たかが運命なんてもんは変えてゆける気がするんだ
富士急コニファーフォレストで衝撃受けた
ボッチ参戦で新宿から出るバスで富士急コニファーフォレストにBiSHのライブを観に行きました。ライブで衝撃を受けたのが「デパーチャーズ」という曲です。アイナ・ジ・エンドの歌い出しがロック過ぎて英語の歌詞かと思いました。ポップなロックサウンドで楽しそうに踊りながら楽曲に入るBiSHのメンバーですが、いきなりアイナの歌い出しは令和のジャニス・ジョプリンが如くブルージー。ポップな曲をのりのりで本格派ロックシンガー歌うといった感じ。
DEPARTURESといえばglobeのヒット曲しか知らなかったおじさんはビックリしましたよ。アイナの後はこの楽曲の作詞を担当したモモコグミカンパニーで、ここでアイドルっぽい路線に戻ります。そして1番のサビの部分「たかが運命なんてもんは変えてゆける気がするんだ」でアイナのウィスキーうがいでもしたようなハスキーボイスがロックに戻します。2番は歌い始めがハシヤスメアツコとなり、次をセントチヒロチッチ、サビをアイナというパターンです。振付の楽しい感じと真逆なアイナのロックが痺れる楽曲なのです。
デパーチャーズの初期は迷いがあった?
2016年に「デパーチャーズ」が作られたころは2番はBiSHを脱退したハグ・ミィが頭を歌っており、1番をアイナ中心のロック路線、2番をハグ・ミィとチッチのアイドル路線として様子をみていたのではないか?と思ってしまいます。
上のデパーチャーズのライブ映像では振付もバラバラ感はありますが、ハグ・ミィが存在感を示しています。
ユニゾンではなく、メンバーのソロを繋ぐ楽曲
BiSHの特徴はAKB48や坂道グループのように基本ユニゾンで歌が構成され、センターと呼ばれる1人もしくは2人がサビやメインを歌うというものではなく、楽曲の中でメンバーそれぞれがソロパートを歌っています。初期メンバーではアイドルというよりも、ロックバンドのアイドル路線という昔でいうプリンセスプリンセスの奥居香さん的な存在のセントチヒロチッチをメインに添えれば、そこそこまとまるという感じだったのではないでしょうか?初期の頃はアイナ・ジ・エンドも今ほどパンチの効いた歌い方ではなく、歌がうまいロック姉ちゃんって感じでした。アイドル的にまとめるとすると、モーニング娘。の矢口真里っぽい立ち位置のモモコグミカンパニー、同じく中澤裕子的立ち位置のハグ・ミィに寄せていくという感じがあったのではないでしょうか?ただモモコはアイドルとかに影響を受けていない感じであり、その後多くの作詞を手掛けたり、小説を書くなど書き手としての才能が当初から見られたのか、あまりメインに据えていない感じがあります。一方でチッチのボーカルに頼れって、イージーにガールズバンド的立ち位置に立つことを敢えてしなかったのか、ロックに寄ったアイナ、もしくはザ・歌謡曲のハグ・ミィに寄せるのかといった葛藤が「デパーチャーズ」には見えてきます。ハグ・ミィ脱退後は、モーニング娘。でいう紺野あさ美的なか弱い存在に見えるアユニ・Dが加入しました。しかし彼女が独特のグルーヴ感のあるボーカルにあっという間に成長してしまい、アイナ、チッチ、アユニという3本柱を中心に、絶叫のリンリンやきれいな歌声ハシヤスメ、アイドルチックなモモコをうまく組み合わせたロックグループになってきました。
「デパーチャーズ」はサザンでいう「女呼んでブギ」
サザンオールスターズの楽曲に「女呼んでブギ」というフェミニストが聴いたら卒倒しそうな楽曲があります。ポップな曲調なのにハスキーな桑田さんのだみ声が「女呼んで揉んで抱いてイイ気持ち~」という一声からはじまります。そしてデパーチャーズでBiSHのメンバーが楽しく盛り上がって踊るのと同様に、曲の合間に桑田さん、関口さん、大森さん(現在は脱退)がお尻を振りながら踊ります。ライブで常にやる曲ではありませんが、演奏すると会場は大盛り上がりです。