必要最低限
ボクが大好きな彼女の携帯には今日も
「バッテリー残量が少なくなっています」の表示
その度にボクはモバイルバッテリをリュックから出して彼女へ渡す
正直、出かける時に荷物が多いのは嫌いだ
リュックや鞄があれば便利だ、と思う瞬間もあるが別に思ったからといって次の外出時に持つかと問われると、持たないと答える
だからボクのレギュラー陣は、保護ガラスに少しヒビの入ったiPhone11と4年前くらいから使っている皮の財布、それに無線タイプのイヤホンだけというミニマリストも驚きそうなほどの最低限っぷりだ
しかし、とりあえずこいつらが居てくれさえすれば友達が待ち合わせ時間に2時間遅刻という所業をおこなったとしてもボクは平気だと思う
そんなボクの日常の中に、家を出る前にモバイルバッテリを持ったかリュックの中身を確認するというタスクが増えた
最初は忘れそうな時もあったが今では気づいたら確認している。慣れとは怖いものだ
財布とモバイルバッテリと多少の持ってたら便利そうなアイテムをリュックへ放り込み玄関を後にする
ほら、彼女がまた言う
「モバイルバッテリ持ってる?」「持ってるよ」
「借りてもいい?」「いいよ」
「ありがと」「いいえ」
いつもの流れ。別に嫌じゃない。むしろ好きかもしれない
ボクの側に必要な物にモバイルバッテリが追加され
ボクの傍に必要な人に彼女が追加された。
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