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【LAWドキュメント72時間】ものと人間の文化史「白鳥」

法政大学出版局が刊行を続けている叢書シリーズ「ものと人間の文化史」。

動植物や作物、身の回りの道具、そして食材といった、極めて身近な素材をテーマにしているにも関わらず。

また、読み物や雑学本といった形態ではなく。

学術レベルに近い水準を以て、日本の歴史と文化の中で位置づけていくという、他に類例を見ない作品群です。

年数冊というゆっくりとしたペースで刊行が続くシリーズで、毎年、新刊を楽しみにしています(^^♪


「ものと人間の文化史」は、文化の基礎をなすと同時に、人間のつくり上げたもっとも具体的な

「かたち」

である個々の

「もの」

について、その根源から問い直し、

「もの」

とのかかわりにおいて、営々と築かれてきた暮らしの具体相を通じて、歴史を捉え直す叢書で、1968年から現在までに、184巻が刊行されています。


「白鳥」(ものと人間の文化史 161)赤羽正春(著)


「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」
(若山牧水『海の声』より)



「同級生で特攻隊要員として今訓練中の友人が居るじゃないか。

棺桶のような特殊潜航艇の訓練もはじまっている。

この歌はわれわれのような今の若者の運命を予言する、古代の『童謡(わざうた)』だと思わないか。」(岡野弘彦「創作」百巻記念号(2013年9月号)「牧水短歌の不思議」から)


サン=サーンス:動物の謝肉祭 - 白鳥


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