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中田翔中日移籍に見る巨人と中日の不思議な関係
お断り
今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。
中田翔がFAではなく自由契約で中日移籍
中田翔が自由契約になった瞬間に、打線の弱いベイスターズに獲得へ動くべきだと思いました。しかし、一連の動きからして中日以外の球団への移籍はあり得ない状況が自由契約時にはできていたことが予想されます。今季も92試合出場で15本塁打の中田ですが、巨人は本塁打王岡本の一塁コンバートを考えており、FA権を持つ中田はFAでの移籍を巨人フロントに相談します。一方で、中田獲得を無償トレード等で巨人にシーズン終了前から打診していたのが中日です。巨人からしてみると小久保やサブローの時のようにFAで移籍が通常だということで、中田にもFAでの移籍を提案し、中日にその旨を伝えたものの、人的補償や移籍金を嫌がる中日に拒否されて、自由契約という形になったと想定されます。無償トレードの場合、通例では中田が求める複数年契約を初年度結ぶことができません。中日と中田の要望を巨人が取る形で自由契約→中日と2年6億での契約が成立したというのが今回の流れでしょう。
中日と巨人は同一リーグながら温情トレードが多い
古くは1960年オフ巨人与那嶺選手がライバルの川上氏が監督になると、球団に自由契約にしてもらい中日へ移籍しました。巨人の功労者である与那嶺に対しての配慮でした。1988年オフには巨人のエース格だった西本聖と中日でMVPにも輝いた中尾捕手とのトレードがありました。このトレードは両チームにとってプラスで西本は1989年20勝で最多勝、中尾は捕手としてゴールデングラブ賞とベストナインに輝いています。FA初年度の93年オフには中日の4番打者落合選手が巨人に移籍しています。この時、巨人は落合が移籍しやすいように一塁手のライバル駒田をトレードに出そうとしていました。結果的には駒田もFAでベイスターズに移籍する形になりましたが、中日から落合を迎えやすい状態となりました。2013年オフには中日井端が100試合出場しているにも関わらず、中日は大幅減俸を提示。結果として井端を自由契約にして、巨人への移籍を促しました。今回の中田移籍のようなケースです。中日フロントと巨人フロントは60年以上前から、何か阿吽の呼吸のようなものがあります。今回の中田の中日入りも他球団が入る隙がなかったとしかいいようがありません。
ベイスターズは長距離砲を獲得しなくてはいけない
23年のベイスターズ打線は首位打者と最多安打を獲得した佐野、打点王を獲得した牧、2度の首位打者を獲得した宮崎、2度の本塁打王と1度の打点王を獲得したソトがいる一見、強力打線ですが、佐野、牧、宮崎を除いた打線が弱すぎて3位に終わりました。打者の層が薄く、スイングの弱い選手が増えました。引退試合を終えた藤田がクライマックスシリーズ終了まで代打で出場していたのは、藤田ほどのスイングができる打者が控えに皆無だからでした。相手投手にプレッシャー掛ける長打力がある選手がいないからこそ、度会をドラフト1位入札で獲得したわけです。外国人打者はパワーがあり、一発が期待できる打者を獲得すべきです。ソトは一旦自由契約になっていますが、交渉継続中になっています。下降線ではありますが、長打の魅力があるソトはスイングの弱い打者が多い中では重要です。外国人手の長距離砲、現役ドラフトでスイングの強い打者を獲得して欲しいです。