真実はときに人を傷つける
真実と向き合うことって、いいものなんですが、私たちを一時的に惨めにするときもあります。
真実を知って、驚いたり、ショックを受けたり、惨めになったり、悲しくなったり、ってありますよね。
真実とはそれだけパワーがあって、受け止め方によってよくも悪くも影響が大きいのです。
「悲劇と喜劇は真実の二つの側面だ。だが、悲劇と滑稽どちらの面を見るかは、見方の問題だ。」アーノルド・バイザー(著述家)
「賢者は真実を発見して喜び、凡人は間違いを発見して喜ぶ。」ジョセフ・マーフィー(思想家)
「人があなたのことを悪く言う。それが真実なら直せばいい。それが嘘なら笑い飛ばせばいい。」エピクテトス(哲学者)
起きている事実は変えられなくても、物の見方はその人次第で変えられます。
起きていること自体が問題ではなく、それをどう見るかが大事だと考えて、自分の視点を変えることで、どんな時でも前向きになるようにしていきたいものです。
また、批判的な考え方ばかりをしていては、無意識のうちに自らをマイナス思考に陥らせてしまうし、同じものをみても、その解釈の仕方で、考え方は変わってくるから、物の見方をプラスに、前向きにとらえられるように訓練していくことも必要です。
ただ、ひとりの人間なので、自分が少しでもそう思っていれば、他人の批判も気になってしまうものですよね。
逆に、全く事実に反していれば、相手にもせず気にもしないだろうと思うので、事実なら素直にそれを改めて、批判が全く気にならないくらいにしていければと、意識してみてください。
そう意識したとしても、それを知ってなのか、ときに真実から逃げたいときも出てきます。
たとえば、キャリアで、これが自分のキャリアだと信じて(またはそう思おうとして)やってきたけれど、やっぱり違うみたい、なんて感じ始めたとき。
友達だと思っていた人が、どうやら向こうは同じようには思ってくれていなかった、とか。
恋愛でもそうですよね。この人だと思ってきたのにだんだん違ってきた、というようなとき。
こんな風に真実に気がつくと、その真実がそれなりに衝撃なだけではありません。
じゃあこれまでの私は何だったの?とか、これからどうしよう、とか、別の課題や質問も出てきて選択を迫られることが出てきます。
選択することはときに痛みが伴うし、一時的に何かを失うことでもあるから、つい、あえて今の状態がベストではないけれど、そのままでいることを選んでしまうこともありますね。
でも、時間が経てば、わかってしまいます。
そこが真実の強さというか、本当のことは隠していても、だましていてもいずれは表面化します。
真実と向き合うことと、そこから逃げていることとどちらがより大きな痛みなのか、どうにも否定できなくなります。
また自分をだますことはもっと大変ですし。
真実を見つめるって、確かに一時的に惨めになったり、悲しかったり驚いたりするのですが、よくよく見つめてみると、これほど解放感のあることもないのです。
それに、真実と向き合わないことには何も変わらない。
たとえば、自分がハッピーじゃない、という真実があったとしたら、その真実を見ないことにはじゃあもっとハッピーになろう、と決心できません。
やってきた仕事が自分のやりたいことじゃないとわかったら、それを受け入れない限り、新しい仕事へのステップは踏み出せません。
また、もしやりたい仕事じゃなくても、今の生活や状況を考えて、それでも今の仕事を続けることに決める選択もあるでしょう。
でも、真実がわかった上での続ける選択と、そうでないのとでは、意味合いが違ってきます。
真実がわかっているときのほうが、おかれた状況の中で自分の納得できるベストの選択をしやすくなります。
だから真実はパワフルですね。
「何が真実であるか、いったい人生ってものはどういうふうにできているか。そういうことはめいめい自分で考え出すほかはないんだ。本から学ぶことはできない。」ヘルマン・ヘッセ(詩人)
例えば、本は参考になるかもしれないけれど、そこに答えがあるわけではないから、一般論ではなく、自分がどうしたいのか、どう進むのかを考えるべきだと、そう思います。
自分に合った、自分が納得できる生き方は、本人にしか分からないから。
大切なのは、惨めになってしまうのは、一時的だということ。
そこを超えれば、解放感に変わってすっきりしてきます。
だって、本当のことがわかるって、本当じゃないことを知っているより、いいではありませんか。
真実を受け入れるにはタイミングもあるので逃げている自分がいたら、そういう時期なのです。
本質を見抜く力をつけなければ、不確かな情報に振り回されてしまうことになり、真実と本質が分かっていなければ、どんなに考え行動しても、的外れになりかねないので、表面的なことに惑わされないで、物事の本質を正確に把握するように努めていきたいものです。
いずれ、受け入れるべきタイミングはやってきますから自分をあまり批判しないこと。
批判する代わりに、勇気を持ってみてください。
いずれ、真実と向き合うときに必要になります。
「何かがおかしい時は、真実が隠れてないか気をつけろ。」バーナード・ショー(劇作家)
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