蒼天のパスファインダー
釈は、誰かに出会い生き、出会わぬままを生きている。
釈は、祈り叶え生き、願い叶わず生きている。
釈は、この無限のごとき反復によって均された時を生き。
解が、どの問についても、ひとつしかないと知り得て。
反転させられる真理に蓋をしながら。
そののち滅ぶ命の不思議を記してきた。
その解釈が、決断が間違っている。
誰にも真似できない様な仕方で解を逸する。
その様な形でしかオリジナルの存在意義が見いだせない。
その世の何処か、地図にない国には、仕方、選択肢、可能性に満ち溢れていた。
表面を覆われた裏側で、内に住まう他者との共存を図りながら、手探りで生き永らえてきた釈種が希うもの。
それは無数に用意された真理などではなく。
事実、それのみ。
全ての仮説が、世界についての不十分な解釈であること。
その事実を認めなければならない事を知った釈種。
行動を決定付ける咒文を口々に唱えて連なり進めば。
絶間なく漕がれ続けるブランコの如く危うき真理を軋ませ。
輿論を盾にして応戦する属が迎え撃つ。
40億年という時間を掛けた種属間の果てしない淘汰が続く疲弊しきった時代。
釈種のオリジナリティ。
それは固有の不十分さを示すという形でしか発揮できない。
ならば新たな形への道を見つける者たらんとしたその日から、仕方は無数にあった。
そして、今も無数にあり、どれだけの断決をし、年月が過ぎ去ったのだろう。
何をするか、しないか。
どれを選ぶか、選ばないか。
その瞞しと対峙しながら、その都度。
たった一つを選び抜かねばならない。
逆光の掌がくっきりと見える日迄。
長い年月を歩き続けてきた。
もう、この喜劇を、止めなければならない。
例え、それが雲外の空を書き換えることになろうとも。
今、終焉の律者が待つ、歪な三叉路に立つ!
何れの道も我を呼ぶ。
燃え立つ心底より一声叫換し、私願を空に沁み込ませた!
すると空の見えぬ傷から滂沱の涙が零れ・
剥がれ落ちた鈍色から・・
一色の蒼天が・・・
(つづく)
<800文字>
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