【ネクストヒット成分】アゼライン酸とは?配合した化粧品を開発する際のポイントやおすすめの組み合わせ
海外ではすでにメジャーな成分であり、ニキビやニキビ跡治療用の医薬品としても使われている「アゼライン酸」。
最近は日本でも少しずつ認知が進み、日本製のアゼライン酸配合化粧品が目立つようになりました。
とはいえまだまだ伸びしろがある成分。
これから化粧品を開発するにあたり、注目しておくべき成分のひとつであると言えるでしょう。
この記事では、そんなアゼライン酸に期待できる効果やニーズ、他の成分との組み合わせについて解説いたします。
アゼライン酸とは
ここ数年で注目を浴び始めた「アゼライン酸」は、小麦粉やライ麦など、穀類に含まれている天然由来の成分。身近な食べ物に含まれている成分であることから、安全性が高く、ユーザーからも受け入れられやすい傾向にあります。
日本ではまだ知られはじめたばかりですが、実は海外では30年近くにわたって使用されています。世界80ヶ国でニキビ治療薬として承認され、医師が処方する医薬品として知られている国も少なくありません。
刺激が少なく、妊娠中や授乳中でも使えるというメリットも兼ね備えています。
・トレンドの背景
海外ではメジャーな成分ですが、日本では厚生労働省から医薬品として認められていないこともあり、それほど知名度が広がっていませんでした。
しかし、化粧品の含有成分のひとつとして配合することはできるため、アゼライン酸に注目した企業がいち早く化粧品として取り入れていることから、トレンド成分として認識され始めています。
また、海外の通販サイトなどを利用した個人輸入が盛んになり、アゼライン酸を配合した海外製化粧品が日本でも手に入りやすくなったこともトレンドの一端を担っているのかもしれません。
Instagramでは「#アゼライン酸」というハッシュタグで5,000件近くの投稿があり、まだまだ伸びていく可能性を秘めています。
アゼライン酸に期待できる効果
そんなトレンド成分であるアゼライン酸に期待できる効果効能を見ていきましょう。
・毛穴の詰まり除去:ニキビの原因となる毛穴の詰まり(面ぽう・コメド)を解消し、ニキビの進行を予防します。
・皮脂分泌のコントロール:ニキビの原因となる過剰な皮脂分泌を抑えてくれる効果があり、ニキビの予防、ニキビ悪化防止への効果が期待できます。
・アクネ菌の抑制:毛穴で増殖するアクネ菌を殺菌し、増殖を防ぎます。
・抗酸化作用:酸化を抑制することで活性酸素を除去し、炎症の悪化を防ぎます。
また、毛穴に詰まった皮脂の酸化を防ぐことで、ニキビの予防や悪化防止が期待できます。
・美白効果:メラニン色素を作り出すメラノサイトの活性化を阻害し、メラニンの生成を抑えます。また、炎症後の色素沈着にも効果があるとされています。
以上の効果から、ニキビの予防や悪化防止、美白を目的とした化粧品に配合されることの多い成分です。
アゼライン酸のニーズ
アゼライン酸は、以下のような方にニーズがあると考えられます。
・ニキビ/ニキビ跡に悩む方
・過剰な皮脂分泌に悩む脂性肌や混合肌の方
・毛穴の詰まりに悩む方
・皮脂によるテカリに悩む方
・美白効果を求めている方
特に注目したいのは、脂性肌の方へのニーズです。
過剰な皮脂分泌を抑え、ニキビを予防してくれることから、ニキビができやすい脂性肌の方にとって有用な成分であると考えられます。
実際に脂性肌の方向けに作られたアゼライン酸配合化粧品は多く、注目されていることが伺えます。
弊社で実施した調査(※)では、非常に多くの方が毛穴やニキビ、皮脂・テカリなど、脂性肌の方に起こりやすい肌トラブルで悩んでいるという結果が得られました。
こうした肌悩みを解決する成分として、アゼライン酸は今後も注目されていくものと思われます。
※対象者:女性15-39歳
サンプル数:6000名
実施:23年11月
アゼライン酸とほかの成分の組み合わせ
アゼライン酸単体でも幅広い効果を発揮してくれるのですが、他の成分と組み合わせることでより使いやすい化粧品になることも。
また、アゼライン酸と組み合わせることができない成分もあるため、チェックしておきましょう。
併用OKなおすすめの組み合わせ
アゼライン酸は保湿成分や肌荒れ防止成分との組み合わせがおすすめ。
セラミドやヒアルロン酸といった保湿成分と組み合わせて保湿力をアップさせたアイテムを開発したり、ナイアシンアミドやグリチルリチン酸ジカリウムなどの肌荒れ防止成分を混ぜてより肌荒れに特化したアイテムにしたりと、組み合わせによって開発の幅が広がることでしょう。
併用NGな組み合わせ
アゼライン酸は比較的穏やかな成分なのですが、いくつかの成分とは併用があまり推奨されていません。
NGとされている成分は以下の通りです。
・高濃度ビタミンC
・高濃度レチノール
・ピーリング成分
・ハイドロキノン
ビタミンCやレチノールに関しては、濃度や種類によっては併用できるものも。
ただ、高濃度のものは刺激が強すぎる可能性があるため、併用を控えた方がいいとされています。
ピーリング系の成分やハイドロキノンについても、肌への刺激を考えて併用はおすすめされていません。
アゼライン酸の副作用や注意点
アゼライン酸は穀物に含まれている天然由来の成分であることから、刺激があまりない成分として知られています。
副作用が少なく、安全性の高い成分です。
肌が敏感な人やアゼライン酸が合わない人には、皮膚の赤みやピリピリとした痛み、かゆみ、乾燥、熱感などが見られることも。
ただ、それらの症状が現れたとしても、1〜2週間で肌がアゼライン酸に慣れることで症状が引いていくことがほとんどです。
万が一症状が長引く場合は医師に相談するなどの対処が必要になりますが、多くの人にとって副作用のない安全な成分であると考えられます。
アゼライン酸を塗布した部位に関しては、日光に直接当たると刺激になるため、日焼け止めの使用が必須となります。
そうしたことから、夜用のスキンケアアイテムとして開発するのもおすすめです。
アゼライン酸は即効性のある成分ではなく、効果を実感してもらうには2〜3ヶ月程度の継続使用が推奨されます。
効果がないからとすぐに使用をやめてしまうことのないよう、配合成分やテクスチャー、香り、容量などの調整が必要となることは注意点として挙げられるでしょう。
アゼライン酸を使用したコスメの具体例
アゼライン酸を配合した化粧品は、国内にまだそう多くありません。
しかし、先駆けてアゼライン酸配合の化粧品を開発している企業も。
アイテム別に商品例を挙げますので、参考にしてみてください。
・化粧水
アゼライン酸とグリシルグリシンを組み合わせた化粧水が人気。
肌荒れに対してWのアプローチを打ち出すことによって、より効果の高いアイテムであることを訴求できます。
アゼライン酸配合の化粧水はテクスチャーがさっぱりとしたものが多く、皮脂が気になる方向けのアイテムを開発されていることが予想されます。
・美容液
アゼライン酸をメイン成分として打ち出した、シンプルな商品が人気です。
ニキビやテカリといった、脂性肌の方に多く見られる肌悩みをコピーとして挙げており、脂性肌向けの製品であることがパッと見て伺えます。
美容液にはとろみのあるテクスチャーのものが多い中で、脂性肌の方に好まれるようサラッとしたテクスチャーを徹底。
ベタつかないことから、使いやすさに好印象を持っているユーザーの口コミが多いようです。
・クリーム
軽やかな使い心地を実現したジェルクリームが発売中。
オイルフリー処方にすることで、脂性肌の方でも使いやすいよう工夫されています。
ビタミンC誘導体を併せて配合することで、より幅広い肌悩みに対応。
肌のキメを整えながら、ニキビなどの肌トラブルにアプローチします。
アゼライン酸を使った化粧品製造なら
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特に、今後注目の成分を使った化粧品は、商品の販売促進活動が非常に重要になります。
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