2025年第2週厚労省定点分析と評価・第3週直近予測
1.基本情報
今回の定点は、2025年2Wであり、
定点2025-2W
診断日 1/6~1/12
接触日 1/1~1/8頃
報告医院数 4,923
である。2Wは、暦効果補正が必要である。
暦効果補正前の定点生データと週間変化率一覧表を示す。暖色地は、前週比増加で寒色地は、前週比減少であるが、年末年始効果による擾乱が巨大であるため53/1Wと2Wには地色を付けていない。
2Wは、52W比で全国的に横ばいないし増加傾向である。秋田県は、7週間連続して定点が飽和している。
2. 2024-25冬季12th Surge概況
42Wから48Wを起点としてすべての都道府県で24-25冬季 12-1st Surgeが指数関数的成長を示している。
関東以東と関西以西では12th冬季Surgeの挙動に異なりが見られる。北陸、甲信、東海は、中間地帯となっている。
関東以東では、11月末から12月にかけて支配株がXEC*に変わり、12月下旬から年末年始にかけて多くの地域で12-2nd Surgeに変わったと考えられる。
Surge間の遷移期間が年末年始に重なったと見られ、年末から2W頃がKP.3.1.1* 12-1st Surgeの極大期の集中区間であるが、そのまま2~4WにかけてXEC* 12-2nd Surgeの極大期となる可能性がある。この場合、3週間程度の極大期が4~6週間と長期化する事もあり得る為、警戒を要する。この典型的な例が、BA.1 6-2nd SurgeとBA.2 6-3nd Surgeである。
関西以西では、夏に猛威を振るったKP.3.3*が11月から12月まで支配株に座に居座り、多くの地域でKP.3.1.1*が支配株になれなかったため、12-1st Surgeは、KP.3.3*およびKP.3.1.1*, XEC*が混然となった形で形成された。
12月後半から1月にかけてXEC*が支配株となる趨勢であり、1月から2月にかけてXEC* 12-2nd Surgeが極大となる見込みである。
全国でLP.8*が10%~30%の占有率で漸増中であり、抗原性の違いからもXEC*が減衰に転じた後にLP.8* 12-3rd Surgeを生じ、2/3月から5/6月までBaselineを押し上げる形となる恐れがある。典型的な例が、事実上の日本株である、XDQ*によって形成された2024 10-3rd Surgeである。基礎的な感染防護を社会全体で行っていれば生じない波である。
12th Surgeの発現時期は、東日本から中・四国では、平均するとほぼ23年同期並であるが九州では、半月から一ヶ月早く発現している。
支配株の早期確定・事前予測ができない理由は、厚生労働省が全都道府県の保健所に対してゲノム解析数を週に5件程度に絞る事を通達した為である。また、GISAIDへの報告を全く行わない自治体も多くある。
GISAIDへの報告を最も熱心に行っているのは北海道である。
12th Surgeは、昨年10th Surgeと同様に12-1st, 2nd, 3rdの主に3つの波から構成され、8th Surgeに匹敵する過去最大級の規模になる蓋然性が高まっている。このため過去最大の死者が発生する恐れがある。
2024年度は、10th Surge長期化の為に8月までの死亡数が過去最大となっている。12th冬季Surgeの長期化は、2021年、24年、25年と繰り返される日本特有の現象となる見込みである。
外気温、スギ花粉など季節性大気汚染と空調、換気の関係が日本における夏季、冬季季節性COVID-19 Surgeの大きな要因となっている。これは、日本において相変わらず旧態依然とした既に世界の医学・医療では否定されている飛沫感染限定説が教条となっており、空気感染対策が事実上なされていない為である。
各都道府県と全国の警戒水準の速報値を色別に示す。全域で状況が悪化している。
11th Surgeにおける全国のCOVID-19医療飽和水準は、定点10であり上限は、定点15である。COVID-19医療飽和水準は、西高東低であり東京都など関東でたいへんに低い。但し、北海道など、12th Surgeにおいて夏を遥かに上回る定点値に医療が持ちこたえている為、とくに東日本での医療飽和水準の見直しと引き上げを予定している。
人口あたりの医療資源密度は、西日本で高く、東日本では明確に低い。このため東日本では、西日本より低い医療への負荷でCOVID-19医療飽和が始まる。52W時点では、秋田県では、直近5週間連続して定点10未満でCOVID-19医療飽和が継続している。
なお、今回の12th Surgeで東日本のCOVID-1医療容量の評価を正式に行うが、Flu Aにより病院が強い圧迫を受けている為に過小評価になる可能性は留保している。
3.二週間気象予測(気象庁より)
日本は全域で真冬の気候である。
沖縄県を除く日本全域で換気が強く抑制され12-2nd Surgeの成長に好適条件となっている。
沖縄県と小笠原を除き日本全域で冬季Surgeに好適な条件となっている。この状況は、2月末まで継続する。
九州以北では、定点の挙動は、一週間ほどの遅行日数で先行指標である気温と極めて強い相関がある。
加えて換気を抑制する一方、マスク着用率を大きく押し上げるスギ花粉公害が山口県と東京都で始まっている。2月に入ると九州四国から東進してゆく。