2024年第50週厚労省定点分析と評価・第51週直近予測と2024-25冬季12th Surge情報
1.基本情報
今回の定点は、2024年50Wであり、
定点 2024-50W
診断日 12/9~12/15
接触日 12/4~12/11頃
報告医院数 4,942
である。50Wは、暦効果中立である。
2.概況と2024-25冬季12th Surge
43Wから48Wを起点としてすべての都道府県で24-25冬季 12-1st Surgeが指数関数的成長を示している。
発現時期は、東日本から中・四国では、平均するとほぼ23年同期並であるが九州では、半月から一ヶ月早く発現している。
12-1st Surgeの支配株は、XEC*と考えているが、、KP.3.1.1がいまだ優勢という見解もあり、合意形成に至っていない。
支配株の確定ができない理由は、厚生労働省が全都道府県の保健所に対してゲノム解析数を週に件程度に絞る事を通達した為である。このため2ヶ月経過しても支配株の特定が日本ではできない。
XECの病態については、6週間先行する欧州を中心に臨床症例報告が発信されているので臨床先行知見は欧州、北米から得られる。
12-1st Surgeの極大期は、北海道・東北の早い地域では、年末年始、大部分の都道府県では、年末年始から25年1月上中旬の見込みである。沖縄県では、1月下旬となる見込みである。
なお、年末年始休暇は、53W/1Wの一週間であるため、この週は強い休日効果が現れる為、統計上の極大期は、最速で25-2W以降になると予測される。
12-2nd Surgeの次期支配株としては、LP.8*などが検出されており、25年2~3月に極大期をとると予測される。
仮に12-1st Surgeの支配株がKP.3.1.1である場合、XEC、LP.8等新株が2nd, 3rdと波を形成し、23-2410th Surge同様に冬季Surgeが長期化する可能性がある。この場合、たとえSurgeの規模が小さくても長期化によって死者数が大幅に増える事になる。
外気温が下がれば暖房の為に窓を閉める。とくに公共交通、幼保学校といった日本における感染連鎖の中心では窓閉めと換気の不活発化が急速に進み、感染性エアロゾルの滞留からの感染機会が増加してゆく。
外気温と空調、換気の関係が日本における夏季、冬季季節性COVID-19 Surgeの大きな要因となっている。これは、日本において相変わらず旧態依然とした既に世界の医学・医療では否定されている飛沫感染限定説が教条となっており、空気感染対策が事実上なされていない為である。
定点1.0未満の当道府県は、50Wに零となった。一方で、北海道、東北でCOVID-19医療飽和が始まっており、51W以降、拡大する見込みである。
KP.3.1.1に次いで日本株KP.3.3が欧州に持ち込まれKS.1.1と組み替え体となったXEC*が日本でも支配株となっている。
春季のXDQ Surgeと同じくKP.3.1.1による明示的なSurgeは生じず、11th Surgeの減衰を妨げるという影響に留まった。
東大医科研佐藤らなどの報告では、XEC*は、KP.3免疫の回避能力がKP.3.1.1などより高いとされる。現在の日本での環境にXEC*は強く適合していると考えられる。同じく佐藤らにより、JN.1 第五世代ワクチンは、XEC*に対して実用的有効性が残る事が報告されている。
牧田は、継続して武田・ノババックスのJN.1たんぱく質抗原ワクチンを推奨するが、供給が極めて少ない為、隣県での越境自費接種例が多数報告されている。
高齢者などの高リスク群では、次善としてファイザーと第一三共のmRNA系でもやむを得ない。
なお、モデルナ、コスタイベなども希望者が接種する事は妨げない。治験を経ている薬剤であり、「しぇでぃんぐ」といった根拠のない仮説については、一切考慮する必要はない。
3.二週間気象予測(気象庁より)
47W後半から強い寒気に覆われて以降、日本は全域で真冬の気候となっている。
沖縄県を除く日本全域で換気が強く抑制され12-1st Surgeの成長に好適条件となっている。
沖縄県と小笠原を除き日本全域で冬季Surgeに好適な条件となっている。この状況は、2月末まで継続する。
九州以北では、定点の挙動は、一週間ほどの遅行日数で先行指標である気温と極めて強い相関がある。