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豊かさは、豊かな精神によってしかもたらされない。

アフリカのサバンナにホッテントットと呼ばれる種族が住んでいます。

【参考図書】
「ホッテントット・ヴィーナス―ある物語」チェイス=リボウ,バーバラ(著)井野瀬久美惠(監訳)安保永子/余田愛子(訳)

彼らのことについては日本ではかなり詳しく知られるようになっていますから、ご存じの方も多いと思いますが、彼らは狩猟民族として一生サバンナを放浪して過ごします。

ですから、粗末なテントとわずかの調理道具、そして少しの家畜が彼らの全財産で、他には何もありません。

最近は、その様子も少し変わってきたかも知れませんが、何よりも特徴的なのは、彼らの生活ぶりで、彼らは獲物が捕れないと、みんなで飢えます。

そして、小さな獲物でも、もしそれが取れれば、たとえ一人分がどんなに少なくても、彼らはそれをみんなで分け合って食べるのです。

また、彼らは必要なだけしか獲物を捕獲しないのです。

こうして彼らはサバンナの自然と見事に共生して生活しています。

彼らには、有り余るほどの物は決してありません。

むしろ、物質的にはいつも欠乏しています。

しかし、彼らは生涯、争うということを知りません。

その生活ぶりを見ますと、少なくとも私の目には、彼らは世界で最も豊かに生きている民族ではないかと思えるのです。

戦後78年、物があれば豊かになるのだからと思い、物を獲得すること、しかも有り余るほどの物を獲得することを目指してきました。

そして、そのおかげで、ある程度の余裕も生まれました。

少なくとも世界の他の多くの国々の人々から見れば、日本人はお金持ちです。

しかし、私たちの日常は争いの連続です。

欲望を満たすための事件は、毎日、ネットニュースや新聞記事を埋め尽くします。

豊かであることは、すべてが充足していることですので、問題はその充足感にあるのでしょう。

そして、その充足感は、実は、自分の欲望を満たすことが十分にあることによってではなく、たとえわずかなものでも、それを、それこそ豊かな心で分かち合うことによって得られるものではないでしょうか。

一人で贅沢な食事をすることではなく、気の合う仲間とわいわい言いながら「おにぎり」やパンを分け合って食べる方が、はるかに満たされるのです。

高価なホテルに一人で泊まって過ごすよりも、たとえ野宿でも、信頼できる人と枕を並べる方が、はるかに安心して休めるのではないでしょうか?

過去を信用し、未来を信頼するという関係でありたいですね(^^)

もう少しわかりやすくいうと、信用とは、過去の行動や成果を評価して、確かなものであると受け入れることを指しています。

一方で、信頼とは、ある人物に対して、未来の行動を信じて期待することを指します。

だから、信頼こそが豊かさの尺度なのでしょうね(^^)

もう少し厳密に言えば、信頼の広さと深さこそが豊かさの尺度だと言えます。

分かち合いつつ、他者と共に生きようとする姿勢こそが豊かさを示すのでしょうね。

ここで、注意したい点として、基本的に、仕事は信用して相手と接した方が良いのではないかと考えられます。

というのも、仕事関係は、どうしても利害を含んだ条件つきの関係であることがベースになっているからです。

仕事関係にある人のことは、信頼せず、信用をするという癖をつけた方がいいという見方もあるので、気をつけてみてください。

なぜなら、信用せずに信頼してしまうと、相手を適切に評価したり、適切に助言、支援や指導ができなくなってしまうことに繋がりかねないからです。

結果、仕事が上手く回らなくなるということになると、本末転倒になってしまうので、同じ「信」の漢字が付いていますが、「信用」と「信頼」で異なる点は、認識しておくべきだと考えられます。

一方で、大切な人との関係は、信頼を重んじる方が良いと思います。

大切な人との関係を信用で繋ごうとすると、どうしても損得や優劣などで関係継続を判断することになってしまいかねないからです。

例えば、信用を損ねる度に友人を切ってしまうことになり。

やがて、孤立しかねないので、友人を多くつくりたいという人は、信頼を重んじた方がいいと思います。

つまり、信頼は、期待とそれに応えようとする気持ちの双方向のやり取りがある関係だけど。

その結果、もし期待通りに相手が行動しなかったときには、裏切られたといった気持ちになりかねませんよね。

でも、信頼とは、他者を信じるにあたり条件を付けないで、信用できるだけの客観的な材料がなくとも、相手をとにかく信じ切ることが信頼しているということになります。

かつては、気持ちでやられていたことを、無機質な常識、規則や基準に置き換えたり、物質社会が便利になればなるほど、取り繕えば取り繕うほど、本質は見えなくなっています^^;

この様に、「信用」と「信頼」には、微妙だけどニュアンスには大きな差があることを知っておくと人間関係がスムーズにいくこともあると思うので、気にかけてみてください(^^)

だから、もし、豊かに生きたいと願うなら、私たちは、私たちの信じる事(信頼)を広くて深いものにすべきだと、そう思います(^^)

豊かさは、豊かな精神によってしかもたらされないと言うことを、私たちは明瞭に知っておくべきなのでしょうね。

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