消失しない2人について

あたしは話したこともないイマジナリーフレンドがいる。ほぼイマジナリー他人。
大人になっても、いる人はいるらしい。
あなたいます?イマジナリーフレンド。


ていうかイマジナリーフレンドってなんですか?


通常児童期にみられる空想上の仲間をいう。イマジナリーフレンドは実際にいるような実在感をもって一緒に遊ばれ、子供の心を支える仲間として機能する。イマジナリーフレンドはほぼ打ち明けられず、やがて消失する[2]。

主に長子や一人っ子といった子供に見られる現象であり[3]、5〜6歳あるいは10歳頃に出現し、児童期の間に消失する[4]。子供の発達過程における正常な現象である。

だそうです。
wikipediaありがとう。


あたしのイマ他(略)、姫ちゃん(カンナちゃん)と和希ちゃんはかっこよくて、何事も外さないしセンスが超いい女。
育った環境が似ててつるんでるけど、お互いがお互いを馬鹿にしてて、なおかつそのこともお互いわかってて、だから仲良し。

姫は男勝り、男勝りなのに名前が姫だから、
周りにはカンナって呼ばせてる。役所に届けてないから、芸名みたいなところ。
和希はすごいクール、ロングのサラツヤ黒髪が美しい。

2人とも美しさと若さを武器に、男を取っ替え引っ替えしている。同性の友達は少なくて、周りから妬まれたりもするけど、当の本人たちは全然気にしてない。本当に強い女たち。
だけど好きな男と別れた時だけは、人目も気にしないでワンワン泣いちゃう。和希がフラれた時、なぜか姫の方が号泣したり、反対に姫がフラれた時は、和希が相手に電話して超キレたり、意外とナイーブで人思いのところがある。お互いに。

2人はあたしが布団に入る時間に外に出て、
夜な夜な茶をしばきながら色んなことを話している。主に男について。
姫が下ネタを言って、和希は嫌な顔をしながらもっと汚い言葉を使ったりして、ゲラゲラ笑っている。

もしあたしが起きてたとして、夜どこかで遭遇しても、多分2人は一瞥もくれないと思ってる。
あたしみたいな芋っぽい女は仲間ではない。

厚底ブーツをバタバタ鳴らしながら歩く姫と、髪を耳にかけて歩く和希はお互いを見つめながら話してて、颯爽とあたしの横を通り過ぎて、2人の香水が混ざった香りをクンクンしながら、こういう夜の街にあたしはお呼びじゃないのに、なんで外に出ちゃったんだろう、ますます自分が惨めになる、つって家に帰ってメソメソしながら布団に入るんだろうね。

そこがいいよ、そういうところが。2人は美しさの価値と、若い強さをブンブン振り回して、今日も明日もみんなを馬鹿にしててほしい。
あたしが死んでも、未来永劫、消失しないだろう2人のイマジナリーフレンドについて、おしまい

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