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田中浩康 令和の100本ノックがベイスターズを変える


お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

ソフトバンクとベイスターズの守備の差は送球の判断

ノックといえば至近距離で強い打球を打って、球を怖がらないようにするとか、緩いゴロを延々と何時間も繰り返し捕球するとか、左右に揺さぶるノックでけんか腰にノッカーと選手がやりあうというシーンが思い出されます。しかし、捕球後送球までしてプレーを完結させることをしている場面を見ません。2024年秋のキャンプで田中浩康コーチは森敬斗らに捕球後、瞬時の判断でどこに投げるかを完結させるまでの100本ノックを課しています。ソフトバンクの今宮、牧原の二遊間は捕球してグラブに打球がある瞬間がほとんどなく、すぐ送球に移っています。走者の状況、打者走者の走力を瞬時に判断して、一番チームにダメージを与えないプレーを選択します。ベイスターズの選手たちは、「どこに送球するか?」の判断に迷ってしまい、そこでファンブルや暴投などのエラーをしてしまっています。これでは長時間激しいノックを受けてもまるで意味がありません。瞬時の判断で送球する場所を選択して、迷いなく確実に送球することを田中浩康コーチは求めています。プレーを完結させるノックこそがベイスターズの守備力をアップします。


日本シリーズ1,2戦でソフトバンクの走塁に翻弄された守備陣を立て直し

日本シリーズ1,2戦では周東をはじめとしたソフトバンク選手たちの走塁が、ベイスターズ内野陣の想像を絶していて、ボロボロでした。福岡への移動日に田中浩康コーチは、改めてソフトバンク選手たちの走塁データ、打球データをわかりやすく選手たちに説明しながら、失敗を恐れないことネガティブ思考にならないことが勝利への近道だと説きました。ソフトバンクの今宮、牧原がベイスターズの選手たちのすべてを知っているかのように打球に対してアプローチし、捕るや否や送球先を瞬時に判断してアウトを重ねる姿に落ち込まないように、ノックバットを振り続けました。エラーした選手と一緒に悔しがりながら、データを頭に叩き込んでミスを恐れずプレーするポジティブさを強調したことで、選手たちは第3戦からまるで違うチームになったかのようにプレーしていました。

エラーの大半は想像力の欠如

ランナーがいる場面では、走者の動きによって送球先が異なりますから、走者の走力や相手チームの走塁積極度合いについてのデータが頭に入ってないと、捕球後の送球先を迷って結果として悪送球してしまうことが多いです。ランナーがいなくても打球を捕球した場所と打者走者の足の速さが想像と違うことで悪送球したり、そもそも焦って捕球ミスすることがあります。プロのレベルの野手で、根本的にゴロが怖くて捕れないとかいう選手は皆無です。問題はプロの恐ろしく強い打球、速い脚力、想像を超える走塁戦略を想像できるかどうかです。日本シリーズではデータで、想像力を補い、大きくディフェンス力を修正しました。クライマックスシリーズでも短期決戦に向けた対戦相手が決まった中でのディフェンスということで、データによって野手陣の想像力を補い、守備面でミスを大きく減らしました。2025年はシーズン中に、選手が各ポジション入れ替わる中で、データを頭に入れた守備を継続し、捕った場所ですぐ構え、送球までを瞬時に判断することを続けていけるかが守備力アップのカギになります。田中浩康コーチの短期間守備力アップ指導は、ポストシーズンの隠れたヒーローだったと思います。

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