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コーチの相性


お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

2018年絶賛された大家コーチ

2023年いっぱいで退団した大家コーチ。退団時にはSNSで長年いたけど何もやってこなかったみたいな誹謗中傷も言われました。しかし2018年コーチ就任時には、当時一部の投手だけが投げていたカットボールをアメリカ流のボールを切る(カットする)投げ方から名付けられた球種そのままに変化の方向に関係なくカッターとして、二軍調整中の投手に広め、投手力の底上げに貢献しました。特に中学時代から面倒を見ていた京山投手については、高卒2年目で先発ローテに入り、6勝をあげるヒントを与えました。今季、リリーフとして復活した京山投手に関して、入来コーチの指導で復活ということがクローズアップされていますが、各選手のタイミングで、指導者が変わることで飛躍したり、復活したりということがあるため、〇〇コーチだからいいなどということはなく、ダメの烙印を押されたコーチでも他球団で名コーチと言われることもあります。

森繁コーチ、青山コーチ

ベイスターズ暗黒期のコーチだった森繁和コーチは、その前にコーチをしていた日本ハム、ベイスターズでは成果をあげることができませんでした。一部には投手を壊したなどと言われることもありましたが、中日落合監督の下での指導は見事なものでした。青山コーチは現在も二軍監督をしていますが、2010年千葉ロッテの3位からの日本一、下剋上達成時のヘッドコーチとして極めて有能なヘッドコーチでした。

コーチと選手の相性で結果が違う

細川成也選手がベイスターズから中日へ移籍して活躍しましたが、和田コーチとの出会いがなければここまで活躍しなかったでしょう。ラミレス監督時代は期待されて4番を任された時期がありました。しかしラミレスは監督だったため、細川へ変化球対応などの技術指導ができませんでした。細川入団時、一軍には小川、坪井という中距離ヒッターの打撃コーチしかおらず、二軍の打撃コーチも高須、小池と同様のタイプが指導者でした。球団では2019年から長距離タイプだった田代コーチを就任させましたが、選手の自主性を重んじる指導が細川には合っていなかったようです。その後、筒香を育てた大村コーチとも出会いますが、こちらも自主性重視タイプ。バットを掌ではなく、指先で握りゆるグリップでヘッドスピードを加速する和田コーチの特殊指導こそが細川に合致したといえるでしょう。有名な一本足打法を編み出した荒川博コーチが、王貞治しか排出しなかったことから考えても、コーチと選手の偶然的な出会いによって評価は違ってしまうといえます。

コーチとして8球団渡り歩いた中西太さん

コーチとしての指導力でチームの打撃全体を引き上げると評価されているのが中西太さんです。監督コーチとして8球団を渡り歩き、30年以上指導された中西太さんは指導力が評価されていたのでしょう。典型的な長距離砲だった中西さんとはタイプが真逆の新井宏昌、若松勉、宮本慎也といった選手が師と仰ぐのが、万能型指導者の証でしょう。また中距離ヒッターだった掛布を本塁打王にして、粗い打者だったブライアントも本塁打王に作り上げたのは自らの打撃ノウハウを継ぎこんだからでしょう。

現代の選手はコーチの実績ではなく、理論を知っているかを見る

現代の選手はMLBを中心にした運動力学を中心とした科学的打撃フォーム、投球フォームをネットでよく学んでいます。しかし残念ながら英語が理解できない、物理学がよくわからない等々で中途半端にそのフォームの部分だけを真似して、結果としてはモノにできないという事態が起きているようです。コーチから押し付けられた経験値による指導を聞かない選手もいるようです。そこでベイスターズの小杉コーチなど、現代のフォーム解析等に詳しいコーチが重宝がられている面があります。またデータに関する興味も現代の選手は強く、確率論的に低い戦法に対して強く抵抗するケースがあるようです。ここでも敢えて確率が低い方法を選択した場合、なぜそれを選択したのか説明できるコーチが必要となります。それがベイスターズでいえば、靏岡コーチや大原コーチになります。オリックスが一軍経験のない水本ヘッドコーチで3連覇し、さらに選手経験のない中垣コーチをヘッドコーチ格に引き上げたことは、今後のプロ野球のコーチ像を変えていくのかもしれません。

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