森ぶら♪ 七月、キノコ探し
7月12日に開催した『森ぶら』イベントの記録。長雨が人々の暮らしに災いをもたらしている中、一方で、森のキノコたちは雨水をたっぷり含み、命の傘を広げていた。
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朝まで天気予報は曇りマークだったのに、雨が降っている...。ちょうど前日の下見で、観察センターの入口前で多種多様なキノコを確認していたので、遠くへ行かず、近くでキノコ探しをスタート。
今日は、ボランティアの先生がお手伝いに来てくれました。調べるためのキノコを数本集めていきます。(普段は採取できません)
初めはなかなかキノコが見つかりません。しかし、一度見つけると、目が「きのこ目」になって、次々と見つけ出します。不思議ですね~。
けっこう大きなキノコが、斜面の草にかくれています。
前日の下見で、キノコの名前をメモしながら観察するのはやめよう!ただ探す事を楽しもう!と決めました。だって呪文みたいな名前ばかりで大変ですからね。
でも、見たまんまの名前が付けられている類は、もう覚えました。例えばこれがシロソウメンタケだって事とか。
その他については、今日のところは、勝手に名前を付けて遊びましょう。キョウフウニアオラレタカサタケ、でどうでしょう?
ツブツブコショウタケ、っていう名前を付けたら、誰かがピリ辛味だと勘違いするかも?
こっちは、コナチーズコガシタケモドキにしてみよう。
でもやっぱり、正式名を教えてもらおうかな‥‥。
だんだんキノコ探しが楽しくなってきた所で中断し、子どもたちには申し訳ないけど、観察センターに戻ります。10種類くらい集まったかな。
ここから一気に真剣モード。油山のキノコ先生、きのこちゃんによる解説の始まりです。いつもニコニコのきのこちゃんが、キノコの解説をする時は、超クールでカッコいい先生に切り替わります。
サンプルに選ばれたのは、この2つ。これは同じ種類のキノコの傘が開く前と後だそうです。
図鑑を使って調べ方を教えてください、とお願いしてみると、、、本格的なキノコの授業が始まりました。子どもだからといって容赦ありません。きっちり教えてもらいます。
まずは、傘の裏側を見ます。裏側が、「ヒダ」か「孔(あな)」か見分けて、図鑑のページを絞り込みます。
次に、柄や傘の状態、傘のフチの部分の形を見ます。これは傘にメロンパン状の細かい亀裂があり、フチが少し垂れています。
そして、爪で傷を付けて、色の変化を観察します。このキノコは傷が青色に変色しました。(種類によって赤や紫など変色はいろいろで、乳液が出るものもあります)
図鑑の裏側が「孔(アナ)」の種類のページを、1ページ毎に丁寧にめくっていき、これかな?というキノコを探します。ページを飛ばさず辛抱強くめくる事が大事だと教わりますが、それが結構大変。集中力が切れそうな子どもを前に、見ている大人も根負けして手を貸そうかと思うほどでした。しかし、ぐっと我慢していると、似たキノコが出てきました。青色の変色も書いてあります。生えている環境も合っています。傘が開く前の形も同じです!その名はキクバナイグチ。似たキノコが沢山あって、細かく見ないと判断できないという事がわかりました。
いや~、よく頑張りました!難しい事を乗り越えていく子どもたちの姿って、光り輝いて見えますね。
授業はつづきますよー。今度は、ノウタケという、脳みそに似た形のキノコの断面を見てみましょう。まるで解剖実験です。
いつも台所でお手伝いをしているのでしょうか?上手に切りますね~。
中はスポンジのようにふわっふわ。皮も果物みたいに剥けるんです。
実は、前日から仕込んでいたものがあるので、出してみましょう!
胞子紋の実験ですよ。
そっとキノコを持ち上げると、
なんということでしょう!美しい!一晩かけて胞子が積もった形です。実物は少し立体的に盛り上がっています。
今日みんなで集めたキノコでも実験してみましょう!胞子紋をとっている間に、もう一度、キノコ探しに出かけますよ~。
ツチグリをつつくと、大魔神がでてきそうな煙(胞子)が舞い上がります。
たこ足のように開いた外側の皮は、湿っていると開き、乾くと閉じて自分の袋を押して胞子を吹き出すそうです。雨粒が袋に落ちたり、動物に踏まれても胞子をぽふ~っと出します。(詳しくは油山市民の森HPへ)
こちらは極小サイズのヒナツチガキ。0.5 〜 1cmくらいのキュートなキノコ。周囲にそっくりの白い花が落ちていますが、偶然でしょうか?狙って生えてる?
ヒナツチガキの開く前の姿。ちょっとかじられてる。
前日に見つけた珍しいキノコたちも一通り紹介。(前日のページへ)
最後に、松林のオオオニテングタケを見に行きます。これが開くと巨大なキノコになるそうです。
自然界では、キノコは大きな役割を担っています。落ち葉や枯れ木、動物の死がいなどを分解し、土に戻す働きをしてくれるキノコがあれば、木から栄養をもらうかわりに木の成長を促したり根を守ったりして木と共生するキノコもある。その事を絵本をみて学びました。もしキノコ(菌)がいなかったら、この世界は成り立ちません。キノコってすごいなぁ。
お弁当を食べた後、胞子紋ができているか開けてみると、、、できてる~!たった2時間くらいで、こんなにくっきり胞子が積もっていましたよ。
みなさんもぜひ、胞子紋の実験にチャレンジしてみてください。スーパーで売ってる椎茸でもできるそうです。
今日は、きのこちゃんによるキノコ授業を受けられて、雨の中参加してくれたファミリーと、なんだか贅沢な時間を過ごせました。
「森ぶら」に参加6回目でスタンプが揃ったので、記念品をプレゼント。きのこちゃん編集の、油山の豆知識きのこ編です。おめでとう!!
『森ぶら』は観察しながら、福岡市の油山市民の森を歩く、親子イベントです。自主サークルのような形で、行ける人が集まって、毎月1回開催しています。どうぞよろしく。