【LAWドキュメント72時間】数字まみれの現代が私たちに与える影響とは?
「数字まみれ 「なんでも数値化」がもたらす残念な人生」 ミカエル・ダレーン/ヘルゲ・トルビョルンセン(著)西田美緒子(訳)
やっぱり数字に強いほうが人生も勝ち組になりやすいらしい
「Math-ish Finding Creativity, Diversity, and Meaning in Mathematics」(English Edition)Jo Boaler (著)
数字に強くなりたいなら「数学っぽく」学ぶのが大事なのだ!って本を読んだ話。
かつては、数値化が、不可能な領域がたくさんありました。
自分で考え、推論し、評価する主観性が、必須でしたね。
しかし、今では、あらゆるものが、
「数値化」
されるようになりましたが、その結果、身の回りの数字によって、私たちが受けている影響はなにか?
例えば、この記事の様な影響が考えられます。
本書に登場する実験等、気になる記述は。以下の通りです。
「運動や読書の成果を数値化した実験。
活動当初はわずかに実績が上がるが、次第に意欲が薄れていき、実験後も実験後も活動を続けたいという人は減った。
計測と定量化(外発的な動機)の副作用は、やる気と意志があっと言う間に薄れること、また自己執着的になり、ひどい場合には自己陶酔に陥ることも。」
「ホテルやレストランの評価を数値化したり、他社の採点を目にすることで、楽しかったはずの経験が台無しになってしまうことがある。
個々人の経験を比較すればするほど、どの経験も特別なものとして目立つことが難しくなってしまう。」
「数字が含まれたニュースと、数字がないニュースの2種類を聞かせる実験。
数字が含まれたニュースを聞いた被験者の脳は、前頭前野の活動が少ない。
つまり数字があると人は深く考えなくなる。
ニュースの受けてだけでなく、書き手も記事内で数字を使えば使うほど、個人的な見解の記述が減る傾向がある。」
この実験結果の様に、私たちの認識として、数字は、客観的で、いつも正しいと思いがちです(^^;
だから、フォロワー数の多い人の発言が正しいと思い込んだり、閲覧数の多いニュースに信憑性があると、考えてしまったりしがちです。
でも、人は、時に嘘をついたり、事実を脚色したりするから、しょせん数字は、人間が作り上げたものさしにすぎない、ということを、常に頭に入れて置かなければならないと考えれます。
【参考図書】
「われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略」ウィリアム フォン・ヒッペル(著)濱野大道(訳)
「進化心理学から考えるホモサピエンス 一万年変化しない価値観」アラン・S・ミラー/サトシ・カナザワ(著)伊藤和子(訳)
「情報発信者(メッセンジャー)の武器 なぜ、人は引き寄せられるのか」S・マーティン/J・マークス(著)安藤清志/曽根寛樹(訳)
【参考記事】
【参考動画】
数字化される世界【論理国語】教科書あらすじ&解説&漢字〈オリヴィエ・レイ〉
【参考書評】
「統計の歴史」オリヴィエ・レイ(著)原俊彦(監修)池畑奈央子(訳)