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Netflixの「阿修羅のごとく」は性癖に刺さる最高傑作だった
「阿修羅のごとく」は、1979年と1980年にNHK総合テレビで放送された、向田邦子脚本のテレビドラマで、後に脚本が文庫化され、2003年に映画化(森田芳光監督)もされ、そして今回2025年に再びNetflixで再ドラマ化(是枝裕和監督)がされました
私は、向田邦子の作品も是枝裕和監督の作品も好きで、かつ四姉妹の女優も皆さん好きだったので、視聴をする前からすごく楽しみにしていました
また、私の性癖なのか何なのか、姉妹のドタバタ劇のドラマがすごく好きなんです 細雪しかり海街diaryしかりで、そういえば小学生のころに、母と一緒に見ていた渡る世間は鬼ばかりも好きで、裏番組のとんねるずのみなさんのおかげですとどちらを見るかいつも葛藤していました
私にとって谷崎潤一郎の細雪はベスト3に入るお気に入りの小説であり、吉田秋生の海街diaryもベスト3に入る漫画です そして、この度のNetflixの「阿修羅のごとく」もまさに最高傑作といえるドラマでした
四姉妹のドタバタ劇という意味ではどの作品も似ているのですが、細雪は戦前である1936年~1941年の大阪(船場)神戸が舞台であり、阿修羅のごとくは1979年〜1980年の東京が舞台であり、海街diaryが現代である2000年代後半の鎌倉が舞台ということで、まさに時代も場所も異なります
でも、四姉妹の関係性や性格というのは普遍的なものなのでしょうか、似通っている部分が多々あります それぞれの姉妹が、それぞれの時代の波に揉まれながら、助け合い、罵り合い、笑い合いながら、強かかつ美しく生きているさまに、すっかりと魅了されてしまいます
長女・三田村綱子(みたむら つなこ)
演じる俳優:宮沢りえ
年齢:45歳
職業:生け花の師匠
特徴:夫に先立たれ、息子を一人で育てた。料亭「桝川」の主人・貞治と密かな関係を続けている
次女・里見巻子(さとみ まきこ)
演じる俳優:尾野真千子
年齢:41歳
職業:専業主婦
特徴:夫・鷹男と2人の子供がいる。夫の不倫を疑っているが、黙っている
三女・竹沢滝子(たけざわ たきこ)
演じる俳優:蒼井優
年齢:29歳
職業:図書館司書
特徴:独身で恋愛経験が乏しい。興信所調査員の勝又に好意を寄せられている
四女・竹沢咲子(たけざわ さきこ)
演じる俳優:広瀬すず
年齢:25歳
職業:喫茶店のウェイトレス
特徴:ボクサーの恋人・陣内と同棲中。自由奔放な性格だが、姉たちへの劣等感も抱えている
今回のNetflixの阿修羅のごとくは、原作脚本が向田邦子であり、監督・脚色・編集である是枝裕和はオリジナルの脚本をほぼそのまま採用したそうなのですが、原作に比較をすると、現代社会に合わせた女性の気高さと強かさが強調されているのかなと思いました
なお、私は是枝裕和が監督を務めた海街diaryの映画も大好きなのですが、本作の映像も最高でした
登場する俳優は、皆さんとても良かったのですが、私が一番感情移入して愛おしく思えたのは三女の滝子です 蒼井優はもともとすごい女優だと思っていましたが想像以上でした 咲子をかばうシーンでは物語にではなく滝子の演技に涙があふれてきました
それから広瀬すずにも驚きました 海街diaryの時には見せなかった(できなかった)演技で進化を感じました
インタビュー動画も、とてもいいです
最後にもう一つ、以下のショート動画を見て、改めて本作は、脚本、俳優、監督のそれぞれが最高だったんだなと感心してしまいました
スリルもサスペンスもない単調なドタバタ劇なので、万人受けする作品ではないのかもしれませんが、私にとっては究極であり最高峰のホームドラマです
あと、あちこち魅力が多すぎて触れませんでしたが、宮沢りえも大好きで、ヨルタモリもまたやって欲しいです
最後まで読んでいただきありがとうございました