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【本屋さん開店します】本屋で遊ぶ

出典:unsplash.com

本屋さんの入り口の黒板に、以下の短歌が書かれていた。

「美しきナイフ買ひたしページ切り天球のごときまなこ切るべし」
(水原紫苑『快楽』より)

その下には・・・

無意識下の世界を描写したかような・・・

夢と幻想の世界観を表現したような・・・

2枚の絵画が張り付けてあった。

オディロン・ルドン《サイクロプス》1914年

オディロン・ルドン《『エドガー・ポーに』1.眼は奇妙な気球のように無限に向かう》 1882年

更に、2冊の本と、

「さかしま」(河出文庫)J.K. ユイスマンス(著)渋澤龍彦(訳)

「「画家」の誕生 ルドンと文学」ダリオ・ガンボーニ(著)廣田治子(訳)

とある詩人の宣言書が置かれており、

「象徴主義宣言 対訳」ジャン・モレアス(著)城牙咲くらは(訳)

何かを象徴した不気味さに心が捉えられて、本屋さんへと、静かに足を踏み入れてみれば・・・



ドアを潜ると、そこには、夏目漱石の有名な俳句

「菫程な小さき人に生れたし」

が書かれた注意書きが貼ってあった。

「漱石俳句集」(岩波文庫)坪内稔典(編)

些か困惑したのだが、よく見てみると、

「人との“関係性”を棄て、庭の植物にまぎれる小人のように生きたい方のみ訪れることが可能な世界」

と書かれていた。



「え?!」



どうやら、

「菫程な小さき人」

とは、

■目立たなくても良い

■懸命に咲く菫のように

■社会のしがらみにとらわれることなく

■自分の力を尽くす人生でありたい

と、切に願っている人だけが、出入りできる本屋さんの様だった。



情報と娯楽に溢れた日常で、容易(能動的)に夢中になれず・・・

退屈と不安を誤魔化すための何かを、ネットで求めている中で・・・

本が買えたり読めたりする便利さだけでは、余りにも非力だった・・・



その昔、欧州で本は、簡易製本の仮綴本で販売されていたそうだ。

購入者は、買った本を製本屋に出して、革表紙に金箔押しなど好みの装幀をする。

どうも、この本屋さんは、その類の本屋さんで、仮綴本は、ページを裁断せずに売られていた。

後から知ったのだが、アンカット本(またはフランス装)と言うらしい。

その様な本だから、買った人が読む時に、自分で切らなくてはならない手間があった。

このために発達したのがペーバーナイフだったと知り、ふと、そのナイフで切りたいと思える本に出会いたいと感じた。

その世界に足を踏み入れたなら・・・



本は・・・

そこで、出会うこと。

そこで、買うこと。

そこで、創ること。

それらに価値がある時代へと、向かうのかもしれない。

例え、欲しい本がなくても、本屋さんで遊べる。

言い換えるなら、色んな本の海で、冒険させてくれる海賊(本屋さん)達の大航海時代の始まりだと感じた。



今日は、どれを読もうかなんて、好きなことに没入し・・・

自分と向き合う時間に浸る「ヒタ活」でもあるなと感じながら・・・

「今宵、嗜む本のお品書き」と書かれたマガジンを覗いてみれば・・・



そうか~どうりで、本屋さんの屋号が

「佚楽(いつらく)」(気ままに遊び楽しむこと)

で、店主がひと言

「放恣佚楽(ほうしいつらく)にはご注意を」(放恣佚楽:したい放題に遊んで暮らすこと。放蕩三昧すること。)

と言っていたのかと合点がいった。

この本屋さんでの海賊ごっこ(冒険譚)は、快事であったなと感じながら本屋さんを後にした。



こちらの企画に参加させて頂きました(^^)




さて、本屋さんの魅力のひとつに

「ブックフェア」

があります。

もう、本を売るだけじゃ書店や本屋さんは、回らない状態で、命綱のイベントで、書店員や出版社が、何かを伝えたいと、独自の切り口で、店の一等地の平台等で展開しているのですが、かなり大変な作業であることを、この記事でしりました(^^;

そこには書店や本屋さんの工夫があり、ついつい、本を手にしたくなるものです(^^)

では、そんなブックフェアには、どんなものが有ったのか、下記記事を参照してみて下さい。

ここで、私はBFCへの参加資格が無いけど、身勝手にも、お一人様企画、

「もしもこんなブックフェアがあったら」

を、以前創ってみた架空の書店で開催してみたことがあったので、紹介させて頂きますね(^^)/

<架空書店でのブックフェア>

■Fika(フィーカ)書店さんのブックフェア:

☆ゆるく楽しく美しくなっていく文庫フェア

☆「プレゼントなんかいいの」と言われた時には絵本をフェア

■いきぬき書店さんのブックフェア:

☆その感情に反射して目の前が色づく季節本フェア

☆好きに生きるってベリーハードじゃんか泣き本フェア

■ひといき書店さんのブックフェア:

☆未完成のまま今日をゆくのフェア

☆思い出の中で永遠に纏いたい言葉があるのフェア

■いきつぎ書店さんのブックフェア:

☆生まれ変わるなら生きているうちにだぜ体験本フェア

☆あれれ?!今日まで、どうやって、息吸ってたんだっけ!?教えて本フェア

■ひとやすみ書店さんのブックフェア:

☆その強さも弱さもわたしの遺産だ!省みて文庫フェア

☆少年半分少女半分大人も半分本フェア

■しょうけい書店さんのブックフェア:

☆速さ✖時間じゃ出せない人と人との距離の求め方文庫フェア

☆悩むべき悩みだけ悩んできませんか?フェア

■たんま書店さんのブックフェア:

☆言葉に頼りすぎると退屈な人間になっていく。脱ぐのは紡いだ言葉なのよフェア

☆人生は転がらないと次にいけない仕組み本フェア

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