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【「目次」を精読してみる】目次チェックの方法

青木海青子/本が語ること、語らせること

目次を精読するプロセスにおいても、知らぬ間に、勉強になっています。


■目次を読み解く

①読者の目線で書かれているか

②手に入れたい知識が書かれているか

③論理的に整理されているか


まず、

「目次全体」

を眺め、頭に入れることで、この書籍のどこに、自分の知りたいことが、書かれているのかを、

「意識」

するようになります。


このことで

「俯瞰力」

が鍛えられます。


「章のタイトル」

「見出し」

との関係、その

「順番」

を知ることで、内容を

「体系的に整理する」

ことができます。


そして、何より、自分が身に付けたい知識やノウハウだけを、本から

「ピックアップ」

することで、

「一貫性」

を保とうとする力が、身に付きます。


■目次チェックの方法

①身に付けたい知識やノウハウが書かれている見出しだけチェックする

②見出しに「結論」が書かれていたら、ページにマーキングしない

③見出しに「結論」を匂わすキャッチコピーが書かれていたらページにマーキングする

つまり、「論理的である」

ということは、

「一貫性がある」

こと、

「一本筋が通っている」

という意味です。

本を読むとき、論理的に整理された目次を区別し、その目次を精読することで、自分自身で知識やノウハウを整理することができます。


■何を論理的・説得的と感じるか?

論理思考力を鍛えるためにも、以下の方法を念頭に置いて、

方法①:言葉を「抽象的な言葉」から「具体的な言葉」に変える

方法②:自分の思考の癖に気付き改善(批判的思考)していく

方法③:本質的な問いを押さえる(問いを分解する/問いの背景を確認する)

方法④:主張「~だと思う」と根拠「なぜならば~」の骨格を作る

論理思考法を習得するに、

①『MECE(ミーシー)』:網羅性を追求する
Mutually(お互いに)
Exclusive(重複せず)
Collectively(全体に)
Exhaustive(モレがない)

②『ビジネスフレームワーク』:MECEの応用
例:3C
Customer(顧客):ターゲットとなる顧客は誰で、市場はどのような状況か?
Company(自社):自社の強みやユニークネスがどこにあるのか?
Competiror(競合): 自社の強みやユニークネスがどこにあるのか?
例②:4P
Product(製品)
Price(価格)
Place(販売チャンネル)
Promotion(プロモーション、コミュニケーション)

③『ロジックツリー』:広がりと深さを押さえる
問題の原因を深堀りしたり、解決策を具体化&特定化したりするときに役立つ考え方です。
また、考え得る解決策の優先度をつけやすいというメリットもあります。

の3つを使いこなせるようになることも有効です。


■良い本は目次を読んだだけで本の内容がわかる?

カントは、「啓蒙とは何か」の中で、みんなが自分で考えることをしない原因として怠惰を挙げていて、その理由として、

「お金さえ払えば、考える必要などない。

考えるという面倒な仕事は、他人がひきうけてくれるからだ。」(P11)

と言っていましたね。


面倒くさいから、自分で考えないで、書物に頼るんだ。

それは、自分で考えてないんだって。

みんな、楽な方に流れるから、みんな、考えることをしなくなるんだと、言っているわけです。


もちろん、カントが言っているのも、だから、本なんて読むなというわけではなくて、本を読んだ後、それで、満足してはいけない。

読んで、読んだことを、自分で考える材料にしなくちゃいけないってこと。


だから、本を読んで、自分で違う事を考えたりするのも重要だけど、目次だけ読んで、中身を考えたりするのも結構いいんじゃないかな〜と思ったりするから、ちょっと、以下の書籍の目次を読んでみて、考えてみませんか?(^^)/

▶「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル」渡邉雅子(著)

目 次

 序 章 論理と合理性、能力の文化的基盤
  1 小論文に見る文化の衝突
  2 思考表現スタイル──文化に根ざした論理と推論の型
  3 学校の役割──主流文化の伝達
  4 四つの領域と四つの教育原理
  5 本書の構成
  6 開かれたローカルな世界を生きるために
 
第一部 教育文化のモデルの構築
 
 第1章 〈論理〉と〈合理性〉の起源と類型──教育のメタ機能
  1 文化の位置づけ──個人と制度、社会、文化のつながり
  2 論理と推論の社会的起源──デュルケムの知識社会学と集合的認知
  3 集団間の衝突はなぜ起きるのか──ウェーバーの合理性と合理的行為の理念型
  4 ルーマンの社会システム理論における〈論理〉と〈合理性〉──ポスト近代の視点
 
 第2章 教育文化のモデル
  1 教育原理の四類型──教育の目的と手段
  2 調査対象と方法
 
第二部 四つの教育原理と四カ国の思考表現スタイル
 
 第3章 経済原理──アメリカ
  1 エッセイの論理と思考法
  2 エッセイの歴史的起源と発展
  3 エッセイの教育──型による目的論的思考法の教育
  4 個性とイノベーション──作文教育のもう一つの側面
  5 歴史教育に見る合理性と合理的行為──逆向き因果律と時空間の把握
  6 アメリカの能力観──効率性・戦略性・目的論的思考と階層化された能力
  7 アメリカにおける能力観の変遷──伝統的教育からの分化
  8 小括──アメリカの思考表現スタイル
 
 第4章 政治原理──フランス
  1 ディセルタシオンの論理と思考法
  2 政治原理に照らしたディセルタシオンの特徴
  3 ディセルタシオンを目指した言葉と思考の教育──教育のグランド・デザイン
  4 歴史教育に見る合理性と合理的行為──俯瞰の視点と共通の価値の追求
  5 フランスの能力観──教養を背景にした言語技術と価値観
  6 小括──フランスの思考表現スタイル
 
 第5章 法技術原理──イラン
  1 イランの学校作文「エンシャー」の論理と思考法
  2 イランの作文教育──ことわざと詩の役割
  3 歴史教育に見る合理性と合理的行為──循環する時間と不変の因果による類推
  4 イランの能力観
  5 小括──イランの思考表現スタイル
 
 第6章 社会原理──日本
  1 感想文の歴史的背景と社会的機能
  2 感想文の論理と思考法
  3 感想文の特徴と機能──多様な価値の受容と共通感覚の育成
  4 日本における論証文──意見文と小論文
  5 日本の書く教育の全体像──主観から間主観へ
  6 歴史教育に見る合理性と合理的行為──変化する状況と縁起の思考
  7 日本の能力観
  8 小括──日本の思考表現スタイル
 
第三部 教育文化の四元モデルから見えるもの
 
 第7章 四つの納得の構造──論理と合理性、能力の体系的な比較
  1 四つの原理と四つの納得の構造──論理性を超えて
  2 論理/非論理、納得/不服を分けるもの
  3 四つの時間構造・因果律と推論の型
  4 合理性を超えて──推論の型と意味ある行為・価値ある行為
 
 終 章 教育文化の四元モデルから見る日本の立ち位置
  1 調査から得られた知見
  2 理論的、方法論的、実証的貢献
  3 思考表現スタイル──論理/非論理、合理/非合理、優劣を分けるもの
  4 日本の立ち位置──ポスト近代の世界で
 
  あとがき

  資 料
  引用・参考文献

▶「「論理的思考」の社会的構築 フランスの思考表現スタイルと言葉の教育」渡邉雅子(著)

目 次

序 章
 1 思考表現スタイルと論理的思考
 2 学校の特別な役割
 3 小論文の型と「論理的である」と感じる根拠
 4 なぜフランスなのか
 5 本書の構成

第一部 論文構造から生まれる論理と思考法――哲学と文学のディセルタシオン

第1章 論文の構造と論理の型――エッセイとディセルタシオン
 1 「論理的」であることの探求
 2 ディセルタシオンの構造と論理――エッセイとの比較から
 3 構造から導かれる米仏の論理の特徴

第2章 哲学のディセルタシオンと哲学教育――吟味し否定する方法を教える
 1 哲学のディセルタシオンの特別な地位
 2 哲学教育の目的、内容構成と方法
 3 哲学のディセルタシオンを書く
 4 哲学のディセルタシオンを分析する
 5 小括――哲学のディセルタシオンに見る思考表現のスタイル

第3章 文学のディセルタシオンと文学教育――文学鑑賞と論理的思考
 1 高校のフランス語(文学)教育――目的と構成
 2 文学の論述問題
 3 文学のディセルタシオンを書く
 4 文学のディセルタシオンに見る弁証法の論理

第4章 ディセルタシオンの歴史――新しい社会の論理の模索、伝統と革新の接点
 1 伝統的な教育――フランスの論理的文化と三つの形式主義
 2 フランス革命とディセルタシオンの創造
 3 哲学教育とディセルタシオン――自由に自律して考えるための訓練の創造
 4 小括 ディセルタシオンは教育を刷新したか――変わったものと変わらなかったもの

第二部 論理的思考の段階的な訓練――ディセルタシオンを目指した言葉の教育の全体像

第5章 小学校で教えられる論理――言語の内的論理と視点の一貫性
 1 文法・描写・物語を通した論理的思考
 2 作文(rédaction)――形式による論理的一貫性を学ぶ訓練
 3 物語の創作における二つの訓練――視点による論理的一貫性と物語の「定義と型」の習得

第6章 中等教育で育まれる論理――「論証」から「弁証法」へ
 1 中学校における「論証」――自然の配置から論理の配置へ
 2 高校で育まれる論理――弁証法という思考の飛躍
 3 小括――高校で育まれる論理と論理的思考

第三部 判断し行動するための論理――推論する、討論する、合意するための教育

第7章 歴史教育――過去の解釈と未来予想に見る推論の型、「合理性」の判断基準
 1 フランスの歴史教育の構成――教科書に見る時間の概念と歴史認識
 2 フランスの歴史教科書の構造と授業の構造
 3 過去はどう語られるか――フランスの歴史授業の五つの特徴
 4 視覚イメージで教える効果――見えるものから「見えないもの」を読み解く
 5 いかに評価するか――良い説明(歴史の語り)と求められる能力
 6 未来はどう捉えられているか――歴史教育に見る過去・現在・未来の構造

第8章 歴史教育の歴史に見る思考法の変遷
 1 歴史教育の転換点(一九七〇年代の改革)――新教育とアナールの歴史研究の方法
 2 揺り戻しと新たな発展――公民教育としての歴史と年代史・政治史の復活(一九八〇年代)
 3 史料から構築する歴史へ――生徒の多様化とデカルト的方法(一九九〇年代から)
 4 グローバル化・情報化への対応――共通基礎の導入
 5 二〇〇〇年以降のディセルタシオンの大衆化と歴史教育――理想と現実、断絶と継承、批判と実像
 6 教育の大衆化とテーマとイメージによる歴史

第9章 市民性教育――合意形成の手続き
 1 言葉の定義を通した合意形成と共通の文化の構築
 2 学級の規則作り――手続きの遵守と形式主義(公民科)
 3 言葉の定義から「判断の基準」を学ぶ
 4 「社会は変えられる」――フランス革命の遺産を伝えるプロジェクト
 5 哲学による前提の合意形成――歴史に学び、共同体の文化を形成する討論
 6 討論から政治的行動へ
 7 政治教育としての市民性教育――言葉の定義と手続き遵守の社会生活への適用

終 章 フランス社会の〈論理〉の構築――ディセルタシオンが導く思考表現スタイル
 1 思考表現スタイル――思考・判断・表現の型
 2 社会の利益か、個人の目的達成か――共和主義と民主主義
 3 民主主義型の思考表現スタイル――補助線としてのアメリカ
 4 結語 小論文の〈論理〉から考える社会の未来――フランス、アメリカ、そして日本

あとがき

参考文献
資 料

▶参考図書

「論理的思考とは何か」(岩波新書)渡邉雅子(著)

▶参考記事


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