リノベのススメ「colocal コロカル」連載記事まとめ
仕事と生活の両方をローカルシフトして以来、いつかはこのWEBマガジンの企画<リノベのススメ>に記事を書きたいと思っていました。
2018年、念願かなって、富山で活動しているリノベーションまちづくりプロジェクト「マチザイノオト」をライターとして執筆することになり、全8回の連載記事として掲載していただきました。
「コロカル」はマガジンハウスが発行するWebマガジンです。日本の“地域”をテーマに、2012年1月に運営を開始しました。いま、日本のローカルにはたくさんの魅力があります。カルチャー、デザイン、アート、ライフスタイル、食、お店、宿、自然、人、言葉etc…。多くの人が気づき始めた、
「ローカルは楽しい! ローカルはカッコいい! ローカルは進化している!」という視点を、集合的なかたちにして日々発信すること。
それがこのウェブマガジン「コロカル」です。(WEBサイトより引用)
それぞれのプロジェクトのことを書きながら、当時の自分の考えと向き合う非常によい経験をさせてもらいました。せっかくの機会なので、自分がすぐに振り返りができるよう、ここに記事をまとめておこうと思います。
マチザイノオトvol.1「cafe uchikawa六角堂」(1)/リノベのススメvol.158
東京から富山県に移住し、射水(いみず)市で暮らしながら、
射水市新湊内川地区をはじめとする県内の昭和レトロな建物や
町家文化を生かしたまちづくりをしています。
漁師町で出会った、元畳屋の空き家をリノベーションして
〈カフェ uchikawa 六角堂〉をオープンしたことがキッカケとなり、
「場」の魅力づくりによって、まちの価値を高めたいと思うようになりました。
この思いを〈マチザイノオト〉としてプロジェクト化。
町家文化など、絶滅が危惧されている「まちの財産=マチザイ」を
発掘・記録・支援(ノーティング)する活動を展開しています。
vol.1では、富山に移住して、新湊内川の魅力に出会い、
そして六角堂を立ち上げるストーリーについて、お伝えしていきます。
マチザイノオトvol.2「cafe uchikawa六角堂」(2)/リノベのススメvol.160
vol.1では、富山県に移住して、情緒ある漁師町と
そこを流れる内川の昭和レトロな風景に出会い、
空き家だった「六角の家」をリノベーションしようと思った経緯について
お話させていただきました。
今回は、実際にリノベーションに着手して経験したいろいろなこと、
そして建築素人だった僕が学んだ数々の知識や技術的なことについて、
ご紹介していきます。
マチザイノオトvol.3「cafe uchikawa六角堂」(3)/リノベのススメvol.162
2013年1月22日、雪が舞う富山の灰色の空の下、
射水市の漁師町の片隅に小さなカフェがオープンしました。
計画から完成するまでの段階では
「オープンするまでが大変だなぁ」と思っていたのに、
実際にオープンしてみると、ここからの道のりのほうが
100倍も大変だということがわかりました。
まず、工事が終わってから本格的に店の準備をする段階で、
見えていなかった山ほどの課題がありました。
僕はカフェを経営したことがないので、カフェの店長を経験したことがある人を
店長として雇い、彼と一緒に準備を進めました。
マチザイノオトvol.4「ma.ba.lab. まばらぼ」/リノベのススメvol.164
カフェに続く第2の「点」をつくる。
その前に、まず、私の妻の紹介から始めないといけません。
妻の明石あおいは、京都で生まれて、富山で育ち、
Uターンというカタチで育った故郷に戻りました。
その後、まちづくりとデザインの会社〈ワールドリー・デザイン〉を立ち上げました。
夫婦ふたりが起業家で、それぞれが小さな会社を経営しています。
当時住んでいた富山市内から〈カフェuchikawa六角堂〉がある新湊内川までは、
クルマで片道30分。私は用事があるごとに、
富山市とカフェを行ったり来たりしていましたが、
いつかは新湊内川沿いに町家のオフィスが欲しいと思っていました。
マチザイノオトvol.5「小さなキッチン&雑貨店 Lupe」/リノベのススメvol.166
(こちらは当時のスタッフが執筆したものの監修です)
私が富山県に来たのは9年前。
地元の奈良県から大学入学を機に富山へ移住して、
それから6年間、家具などのモノづくりについて学びました。
モノについて考えるうちにモノの先にあるコトづくりに興味がわき、
つくり手や使い手の生活、その集合体である“まち”に直接関わる仕事をしたいと思い、この会社に入りました。
現在は〈カフェuchikawa六角堂〉の営業スタッフや
地域での暮らしの様子を伝えるWeb記事作成などを担当しています。
マチザイノオトvol.6「おきがえ処 KIPPO」/リノベのススメvol.169
東京時代にまちづくりのコンサルタントをしている頃、いつかは地方に移住して、
まちづくりに貢献できる「プレイヤー」になりたいと思っていました。
暮らす地域で仕事をして、そのまちに貢献できる事業をするのが、
私の理想的な生き方です。
いまでは大好きになった新湊内川に〈カフェuchikawa六角堂〉ができて、
それから事業拠点となるオフィス〈ma.ba.lab.〉ができて、
ついに富山市から新湊に住まいを移したことで、
かねてからの夢が現実のものとなりました。
マチザイノオトvol.7「ビアカフェBrewmin」/リノベのススメvol.171
vol.1〜vol.6では、射水市の新湊地区を流れる内川周辺の活動をご紹介してきました。
そして次第に、その活動範囲は周辺のまちへと広がっていったのです。
風情あふれる漁師町・氷見市。今回の舞台は、寒ブリで有名な氷見市です。
新湊と同じく、富山湾に面した北陸有数の漁業のまち。
漁師町の風情あふれる黒瓦の町家群は、私の大好きなまち並みです。
マチザイノオトvol.8「Bredge Bar」/リノベのススメvol.173
今回は射水市新湊地区を流れる内川に遊びに来たアメリカ人が、
このまちを気に入って移住し、長年の夢だった“BAR”をオープンした話です。
そのアメリカ人とは、ハワイ州出身のスティーブン・ナイト(Stephen Knight)さん。
もともと日本の伝統芸能に興味を持って来日し、
一度帰国して再び来日してから翻訳の仕事を始めました。
スティーブンさんとの出会いは、いまから10年以上前のこと、
私がまだ東京に住んでいた頃です。
それから富山へ移住した約1年後の2011年4月に、
東京の八丁堀にある居酒屋でスティーブンさんと再会しました。
それがキッカケとなって、Facebookでの交流が始まり、
お互いに「いいね」をする仲が長い間続きました。
<リノベのススメ>連載を終えて
今回の執筆を通して思ったことは、職業ライターの人たちはやっぱりすごいということです。単なる独りよがりの自分発信文章では、読者の皆さんは喜んでくれないことが、よくわかりました。
最初から最後まで、マガジンハウスの編集者の方が伴走してくれました。vol.2までは、赤入れされた校正が何度も戻ってきました。
「これくらいのことはわかるだろう」という思いで書いてしまうと、追加説明文を求められたり、分かりやすい表現に直すよう指示があったりと、毎月の執筆は、大変な重荷でした。
しかし、文章を書きながら、人の目を気にするという習慣が随分と身に着いたと思い、その点は本当に感謝しています。
こんな経験をさせてもらったうえに、プロ並みに執筆料をいただくなんて、ちょっと申し訳ない気分です。
また、自分のSNSやブログに自由に書くのとは違い、それなりの読者を持つ有名なWEBメディアに「ちゃんとプロとして書いた作品が残った」という気がして率直に嬉しいです。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。