受け止めて、笑ってみる。
失敗したときや、ちょっと恥ずかしいなと思ったとき、またはつらいときや苦しいとき、悲しいときそれを素直に受け止めて笑ってみると気分が軽くなります。
自分で自分を笑うというのは、ざまみろで笑うとか、あざ笑うという意味ではありません。
もっと自分の気分を軽くするため、そして、あまり深刻になり過ぎないために、笑ってみるのです。
もちろん真剣なのは良いことなのですが、それが度を越すと、今度は深刻になりすぎて、暗くなってしまうから。
暗くなってしまうと、何もかもが重たくなって、余計に苦労したり、暗さが暗さを呼んで、マイナスの連鎖が始まります。
同じ苦労でも、明るい苦労だって、あるはず。
それを上手に調和させるのが、自分で笑うというスキルです。
つらいときや大変なときに、「まあいいか」とか、「こんなときもあるよね」と笑ったら、それほど苦しくなくなります。
映画でもそんなワンシーンがありました。
「マグノリアの花たち」という映画をご存知でしょうか。
映画の終わりのほうで、ジュリア・ロバーツ扮するシャルビーが亡くなって、母親役のサリー・フィールドが悲しくって、なんであの子が死ななくちゃならないの?
怒りでどうにかなってしまいそう、何かを思いっきり殴りたい!と泣き叫んで女友達にぶちまけるシーン。
4人の女友達も、同調して悲しくなっているところへオリンピア・デュカキスが、「そうよ!この人を殴りなさい!」と横にいたシャーリー・マクレーンを差し出すのです。
唐突なことに、涙に暮れていた一同は、はた、と止まります。
シャーリーは「あんたおかしくなったの?なんであたしなのよ?!」と怒りますが、オリンピアは「あんたはいつも人に迷惑をかけてばかりなんだから、こんなときくらい役に立てばいいのよ!さあ殴って!」
そのやりとりがおかしくて、さっきまで泣き叫んでいたサリー・フィールドが笑い出し、みんなが笑ってしまいます。
シャーリーだけは怒ってその場を去りますが、すぐ後でオリンピアがご機嫌をなだめにやってきます。
「ごめんなさいってば。代わりに私を殴ってもいいから。わかってちょうだい、あの場はあまりにもシリアスで、誰かが何かして笑わなければならなかったのよ」というのがオリンピアの言い分でした。
あまりにつらいとき、笑ったら少し楽になる、というのがメッセージですね。
この映画の英語の原題は、”Steel Magnolias”で鉄のマグノリアたちという意味ですが、女たちがいかに強いか、というのがテーマ。
ジュリア・ロバーツが死ぬシーンでは、彼女の父親や夫は耐えられなくて部屋を出て行くのですが、母親のサリー・フィールドは、「離れられずにそこに座って彼女が逝くのをただ見てたわ。私は鉄の心でも持っているのかしら」と振り返るのです。
多分、それで鉄のマグノリア(女)たち、がタイトルだったのだと私は昔解釈しました。
その強さを持っている女性たちに欠かせなかったのが笑うことでした。
私たちも同じ。
笑ったらすっきりした、考えてみたらそれほどたいしたことじゃなかった、それほど悪くなかった、と思えることはありますよね。
ときに笑うのなんかわずらわしくて、とてもできないと思うこともあります。
その時間も必要かもしれないので否定しなくてもいいけれどあらかじめ、限定しておくことをお勧めします。
10分だけ、1日だけ苦しんでみよう、とか・・・・・・
その限定時間が終わったら、笑ってみましょう。
それだけで、気分を変えられるから不思議。
普段から意識してやってみると、いつでもそれをコントロールできるようになります。
現実から逃げるのではなく、現実を否定するのでもなくてまず受け止めて、自分について笑ってみること。
どうせずっと悲しんでも苦しんでもいられないしそれなら、笑ってみることです。
笑えなくても、無理やりにでも、笑ってみる。
それだけで気分は明るくなります。