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[LHTRPG]月下に出でよ決闘者
シナリオガイダンス
プレイヤー人数 4人
キャラクターランク 6
プレイ時間 6~7時間
これはCR6の〈冒険者〉を対象とした『LHTRPG』のシナリオである。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHTRPG』を遊ぶことができる。あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。
このシナリオには戦闘2回、ミッション0回が含まれる。オンラインでのセッションは特に時間がかかる場合もあるため、予備時間を確保して遊ぶことをお勧めする。
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GM向け情報
▼シナリオ背景
天秤祭も終わりを迎えた晩秋のイースタル。秘密裏にその地下に作られた闘技場では、〈アキバの街〉に与しない冒険者達による悪徳の宴が日夜開かれていた。PC達は己の自由のため、賞金のため、あるいは悪徳ギルドの潜入捜査のために地下闘技場へと足を踏み入れ、そこで巨大な獣型モンスターと対面することになる。
▼PC番号およびシーンプレイヤーの扱い
このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。
▼スペシャルサンクス
このシナリオは、素案としてporcoさんから提供いただいたアイデアをbatonが独自に編集したものである。この場を借りて謝意を捧げたい。
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プリプレイ
今回予告
〈円卓会議〉の手が及ばない地底都市に、悪徳ギルドの集う闘技場が開かれたらしい。様々な試練に晒されながらも一応の安定を見せる〈アキバの街〉に、対照的な噂話が聞こえ始めたのは秋の終わりの頃だった。
ログ・ホライズンTRPG 「月下に出でよ決闘者」
魂の翼持つ〈冒険者〉たちよ、地平線の彼方にあらたな記録を刻め!
レギュレーション
このシナリオは以下の環境で遊ぶことを想定して作成されている。GMの決定した難易度によって【因果力】が増減するため忘れず反映すること。
▼使用ルール
『ログ・ホライズンTRPGルールブック』
『ログ・ホライズンTRPG拡張ルールブック』
GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。
▼推奨キャラクター
このシナリオは、戦闘2回、ミッション0回で構成されている。
このシナリオは、CR6のキャラクター4人で遊ぶことを想定して作られている。冒険に挑むキャラクターは、アーキ4職(戦士職・回復職・攻撃職×2)が揃っていることが望ましい。不足する場合は戦士職・回復職を優先すること。
▼おすすめサブ職業
ミッションが存在しないため、サブ職業は好きなものを取得するといいだろう。
▼PCの立場
PCたちは、奴隷闘士として闘技場の対モンスター戦へ投入されることになる。相手となるのは正々堂々の戦いを好む誇り高き〈月牙王狼〉。闘技場内の戦闘に勝利し、賞金を手に入れ、或いはこの悪徳の宴に終止符を打とう。
▼セッション難易度
以下の難易度から1つ選択する。そのとき『ログ・ホライズンTRPG』未経験者がプレイヤーに含まれているのであれば「難易度:イージー」を選ぶこと。
イージー PC全員の【因果力】+1
ノーマル 特になし
ハード GM用【因果力】+PC人数と等しい数
ベリーハード GM用【因果力】+(PC人数×2)と等しい数
ナイトメア GM用【因果力】+(PC人数×3)と等しい数
インフェルノ GM用【因果力】+(PC人数×4)と等しい数
ヘル GM用【因果力】+(PC人数×5)と等しい数
ルナティック GM用【因果力】+(PC人数×6)と等しい数
▼因果力の増強
GMが許可するなら、プレイヤーは次のどちらかを行ってもよい。
・手持ちの「因果力チケット」を消費して追加の【因果力】を最大1点まで得る。
・PCの所持金から50Gを消費して「温泉」を使用し、追加の【因果力】を最大1点まで得る。
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使用するEXパワー
このシナリオでは以下の専用EXパワーを合計1回まで利用できる。
《カザラの起動回復》[EXパワー][部隊:回][パーティ]
対象がダメージを受けた直後に使用する。対象の【HP】を20点回復し、対象にダメージを与えたキャラクターに10点の直接ダメージを与える。
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オープニングフェイズ
GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。
インタールード
シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
OP1:【地下牢にて】
シーン種別 :シネマティックシーン
解説 :PCが闘士の待機部屋に集合する
目的 :PC達が互いのことを知る
オーバーチュア
狭い廊下に足音が響く。それは次第にこちらの方に近づいて、やがて軋む鉄扉の音が部屋に響いた。
何人かが部屋に入った後、最後尾の男が威勢よく言い放つ。
「お前ら、新顔のご到着だ!次の演目はこのメンバーで戦って貰う。足引っ張らねぇように、今のうちに作戦でも立てておくんだな。」
言うだけ言うと再び鉄扉は閉じられて、しんと静かな探り合いの空気が辺りに流れた。
…ようこそ。月光すらも通らぬ闇の〈地下闘技場〉へ。
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
・モンタージュ
物語はPC達が〈地下闘技場〉の闘士控室に集合した所から始まる。といっても、控室とは名ばかりであり、この部屋は事実上の牢獄である。ここでPCの置かれた状況を簡単に整理しておこう。
・この〈地下闘技場〉はダンジョンを改造して作られている。ダンジョンの壁に貼られた[霊符]アイテムによりモンスターのポップアップは抑えられているが、《帰還呪文》[死亡]による転送先は闘技場内の一室に固定されている。
・フィールドの制限により、パーティ外への《念話》機能は利用することができない。
・ここを取り仕切っているのは、PK行為などによって〈アキバの街〉から排除された冒険者である。彼らはレベルの低い〈冒険者〉の人身売買に手を染めており、〈EXPポット〉などの取引、ダンジョン占有による財宝の半自動回収、そして闘技場の賭博によって財を成しているようだ。
・今回集められた冒険者達は、人身売買の被害者として売られた者、危ない体験を求めて流れ着いた者、あるいは噂を耳にした〈円卓会議〉などからの密命を帯びて潜入している者などの背景が考えられる。
一通りの状況が確認できたら、部屋の古参と思しき冒険者が口を開く。
カザラ
[冒険者][男性][狼牙族][施療神官][騎士]
大災害直後の混乱期に悪徳ギルドの被害を受け、現在は地下闘技場の奴隷闘士に身をやつしている冒険者。口下手で無骨・粗暴な印象を受けるが、心のうちに秘めた熱い心と誠実さは時に周囲の人々を驚かせる。
「——お前達はまだ、ここの戦闘を経験していなかったな。先に言っておくが、この先は地獄だ。今の扱いを受けて、一度刻んだ決心は手放すな。」
「いいか、間違ってもまともに戦って勝てる相手が用意されているとは思うなよ。連中が用意しているのは、それこそ吐き気がする手口ばかりだ。特に——」
男は言葉を切り、君たちを見渡して言う。
「——感情を動かされるな。」
「さて……そろそろ手札公開といこう。このゴミ溜めで唯一神聖な、俺たちの開戦前の儀式だ。名前と出来ること、ここに何をしに来たのかを言いやがれ。日和ったこと抜かしやがったら、開戦の前にぶっ殺してやる。」
要するに、男は「自己紹介をしろ、よく連携して、互いの足を引っ張るな」ということを言いたいようだ。円陣を組むなどしてもよい。改めてPCの視点から自己紹介と、今回の戦闘にかける想いを答えよう。
男は「俺は〈カザラ〉だ。[施療神官]。仕事は本丸以外を叩き潰すこと。この地獄を叩き潰すために……やらせてもらう!」と宣言する。
・シーンの終了
一通りの決意表明が終わったら、MD1【かくて饗宴は開かれり】に進む。
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ミドルフェイズ
インタールード
ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点ずつを配布しよう。
MD1:【かくて饗宴は開かれり】
シーン種別 :ブリーフィングシーン
解説 :エネミーとの戦闘に備え、PCたちが準備を整えるシーン。
目的 :偵察や事前準備を行い戦いの準備を整える。
オーバーチュア
「さぁギルマス、こちらへ。」
「で…今日の演目は?」
「この前また全滅まで持っていった、例のオオカミですぜ。」
「あれだけ固めて毒まで盛って尚も無敗、か。いや、恐れ入るね、モンスターの生命力ってのも……。」
ゆったりと構える2人の冒険者とは対照的に、〈地下闘技場〉の盛り上がりは凄まじいものがあった。戦斧を構えた屈強な武士が、肩に深手の裂傷を負いながらも巨大な〈骸骨巨人〉の脊柱骨を粉砕し、観客達の渦のような歓声が一段と大きくうねる。戦いはギャンブルとして楽しまれているらしく、怒号と嘲りがそこかしこでぶつかりあう。まさに〈悪徳の街〉にふさわしい空気が会場全体を包んでいた。
この「決戦の舞台」に、君たちは足を踏み入れることになる。死力を尽くし、未来をもぎ取る時が来たのだ。
・モンタージュ
次の戦闘シーンでは、手応えのある戦闘が予想される。クライマックスフェイズにも戦闘が控えていることに注意し、[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。PC達は、判定なく次の情報が得られる。
PC達が降り立ったフィールドには、傷だらけになった巨大な狼が鎖に拘束されている。賑やかしの為か、その周囲にはゴブリンの一団も放たれて君たちに襲い掛からんと様子を伺っているのが分かるだろう。特に狼の姿は目にも痛々しいものがあるが、その瞳は君たちをじっと見据え、闘争の意志に満ちている。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
巨大な狼のステータスは[レイド]ランクを示しており、本来PC達のように5人で挑むような相手ではないことがはっきりと確信できる。これだけのモンスターが何故捕獲されているのか、むしろそちらの疑問が強まってくる程だ。君たちは狼の動向に十分気をつけつつ、勝負に臨むこととした。
・シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
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MD2:【地下闘技場の戦い】
シーン種別 :戦闘シーン
解説 :〈月牙王狼〉たちとの戦闘を行う
目的 :〈月牙王狼〉を撃破する
オーバーチュア
戦闘開始を告げるゴングが鳴り響き、両者を隔てる鉄格子が取り除かれた。
冒険者たちよ、無事にこの局面を突破せよ!
・戦闘の終了条件
勝利条件:〈月牙王狼〉が[戦闘不能]になる。
敗北条件: PC全員が[戦闘不能][死亡]になる。
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・エネミーの動き
エネミーは基本的に[ヘイトトップ]のキャラクターを対象に攻撃をする。〈月牙王狼〉は移動範囲に制限があるため、《誘いの咆哮》や《ゴブダクション》を利用して冒険者を射程範囲内に誘導していく。〈緑小鬼の剣闘兵〉は《疾風の獣爪》に巻き込んでしまって、PCを攻撃しながら[昂揚]タグを蓄積させていこう。
・シーン終了
戦闘に勝利したら、シーン終了となる。倒したエネミーのドロップ品を入手するのを忘れないようにしよう。一連の処理が終了したら、MD3【解き放たれし力】に進む。
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MD3:【解き放たれし力】
シーン種別 :シネマティックシーン
解説 :月牙王狼が力を解放する
目的 :狼と決着前の言葉を交わす
オーバーチュア
〈月牙王狼〉は君たちの攻撃に崩れ落ちた。未だ不倒の大型エネミー撃破とあり、どうと観衆が湧き立つ。狼の体力を示すHPゲージは可視限界まで小さくなり、残り僅かのダメージが入れば完全に消滅することになるだろう。最後の一撃を叩き込むために態勢を取り直したその時、君たちの後方から声が聞こえた。
・モンタージュ
君たちは背後から突然の襲撃(《シャドウバインド》や《アルトラルヒュプノ》)を受け、たちまちのうちに拘束される。〈地下闘技場〉を取り仕切るギルドのメンバーが、試合勝利の栄光とドロップ品を横取りするために動き出したのだ。ギルドマスターと見られる男が狼の頭上に降り立ち、スパイク付きの靴で傷ついた体を足蹴にしながらPC達に言い放つ。
「やぁ、ご苦労だった。これで〈月牙王狼〉対冒険者の演目は、“俺たち”冒険者の勝利って事になるな。おめでとう、おめでとう!」
「こいつは本当に頑丈でなぁ、ここのボスらしいんだが、拘束までは楽にできた癖してなかなか倒しきれないときた。気長にバトルを仕掛けてたが、ようやくの初撃破だ!なにせ新種のレイドエネミーだ、幻想級に高額ドロップ……何が出てくるか楽しみで仕方ねぇ!」
ギルドマスターは「お前らにも報酬を山分けしてやらないとな」と君たちに近づいて、転がっていたゴブリンの骨を蹴り込んでくる。その様子に会場は下卑た嘲笑を浴びせかけてくるだろう。
一通りPC達がリアクションを取ったら、一同はギルドマスターの背後が不意に輝き出すのを目撃する。
輝きの正体は月牙王狼の体である。深く傷ついた毛皮の体から炎のようにゆらめく霊体が浮上し、一際大きく、白く輝く獣の姿を形成していく。驚愕するギルドマスターの体は素早く伸びた腕に掴まれ、PC達の視界から連れ去られた。——拘束が、解かれる。
一閃。狼が絶叫し、周囲の冒険者が次々に吹き飛ばされていく。振動によって闘技場の天井が崩落を始め………〈地下闘技場〉は、その悉くが吹き飛ばされた。
崩壊した天井から、月光が唯一残ったフィールドを照らしている。
佇む獣の名は〈月光纏う大顎門〉。彼は、礼のつもりか君たちに思念を送ってくる。
「勇敢なりし〈冒険者達〉よ、これで邪魔者はいなくなった。さぁ、第2ラウンドである。心ゆくまで闘技を続けようぞ…!」
・シーン終了
PC達が狼に対してリアクションを返したらシーンを終了し、CL1【煌く狼との決闘】に進む。ミドルフェイズの終了にともない、PC全員に【因果力】を1点ずつ配布すること。
次はいよいよクライマックスフェイズである。ここでプレイに休憩を挟むと良いだろう。
この後ブリーフィングシーン、および戦闘シーンが予定されている。
次のシーンが戦闘の前に準備を整える「ブリーフィングシーン」であることを宣言しよう。
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クライマックスフェイズ
インタールード
ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
CL1:【煌く狼との決闘】
シーン種別 :ブリーフィングシーン
解説 :エネミーとの戦闘に備え、PCたちが準備を整えるシーン。
目的 :偵察や事前準備を行い戦いの準備を整える。
オーバーチュア
月光が降り注ぐ闘技場の中で、君たちは確信する。今、目の前にいる〈月光纏う大顎門〉こそが狼の本来の姿であり、彼がやすやすと捕えられていたのも、この形態への”覚醒”を待っていただけだったのだと。
狼は、真の力を振るうにふさわしい好敵手の姿を君たちに定めた。残りHPは依然として僅か。月下に今、真の大物狩りが始まる!
・戦闘準備
次の戦闘シーンでは手ごたえのある戦闘が予想される。[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
〈月光纏う大顎門〉は、月光を浴びて更なる力を得ているようだ。狼の周囲に月を模したと思われる魔力体が浮かび上がり、その狂気を加速させている。利用できる全てを駆使して、狼の強化状態をなんとか解除しなければならないだろう。
・シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
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CL2:【月下に出でよ決闘者】
シーン種別 :戦闘シーン
解説 :〈月光纏う大顎門〉との戦闘を行う
目的 :〈月光纏う大顎門〉を撃破する
オーバーチュア
天には星々、瓦巨狼礫に囲まれたフィールドに残るは、一頭の巨狼と僅か6人の冒険者。静寂がしばし辺りを支配し――
不意に落下した瓦礫の音を皮切りに、戦闘が開始される。
冒険者たちよ、無事にこの局面を突破せよ!
・戦闘の終了条件
勝利条件:〈月光纏う大顎門〉が[戦闘不能][死亡]になる。
敗北条件: PC全員が[戦闘不能][死亡]になる。
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・エネミーの動き
エネミーは基本的に[ヘイトトップ]のキャラクターを対象に攻撃をする。セットアップで【月鏡:乾】【月鏡:坤】を設置して、なるべく多くのキャラクターを巻き込む形で《ルナティックレイ》を使用しよう。
・シーン終了
戦闘が決したら、シーン終了となる。倒したエネミーのドロップ品を入手するのを忘れないようにしよう。
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エンディングフェイズ
インタールード
ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
E1-A:【月光は冒険者の上に輝く】
シーン種別 :シネマティックシーン
解説 :クエストを報告する。
目的 :物語を終わらせる。
オーバーチュア
君たちは死闘の末、ついに〈月光纏う大顎門〉を打倒する。〈月光纏う大顎門〉は君たちの力を称え、再会を願って月へと帰還していく。
・モンタージュ
・シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
E1-B:【月光は巨狼の上に輝く】
シーン種別 :シネマティックシーン
解説 :クエストを報告する。
目的 :物語を終わらせる。
オーバーチュア
君たちは死闘の末、〈月光纏う大顎門〉の前に全滅を喫する。〈月光纏う大顎門〉は君たちの力を称え、再会を願って月へと帰還していく。
・モンタージュ
・シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
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アフタープレイ
「アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。
◆プレイヤー :CRアップ1枚、アザーゲット1枚
◆GM :CRアップ1枚、財産ゲット(プレイヤー人数+1)枚、アザーゲット4枚
上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。さらに、活躍したPCのプレイヤーには「因果力ゲット」を追加で1枚配布しよう。
この「因果力ゲット」配布は優れたプレイヤーを見つけ出すための措置ではない。その日のプレイを振り返って互いの健闘をたたえるためのものである。ぜひ全員の好プレイを思い出して、チケットを配布しよう。
・タグ報酬
PC全員は、クライマックスフェイズの戦闘に敗北しているなら、[月下に巨狼へ挑みし者]、勝利しているなら[月下に巨狼を踏み越えし者]を得る。
・セッションの終了
すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!
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データセクション
エネミーデータ
シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。
〈緑小鬼の剣闘兵〉[モブ][亜人][ゴブリン]
ランク:6_識別難易度:6
STR 4_DEX 3_POW 2_INT 3
回避 10[固定]_抵抗 8[固定]_物理防御力 15_魔法防御力 11_最大HP 42
ヘイト倍率 ×2_行動力 5_移動力 2
▼特技
《ゴブリンレイジ》_ダメージ適用直後_このエネミーが[精神]ダメージを受けた時に使用する。このエネミーは即座に《ゴブヘヴィソード》を使用しても良い。この時、ダメージロールに+5を得る。
《ゴブヘヴィソード》_[白兵攻撃]_メジャー_対決(12[固定]/回避)_単体_至近_[30+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕対象の【ヘイト】を-1する。
《ゴブダクション》_[移動]_ムーブ_自動成功_単体_至近_シーン1回_このエネミーは2Sqまで[即時移動]をしてもよい。このエネミーの移動と同時に、対象をこのエネミーが移動したSqに[即時移動(強制)]させる。
▼ドロップ品
なし
▼解説
闘技場に出現するゴブリン族の一種。無骨な剣と円盾を装備しており、悪徳ギルドの冒険者たちに体よく闘技場の余興として投入されている。なお、暴れることが好きな本人たちはこのことに特に疑問を感じていないようだ。
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〈月牙王狼〉[レイド][幻獣][暗視][拘束]
ランク:6_識別難易度:10
STR 3_DEX 4_POW 2_INT 3
回避 4+2D_抵抗 2+2D_物理防御力 15_魔法防御力 12_最大HP 130
ヘイト倍率 ×5_行動力 7_移動力 3
▼特技
《狂える巨狼》_常時_このエネミーが与えるHPダメージは([昂揚]タグの数×5)される。このエネミーは[火炎]ダメージを受けるとき、防御力を0として扱う。
《疾風の獣爪》:_[白兵攻撃]_メジャー_対決(5+3D/回避)_範囲(選択)_2Sq_[50+2D]の物理ダメージを与える。〔対象:モブ〕対象を[戦闘不能]にしてよい。そうしたなら、このエネミーは[昂揚]タグを1つ得て、【HP】を30点回復し、受けているBSを1つまで解除する。
《再行動》:_本文_ラウンド1回_このエネミーが[行動済]になった時に使用する。このエネミーは即座に[未行動]となり、その後ラウンド終了時まで【行動力】が0となる。
《誘いの咆哮》:_セットアップ_自動成功_広範囲20(無差別)_至近_このエネミーからみて2Sq以内に存在するキャラクターは対象にできない。対象は2Sq[即時移動(強制)]する。但し、この移動は対象がこのエネミーに接近するように指定しなければならない。その後、対象に[放心]を与える。
▼ドロップ品
1~4:狂走髄液[魔触媒7](60G)×3
5~6:銀の獣皮[換金](360G)
固定:錆びた月鋼[コア素材](60G)
▼解説
巨大な体躯を誇る銀毛の狼型モンスター。[レイド]級であるにも関わらず、ダンジョンの定位置に留まることなくヤマト全域を移動し続けていたようだ。現在は拘束状態にあるが、その正体とは…。

〈月光纏う大顎門〉[レイド][幻獣][暗視][昂揚]×5
ランク:6_識別難易度:12
STR 3_DEX 4_POW 2_INT 3
回避 4+2D_抵抗 2+2D_物理防御力 13_魔法防御力 13_最大HP 200
ヘイト倍率 ×5_行動力 10_移動力 3
▼特技
《光り輝ける巨狼》_常時_このエネミーは[火炎]ダメージを受けるとき、[昂揚]タグを1つ失う。このエネミーはメインプロセス終了時に2Sqまで[瞬間転移]してよい。
《ルナティックレイ》:_[魔法攻撃][光輝]_メインプロセス_対決(5+3D/抵抗)_本文_至近_ラウンド1回_この特技の対象は直線(「このエネミーの[昂揚]タグの数+1」×5(選択))となる。対象に[45+2D]の魔法ダメージを与える。〔対象:ヘイトアンダー〕ダメージに-20する。
《テラバイト》:_[白兵攻撃]_メジャー_対決(5+3D/回避)_単体_至近_[55+2D]の物理ダメージを与える。このメインプロセスで対象が[戦闘不能]になったなら、このエネミーは[昂揚]タグを1つ得て、受けているBSを2つまで解除する。〔マイナー〕対象に[萎縮]を与える。〔因果力1〕この特技を「対象:範囲(選択)」にする。
《再行動》:_本文_ラウンド1回_このエネミーが[行動済]になった時に使用する。このエネミーは即座に[未行動]となり、その後ラウンド終了時まで【行動力】が0となる。
《水鏡に月》:_セットアップ_自動成功_エンカウントシート上のそれぞれ異なるSqに【月鏡:乾】【月鏡:坤】を合計「このエネミーの[昂揚]タグの数」個設置する。このプロップはラウンド終了時に取り除かれる。
《天の羽衣》:_マイナー_[昂揚]タグが3つ以上の時のみ使用できる。受けているBSを1つまで解除する。
▼ドロップ品
1~3:銀の獣皮[換金](360G)
4~6:月の繭糸[魔触媒7](60G)×4
固定:月光水晶[コア素材](80G)
▼解説
月世界から来たといわれる、光の衣を纏った巨大な銀狼。力ある者を月の世界に誘う任を負っているとされる。月光を収束させて放つ破壊の光線は強大な威力を誇る。

プロップデータ
シナリオに登場するプロップデータを記載する。
【神縛る鎖】 [オブジェクト]
探知難易度 なし 解析難易度 8 解除難易度 不可
▼効果・解説
このプロップは達成値12以上の《異常探知》によっても[解析済]状態になる。[拘束]タグを持つキャラクターは、このプロップから5Sq以上離れたSqに侵入できない。このプロップは【HP】20点をもち、[拘束]タグを持つキャラクターからダメージを受けない。
【月鏡:乾】 [オブジェクト]
探知難易度 なし 解析難易度 なし 解除難易度 12
▼効果・解説
「対象:直線」の行動がこのプロップから見て「上方向/右方向」から指定される場合、以降の行動対象はこのプロップから見て「右方向/上方向」に延長したSqから指定される。「対象:直線」の行動がこのプロップから見て「下方向/左方向」から指定される場合、以降の行動対象はこのプロップから見て「左方向/下方向」に延長したSqから指定される。
【月鏡:坤】 [オブジェクト]
探知難易度 なし 解析難易度 なし 解除難易度 12
▼効果・解説
「対象:直線」の行動がこのプロップから見て「上方向/左方向」から指定される場合、以降の行動対象はこのプロップから見て「左方向/上方向」に延長したSqから指定される。「対象:直線」の行動がこのプロップから見て「下方向/右方向」から指定される場合、以降の行動対象はこのプロップから見て「右方向/下方向」に延長したSqから指定される。
【燻る瓦礫】 [地形][機械]
探知難易度 12 解析難易度 なし 解除難易度 不可
▼効果・解説
〔起動:インスタント〕対象の[武器攻撃]のダメージに[火炎]タグを追加する。この効果はCSとして扱い、対象がHPダメージを受けた際に解除される。
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シナリオ設定
描写に際しての設定を紹介する。この項に書かれている設定は、あくまで参考用である。描写に際しては、GMは背景情報を自由に変更してよい。