【本日の思いつきバックナンバー】「自分の「心の状態」を知る」版バックナンバー
【前書き】
自分の1日を、適宜、備忘録的につぶやいたり、メモ等を残しておくことで、今年の自分シーンへの振り返りのためとか、友人への近況報告になったりしてオススメかなって思います。
三日坊主でも続く日記と考えれば、案外、楽しいかもしれません。
つぶやくスタイルは、日記・随筆・エッセイっ風でも、五・七・五の俳句風でも、面白ければいいのかなって、そう感じます(^^)
みなさんは、日記・随筆・エッセイって、どんな違いがあると思いますか?
書いた本人が「これは日記」と言えば日記とも言えるし、「エッセイ」と言えばエッセイになるような。
例えば、エッセイは、随筆に似ているけれど、もうちょっと軽い感じのものって気がします。
だけど、自分の目でよく見たり、よく人のお話を聴いたり、読んだり耳にしたこと、その中で心の底から感動したり、感じたことを自分なりに深く考え、ある程度考えがまとまったら、ダラダラとした形ではなく、それをできるだけ簡単、明瞭にわかりやすく書き表すことが大切なのかなって気がします。
まあ、あまり堅苦しく考えずに、これまで、インプットしたものの中から、心に浮かんだことを、どんどん「エッセイ」みたいな形で表現して記事を書いてきました。
ここで、何かのテーマを日記・随筆・エッセイなどで書くことの意義を考えてみると、自分の思考を文章にして書き出すことで思考が整理できたり、それを読み返すことによって、自分の思考に対し客観的な視点を持てたり、そのため脳内だけで考えているよりも、より思考が進むといった利点があると思います。
そこで、必要な行動として、どんなテーマでも思考すること、書くこと、後で読み返すこと、読み返してまた考えること、また考えたことを書くことの繰り返し、要は、その習慣づけがメタ認知のために大切なんだなって、今回の作業で再認識した次第です。
振り返りは、とても大切で、書くことによる思考の外化・メタ認知の促進によって、自分ひとりの中で効率よく学習(=いろんな理解、思考)を進めることが可能になるなどの効果が期待できるから、みなさんも、お試しあれ!
さて、これまでに、その時々で、書けそうだと思ったテーマをベースにして、記事を書いていたら、結構シリーズ化していて、記事のストックも多くなってきたため、備忘録(バックナンバー)としてまとめてみました(^^)
【漫文】セルフコーチングとは
セルフコーチングとは、自問自答しながら、自分で自分のコーチングに取り組むことです。
もともとコーチングは、
「目的の場所に、より早く到達することを助けるツール」
です。
そのため、セルフコーチングができるようになると、理想とする状態に、早く到達することができるようになります。
現実的には、自分の中の状態(考え方や見方、姿勢)がビジネスやプライベートなどの外側の現象として現れてきます。
それでは、セルフコーチングのやり方と、よくある疑問「コーチングとの違い」について、特徴を元に簡潔にご紹介します。
1.セルフコーチングのやり方
セルフコーチングには、大きく以下の「4つのステップ」があります。
①結果に全責任を持つと決意する
②ゴールや目標を明確にする
③行動計画を立てる
④実践
ステップ1.結果に全責任を持つと決意する
目標を達成したり、つらい状況から抜け出すためには、自分が作り出す結果に対し、責任を持つことが重要です。
もし、
「全責任を持つ」
という言葉を、漠然としているように感じる場合は、
「全ての結果が自分次第である」
という考え方を持つことが役立つでしょう。
それは、うまくいかない時に、社会情勢のせいにしたり、上司や部下のせいにしたり、家族のせいにしたりしないということです。
自分の意思や考えを元に行動することで、現実をつくっていくので、セルフコーチングでは、
「自分が結果に対して全責任を持つ」
と決意することが最初のステップなのです。
もしも、
「本当に自分が結果を作り出せるだろうか?」
など、自分を信じることが難しいと感じるようでしたら、セルフイメージを上げることに、先に取り組まれると良いかもしれません。
ステップ2.ゴールや目標を明確にする
■達成したい目標は何か?
■解消したい問題は何か?
■どうなりたいのか?
ゴールや目標を達成する日付を記します。
ゴールの描写は、可能な限り具体的な数値で示します。
関わる人や使うもの、実施する場所なども具体的にします。
セルフコーチングで重要なことは、ゴールや目標の達成を、ありありと想像できる程、明確にすることです。
ここを明確にすることで、何をすべきか、何が問題になるのかが、わかってくるのです。
例えば、
「たくさん本を読む」
という設定ではなく、
「一か月後の●月●日までに、○○系の本を5冊読む」という具体的な設定をすることです。
ステップ3.行動計画を立てる
ステップ2で定めた目標に対して、
■現状との違いはどのくらいあるのか?
■何を行うことで、その違いを小さくできるのか?
と考え、行動計画を立てます。
例えば、ステップ2で、
「一か月後の●月●日までに、○○系の本を5冊読む」と決めたとします。
ですが、読みたいと思っている本を持っていなかったり、一か月の間に出張が8割入っているとしましょう。
そのような状況の中、何を行うことで、ゴールを達成できるのか?と考えるのです。
目標と現状の違いが明らかになると、
例えば
■Kindleで本を購入する
■出張のときは、帰りの移動のタイミングに30分は読む
■休みの日の午後に3時間読む
等と、具体的な計画を立てることができるでしょう。
ステップ4.実践
ステップ1.2.3で洗い出した情報を元に、行動計画を実践していきます。
そして、結果を振り返り、うまく行っていれば継続し、新たな課題があれば、それを解消していきます。
ここまで、4つのステップを元に、セルフコーチングのやり方をお伝えしました。
もしかすると、これらのステップをご覧になって、
「セルフコーチングは、PDCAサイクルと似ているのでは?」
とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)のことですので、基本的な考え方は同じです。
<参考記事>
要件定義的思考を、ふだん使いして、色んな場面で活かしてみませんか?
https://note.com/bax36410/n/n93d9e931831e
【備忘録】最も貴重な資源は「時間」と「集中力」
https://note.com/bax36410/n/naf94bdcd5a89
そして、セルフコーチングは、特に、P(計画)を強化することに繋がっています。
計画を立てる際に、ゴールと現状の詳細な確認を行うことで、Do(実行)へ移しやすい計画を立てることができます。
また、計画が明確であることによって、実施後のCheck(評価)とAction(改善)の具体性が増します。
これまで、PDCAを意識してこられた方は、そこに、セルフコーチングを加えることで、さらなる成果を期待できます。
では、次に、基本となるコーチングと、セルフコーチングはどこが違うのか?、それぞれの特徴を元に比べてみましょう。
2.コーチングとセルフコーチングの違い
コーチングとセルフコーチングの違いは、コーチが他者か、自分かの違いです。
ここでは、それぞれの特徴をご紹介していきます。
(1)コーチング(コーチが他者であること)の特徴
■全体を通して、客観的な視点が保たれる
■他者から質問をもらうことで、自分の考えに縛られにくい
■良質な問いかけにより、考えを深めることが期待できる
■客観的な視点からのフィードバックを得られる
■コーチによる励まし・承認が得られる
■他人との約束は守ろうとする人が多く、期日通りに実践しやすい
※特に、経験値の高いコーチをつけることで、最適な質問を投げかけてもらうことができるため、自分だけで行うよりもゴールに到達するのが早くなると期待できます。
(2)セルフコーチング(コーチが自分であること)の特徴
■時と場所を選ばずに実施可能で、毎日の習慣にしやすい
■コーチを依頼する費用がかからない
■継続的な取り組みによる、着実な変化と成長が期待できる
■他者に言うのを躊躇するような、大胆な目標を扱うことができる
■他者にオープンにしづらい問題でも扱うことができる
■自分との約束なので、自分のコントロールが甘いと期日を守れなくなる
このように特徴を見比べると、コーチングの良さと、セルフコーチングの良さが、それぞれあることがわかるでしょう。
コーチが他者であることによって、客観的に質問をもらうことができる一方で、
「うまくできなかったら恥ずかしい」
「こんな問題を言ったら、どう思われるだろうか?」
等と、相手の目を気にするかもしれません。
また、コーチが他者の場合は、スケジュール調整の必要があります。
例えば、
「急だけれど、今日中にコーチングしたい」
または、
「毎日、朝の5時にコーチングを行いたい」
と思った際は、セルフコーチングのほうが向いていると言えるでしょう。
特徴を比較してみると、セルフコーチングは、習慣化できると継続しやすく、着実な目標達成や、飛躍的な成長を期待できるのです。
さて、ここまで、
■セルフコーチングとは何か?
■どんなやり方なのか?
■コーチングとの違いは何か?
について見てきました。
次に、セルフコーチングで重要な5つのポイントを、ご紹介していきます。
3.セルフコーチング「5つのポイント」
セルフコーチングのように、自分で自分を導く場合、以下5つのポイントがあります。
①行動の習慣化
②やりたくなるゴール設定
③効果的な質問
④自分との約束を守る
⑤マイナス思考やパターンに気づく
自分だけで完結するセルフコーチングは、継続できず、途中でやめてしまう方もいらっしゃいます。
それでも、何年も続けることで、他者と大きな違いを生みますので、ぜひ、これらのポイントを押さえて続けていってみてください。
(1)行動の習慣化
セルフコーチングの1つ目のポイントは、行動の習慣化です。
習慣化された行動の例として、朝起きてからのことを取り上げてご紹介していきます。
例えば、起きてから、
「カーテンを開けること」
や
「歯を磨くこと」
を習慣にされている人は、多いのではないでしょうか。
毎日の習慣であれば、それらを行わなければ、気持ちが悪いでしょう。
そこで、セルフコーチングを習慣化するために、セルフコーチングを行う時間を決めます。
日によっては、十分に、時間が取れない日もあるかもしれません。
そんな日でも、とにかく、
「ゴールと結果を確認する」
ことだけでも行っておきます。
そして、セルフコーチングも、歯磨き等と同様に、
「やらなければ気持ちが悪い」
と思えるくらい習慣化できると、結果が出る喜びを感じることができ、さらに、続けることができるでしょう。
これを、何年も続けることで、セルフコーチングをしていない人とは、大きな違いを生むことに繋がります。
でも、セルフコーチングをやらなかったとしても、誰かに注意されることもなく、誰にも、迷惑がかからないため、習慣化を難しく感じる方もいらっしゃいます。
そこで、やりたくなるゴール設定ができるかどうか?も、非常に大切になってきますので、続けて、ご紹介していきます。
(2)やりたくなるゴール設定
セルフコーチングの2つ目のポイントは、やりたくなるゴール設定をすることです。
先に、ご紹介したような朝の習慣は、何らかの「やりたくなる動機」があるものです。
それは、こういったことです。
■カーテンを開けると、陽の光が入ってきて気持ちがいい。
■カーテンを開けないと、朝を感じられずスッキリ目覚められない。
■歯磨きをすると、スッキリする。
■歯磨きをしないと、気持ちが悪い。
このように、行うことで良いことが起きるか、行わないことで悪いことが起きるとわかっていると、行動しやすくなるのです。
そこで、
「やりたくなるゴール設定」
が重要になってくるのです。
既に、お察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、
「やりたくなるゴール設定」
には、
「ゴールを達成した後の、良いこと」
と
「ゴールを達成しない後の、悪いこと」
を、明確にすることが、役立ちます。
ゴール達成だけを考えるよりも、
■ゴール達成の後はどうなるのか?
■ゴールを達成できなかった後はどうなるのか?
について考えることで、セルフコーチングを行いやすくなるのです。
そして、それらを確認する上では、自問自答の基本である、効果的な質問が鍵となりますので、続けて、ご紹介してきます。
(3)効果的な質問
セルフコーチングの3つ目のポイントは、効果的な質問を使うことです。
自分で自分に質問する場合は、つい、いつも自分がよく使う質問が出てしまいます。
せっかく、セルフコーチングに取り組むのであれば、プロコーチたちが使っている、効果的な質問をすることで、自分のゴール達成を早めたり、新たな選択肢を持てるなどの効果が得られるでしょう。
効果的な質問は、専門的なコースで学ぶものなので、ここでは、特に、重要な「計画で役立つ2つの質問」をご紹介します。
①行動を起こした先を確認する質問
その行動を起こすことで、あるいはその行動をしないことで、
■私は、何を得られるだろうか?
■私は、どんな気持ちになるだろうか?
■私は、自分をどんな人だと思うだろうか?
に答えることで、ゴール達成のために必要な、行動を起こした先にある「プラスの面」と、行動しなかった場合の先にある「マイナスの面」を、自分に直結することとして捉えて、考えることができるでしょう。
②自分の可能性を拡げる質問
■もし、私が、何でもできるとしたら、最初に何をしようか?
■もし、〇〇さんだったら、最初に何をされるだろうか?
ときには、自分の限界を感じてしまい、ゴール達成が難しく思えるようなこともあると思います。
そんなとき、②の質問が効果的です。
「もし、〇〇としたら・・・」と言う前置きをすることで、できることとして、考えられるようになるからです。
それにより、可能性が拡がり、新しいアイディアが浮かんでくるようになるでしょう。
そして、出てきた答えを元に、現実的な計画を立てていきます。
ここでは、コーチングの考え方を基本に、すぐに役立つ効果的な質問を2つご紹介しました。
もし習慣化でき、やりたくなるゴール設定もできて、効果的な質問ができれば、セルフコーチングはうまくいきます。
そして、この先は、ついついセルフコーチングをサボってしまう方や、なぜか結果につながらない方に向け、重要なポイントをご紹介していきます。
(4)自分との約束を守る
セルフコーチングの4つ目のポイントは、自分との約束を守ることです。
■「今日は忙しいから」
■「朝から、よく頑張ったから」
■「もっと重要なことがあるから」
つい、こういったことを思って、やらない口実を作ってしまうことがあるかもしれません。
私たちは、ものすごくやりたくなるゴールがあっても、日々発生する「ゴールと無関係な業務」もあり、それらも重要です。
また、他者との約束を優先したいこともあると思います。
どうしても、セルフコーチングの時間が取れない場合は、例えば、
「リスケは1回まで」
等と、先に決めておき、自分との約束を守っていきましょう。
セルフコーチングは、「コーチが自分」で、「クライアントも自分」ですので、「自分との約束を守る」ことが、「セルフコーチングを続けられるか否か」の分岐点とも言えるでしょう。
さて、ここまでご紹介した内容で、セルフコーチングの基本をお伝えできていると思います。
そして、セルフコーチングを続けていくと、人によっては、行き詰まりを覚えることがあります。
そのような時に役立つのが、マイナス思考やパターンに気づくことです。
(5)マイナス思考やパターンに気づく
セルフコーチングの5つ目のポイントは、自分のマイナス思考やパターンに気づくことです。
どれだけ頑張っていても、自分に、「マイナス思考やパターンがある限り、思うような結果を出せません。
マイナス思考やパターンとは、例えばこういったことです。
■1番になったことがないから、私はこの先も1番にはなれない
■就職に失敗した自分は運が悪い
■怒られた経験が多く、いつも自分に自信が持てない
もし、こういったマイナス思考やパターンを持っていると、うまくいかないことが続いてしまいます。
そこで、以下の質問に答えて、自分のマイナス思考やパターンに気づくことが、成果を出すための鍵となるでしょう。
<マイナス思考やパターンに気づく質問例>
■私が結果をつくるのを妨げるものは何だろうか?
■私の行動を止めてしまうのは何だろうか?
■私は何を恐れているのだろうか?
■私が不安になってしまう原因は何だろうか?
■私が自信を持てなくなる原因は何だろうか?
■私がよく言い訳にすることは何だろうか?
このように様々な質問に答えていると、自分の心の傷や、ネガティブな経験が思い出されるかもしれません。
そして、ネガティブな経験等が元になって生まれた「マイナス思考やパターン」に気づくことは、セルフコーチングを行う上で、効果的なアプローチです。
人は、気づかないことには対処できませんが、気づくことができれば、何らかの手を打つことができるからです。
そして、このような自分の可能性を狭めてしまうような「マイナス思考」のことを、実践心理学NLPでは、「制限的な思考」や「ビリーフ」と言っています。
ビリーフとは、信念・価値観・思い込みなどを意味しており、人は、成長過程で様々なビリーフを作っています。
その中には、マイナス思考を引き起こし、自分のパターンになっているビリーフもあり、それらは、無意識の内にあなたの足かせとなっていることが多いものです。
そして、実践心理学NLPには、セルフコーチングで結果を出すためのスキルだけでなく、ビリーフを変えたり、過去の心の傷やネガティブな記憶を解消するスキルもたくさんあります。
また、日常の所作が、その人の精神状態を示すと言われています。
仕事に関することや、部下への接し方、そして、プライベート等の対人関係も、結局は、自分の考え方や見方、姿勢がモノをいいます。
どんなに外側のスキルを磨いても、能力があっても、それを使う自分自身の人間性や考え方、プライベートが落ち着いているなどの基礎がなければ、せっかくのスキルが120%生かされません。
全ての現代人にとって無視できないテーマであるメンタルヘルスケアについて、固定観念や社会の物差しに捉われることなく、まずは自分(being)、それから自分のやるべきこと(doing)を考えて、発想の転換や内面的・本質的な成長を促していくことで、精神的健康に必要とされる考え方を記事(以下の【「自分の「心の状態」を知る」版バックナンバー】内記事を参照してみて下さい。)にして、これまで紹介してきました。
そこでの気づき事項としては、知識とスキルを結果につなげる使う力(例:習慣化等)の育成が、どの年代でも重要になってくると考えています。
<読書メモ>
「知識とスキルを結果につなげる使う力」(PHPビジネス新書)御立尚資(著)
[ 内容 ]
ロジカル・シンキングにプレゼンテーション、コーチングなど、とかく勉強することが求められる昨今だが、いくら知識をつけても現場で使いこなせない、という人は多いだろう。
本書では、今まで語られてこなかった知識やスキルを実際に「使うための力」について、「知識とスキルを使って結果を出す」プロであるコンサルタントが初めて明かす。
今までバラバラに学ばれていた多くのスキルを体系化し、その「使う力」を解き明かしていく、実用的かつ知的興奮が得られる一冊。
[ 目次 ]
第1章 ビジネスリーダーの基本要件(勉強する前に、考えておくべきこと ビジネスリーダーに必要な四つの要素 ほか)
第2章 「使う力」とは何か(わかったようでわからない「使う力」 目指すべき目標から「使う力」を考える ほか)
第3章 企画という仕事と「使う力」(仕事はすべてが「企画」である 「企画力」を構成する五つの要素 ほか)
第4章 人を動かすコミュニケーションと「使う力」-戦略的コミュニケーション術・会議術(コミュニケーションの基本は「意見の結晶化」 相手を動かし、行動に移してもらうための「使う力」 ほか)
第5章 「楽しむ」ビジネスライフのすすめ(「楽しむ」ことが成果につながるこれだけの理由 「勉強」を楽しむための私の方法 ほか)
[ 問題提起 ]
ボストン・コンサルティング・グループの代表が著者。
そのため、コンサルタント的な内容となっている。
内容は、ビジネスにおいて成果を上げようと思ったら、経営学の知識などが必要になるが、知っているだけで使いこなせないとだめなので、その使い方が重要であるというようなことが書いてある。
まずはじめに、ビジネスリーダーに必要な基本要件として、『人間力』、『経営知識』、『業界・社内知識』、『使う力』の4つを示し、さらに『使う力』を定義するための3つの必要条件を挙げている。
さらに、その3つの条件を細かく因数分解していきながら、身に着けるべき具体的なビジネススキルを挙げている。
コンサルタント的な見事なトップダウン思考法だよなと思った。
その説明には、しっかり図解が用いられている。
具体的なビジネススキルとして、「頭の使い方」系のスキル、「心の使い方」系スキルがあり、さらに、それぞれに「ベーシックスキル」と「応用スキル」が挙げられている。
[ 結論 ]
「頭の使い方」系は、以下のものである。
■ベーシックスキル
■ロジカル・シンキング
■図解の技術
■モデル構築
■応用スキル
■定量化
■グラフ発想
■クリエイティブ・シンキング
「心の使い方」系は、以下のものである。
■ベーシックスキル
■プレゼンテーション
■ファシリテーション
■ネゴシエーション
■応用スキル
■アクティブ・リスニング
■コーチング
それぞれが入り口としての「使う力」として挙げられている。
印象に残った部分は、最後の章のビジネスライフの楽しみ方に関するところ。
曰く、楽しく努力することが重要で、さらに勉強過程で完璧は求めないことだとある。
また、楽しむための勉強法として、好きなことを学ぶことと、達成感を感じる方法を考えるとある。
それもなるほどと思った。
また、ポジションがあがってくると、どうしても教養が必要になり、それを身に着けるためには、哲学でも、宇宙論でも、どんな分野でもいいとある。
そのときに読書によって、累積経験が増えるとあり、それぞれの分野に応じたメリットが何かあると述べられている。
やはり、一流になるには、教養は、必要なんだと思った。
また、好きな分野の本を読んでいけばいいとあるので、自分自身の読書傾向(いろいろな分野の本を読みたいが、それがビジネスに役に立つのかという不安を内在する)を後押ししてくれるように感じた。
[ コメント ]
全体的に有益だった。
線を引く部分が多かった。
また、読んで終わりではなく、これを実践していかなければ「使う力」は身につかないことを念頭においておこう。
【関連記事】
【追記:2022年1月2日】現実というのは
https://note.com/bax36410/n/n0f0b17fbd020
【「自分の「心の状態」を知る」版バックナンバー】
自分の「心の状態」を知る
https://note.com/bax36410/m/ma6de3408ec6f
【コトバンク】
https://kotobank.jp/
最新 心理学事典 「コーチング」の解説
コーチング
coaching
コーチングとは、1980年代から盛んになってきた学習の指導や援助、人材育成の方法である。
コーチングは、スポーツの指導に起源をもち、設定された目標を達成するために、学び手が自ら学ぶことを助ける指導様式である。
コーチは、それぞれの領域で指導者として専門的な訓練を受けた者であり、学び手の目標達成のために、気づきや動機づけを促し、具体的なスキルの獲得や実践場面での応用をめざす支援を行なう。
コーチングは、実践の場で注目され、目標達成を支援する方法として学校教育や産業組織に広まってきたために、一般化された理論的定義が定着していない。
学校教育の場でコーチングを明示的に指導法の中に位置づけたものに、コリンズColllins,A.の認知的徒弟制cognitive apprenticeshipがある。
徒弟制とは、職場において親方が徒弟にスキルを継承する方法である。
認知的徒弟制とは、学校教育における学習者の認知過程を伝統的な徒弟制のメタファーによってとらえ、知識や熟達者の用いる学び方のスキルを指導する方法である。
認知的徒弟制では、伝統的な徒弟制において親方が徒弟を仕込むときのように、
①モデリング:熟達者(たとえば教師)が模範を示し、学習者がそれを観察し、まねる段階、
②コーチング:学習者をよく観察し、熟達者の遂行に近づくよう、ヒントを出したり、助言をしたり、課題を与えたり、といったさまざまな援助をしながら教える段階、
③足場かけ・足場外し:学習者の課題達成を支援するために、手がかりや補助を与える足場かけを行ない、上達するにつれて支援なしに独力でできるよう足場を減らしていく段階、
という三つの段階によって学習過程が構成される。
たとえば、パリンサーPalincsar,A.S.とブラウンBrown,A.L.(1984)の互恵的教授法を認知的徒弟制の視点から見ると、教師が文章読解スキルのモデルを示したのちに、コーチングの段階として、質問の生成や、要約や予測を行なうなどの読解スキルの使用を促進するヒントや援助が学習者相互、あるいは教師から学習者に与えられる。
互恵的教授法では、コーチングによってスキルの使用を促すことでスキルの内面化が図られる。
また、産業組織においては、人材育成に関するリーダーシップとして、自発性を引き出し、目標をより速く達成できるよう動機づけていく技法としてのコーチングが提唱されている。
そこでは、カウンセリングの影響を受けて、傾聴、質問、承認といったコミュニケーションスキルとしてのコーチングが活用されている。
コーチする相手に、どうすればよいかを自分で気づかせるために、よく聞き、質問やヒントの提示によって自身で考えることを促し、承認を与えることで効力感を高める技法である。
このようなコーチングと類似した概念にはメンタリングmentoringがある。
メンタリングもまた人材の育成を目的とするが、コーチングが業績の改善や技能の向上といった目標の達成を支援するものであるのに対し、メンターとよばれるその領域の熟達者が新参者を長期間にわたって支援し育成していくという点でコーチングと区別される。
コーチングは、学校組織においても指導的役割を果たす教員などの研修に利用されるようになってきている。
また、傾聴、質問、承認といったコミュニケーションスキルは、本来、子どもたちの可能性を信じ、子どもたちの発言をよく聞き、一人ひとりの考えを認め尊重し、適切な発問で子どもたちに自分で考えることを促す、という授業中の教師の日常的な営みと対応するものであり、教師の実践的力量形成や授業研究において教師の指導を検討する際の視点としても注目されている。
〔中條 和光〕
【後書き】
【宿題帳(自習用)】「自由」研究
https://note.com/bax36410/n/nca990c0c9b65
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