
MLBのデータ野球に追い付けるか?ベイスターズ
お断り
今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。
MLBに残る選手が一度冒したミスを二度としない理由
アストロズからエンゼルスに移籍した菊池雄星投手が、アストロズのデータによる指導で成績を伸ばしたと動画で話しています。
MLBのデータ化は速くて、どんどん新しい方向に進んでいるようです。MLBでは各選手の投球の回転数など、データが公開されていて、相手打者との対戦についても最新のデータで攻略法が変わるとのことです。MLBの各チームは試合終了後に1時間程度、全体ミーティングでその日の試合に関してのデータ分析を行った後、試合に出場した選手の個別ミーティングが1時間ぐらいあるようです。MLBのコーチたちはデータを根拠にして、選手指導や作戦構築ができないとコーチ失格だそうです。変化球についても回転数と軸などで、新しい変化球が無限に生まれ、そのボールを投げた選手が自分の名前を変化球に付けたりしているそうです。
MLBでは捕手のリードではなく、投手がリードする
ピッチロックの導入もあり、MLBの投手はボールを受け取ってから1.5秒以内に投げなくてはいけないので、捕手とサインの交換をしている時間もほとんどありません。そのため、投手が相手チームとの対戦について3試合前後のデータを全て覚え、配球に落とし込んで、その日の体調と合わせて投球の組み立てをするそうです。日本ではダラダラ捕手のサインに首を振ったり、投げるまでやたら間合いを取る投手が野球通と言われる球場に試合を見に来ないライトなファンには好まれます。その影響もあり、捕手のリードが野球の全てみたいな間違った考えが流行した時期がありました。しかし、日本でもピッチロックが導入されれば、捕手のリードの影は薄くなるでしょう。
ショートアームでも大きな変化球を投げるMLB投手
バウアーが来日した際にショートアームから155km/hの速球と鋭く大きく落ちるカットボール、2種類のスイーパーを投げることに驚いたファンも多いでしょう。MLBの多くの投手は、重力を速度に活かすために、リリースポイントから地面に足が届くまでの力のロスをなくすために、ボールを放つまでの体の動きを極力小さく抑えています。1970年代にはMLBでもトム・シーバーのように下半身を大きく動かし、腰を落としながら投げるフォームの投手が多かったですが、80年代に入ると155km/hを超える球速とツーシームなどタテの変化球が主流になり、膝を曲げずに軸足と反対の足を着地させ、ロスなく重力を使う投法に変わっています。そこから40年の間にショートアームにまで進化を遂げています。野球というスポーツは物理学を中心にした科学的要素が結果に大きく影響するため、ダイナミックな美しいフォームとか、形式的な精神世界のようなフォーム指導はアメリカではなくなってきました。日本でも近年、動作解析のコーチがいるトレーニング施設で球速や変化球を磨いて、アマチュアからプロ入りした選手も出ています。
青木宣親も唸るMLBの投手の究極の投球
MLBの投手で成功する投手について青木宣親氏は回転数にしても極めて多いか、無回転に近いか平均より極端な選手が結果を出すと言います。平均的な選手というのは、相手打者も見慣れた経験値のある投球ですから、いつか打ち崩されます。それよりもデータとして振り切った選手の方が活躍するというのです。
MLB型指導体制に変わってきたベイスターズ
2024年からアナリスト型コーチをベンチに置き、2025年は二軍にもその制度を導入するベイスターズ。ポストシーズンではデータに寄せた采配で見事に日本一に輝きました。相手チームからすると、シーズン中はベイスターズも70年前の「ドジャースの戦法」を基にしたセオリーと言われる野球をやろうとして、うまく行かずにもがいていました。2025年は個々の選手のスキルアップにデータが活かされる時代になるでしょう。2024年でもウィック投手が開き気味の投球フォームから155km/h超の速球もアジャストされていたが、小杉コーチの解析と入来二軍コーチの指導で、低めのカットを混ぜながら空振りを奪う投球に変化しました。MLB型のデータ野球の分野ではベイスターズは日本で先行しているチームだと思われます。コーチもデータや動作解析に詳しいので、重力や浮力、回線運動などの原理を活かして来季の優勝へつなげて欲しいです。