、顎紐などがあって固定できるタイプがベスト。そして帽子もまた潮をかぶるので、洗濯機で洗えるものがおすすめです。
フィッシンググローブ(手袋)
針やラインを触ったり、魚を触ったりする中で、手を保護するためにも手袋があるといいです。また、一日中竿を握るため、グリップ力を上げるためにも有効です。
人によっては、ラインに伝わる魚の反応がわかるように指出しを推奨している方がいます。僕は日焼けや魚の匂いを防ぐ意味でも基本的には素手を露出したくないので、ラバー製の使い捨て手袋の上に、厚手の指出しフィッシンググローブをつけて、汚れを防ぎつつ、極力指先は素手に近い感覚を保つようにしています。
日焼け止め
屋根や壁がない船の上に一日中いると必ず日焼けします。陸に戻ってから痛くなったり、お風呂でしみたりするので、気になる人は必ず日焼け止めを塗りましょう。
クーラーボックス
複数人で釣りに行き、且つ釣った魚をみんなで食べる為に、決まった店に持ち込む場合は、誰か一人が代表してクーラーボックスを持っていれば問題ありません。逆に、今日は釣ったらすぐ解散。でも釣った魚は持って帰りたい。という場合は、釣った魚を新鮮なまま持ち帰る為に、自身のクーラーボックスが必要になります。釣る魚のサイズや、必要な保冷時間(氷や保冷剤を入れてから魚を持ち帰るまでの時間)に合わせて、適切なものを選びましょう。
僕は車がないので、基本的には一緒に行く友人のものを使わせてもらいます。やむを得ず持っていかざるを得ない場合は、電車移動ということを加味したクーラーボックス選びが大切です。釣る魚が小さければ折りたたみ式のクーラーバック。釣る魚が大きく、自身でクーラーボックスを持っていかなければいけない場合は、キャリータイプのクーラーボックスを使っています。
現金
釣り船は船宿か船の上での現金払いが基本です。1回につき大体1-2万/人くらいはかかるので、余裕を持って現金を用意しておきましょう。また、お釣りを用意していない釣り船もあるので、事前に金額を確認し、ちょうど払えるように準備しておくとスマートです。
飲み物
屋根も壁もクーラーも扇風機もない船の上なので、特に夏は相当汗をかきます。また、出船したら長時間陸には戻れない為、飲み物はちょっと余るかなというくらい持っていった方がいいです。
自身の経験したシーズンで言うと、夏であれば500mlのペットボトル3-4本、秋であれば500mlのペットボトル1-2本を持っていくようにしています。夏は事前に購入しておき、冷凍庫で凍らせたものを2本保冷バックに入れておき、それとは別に、当日の朝にコンビニで1本買うようにして、常に冷たい状態で飲めるようにしています。
道具が揃ったら
ひとしきり道具が揃ったら、釣り前日までに事前のセッティングと、当日の道具使い方を把握しておきましょう。ということで、次は実技編です。
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