[LHTRPG]死を視よ、生を視よ
シナリオガイダンス
これはCR1の〈冒険者〉を対象とした『LHTRPG』のシナリオである。あなたがGMならば、このシナリオを使うことですぐに『LHTRPG』を遊ぶことができる。あなたがプレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶつもりならば、これを読むのはセッションが終わるまで待ってほしい。
このシナリオには戦闘1回、ミッション1回が含まれる。オンラインでのセッションは特に時間がかかる場合もあるため、予備時間を確保して遊ぶことをお勧めする。
GM向け情報
▼シナリオ背景
〈チョウシ防衛戦〉後、冒険斡旋所で発行されている恒常クエストのひとつに「モンスターの生態調査」がある。大地人同様、モンスターも単なるデータではないことが明らかになり、〈アキバの街〉でも想定外の生態を持つモンスターの存在が囁かれはじめている。今回、冒険者たちはアキバ近郊にある〈ユニバシル魔草庭園〉を調査地とし、知られざるモンスターの生態を追う。
▼PC番号およびシーンプレイヤーの扱い
このシナリオでは、PC番号を使用せず、またシーンプレイヤーも指定しない。GMは必要であれば任意にシーンプレイヤーを指定してもよい。
▼参考・出典
このシナリオは、2014年に作られた同作のセルフリメイクとなる。再構築にあたり諸データやロールプレイ指針を変更しているため、前作をプレイされた経験がある方は注意されたい。また、本シナリオの再配布を禁止する。
プリプレイ
今回予告
レギュレーション
このシナリオは以下の環境で遊ぶことを想定して作成されている。GMの決定した難易度によって【因果力】が増減するため忘れず反映すること。
▼使用ルール
『ログ・ホライズンTRPGルールブック』
『ログ・ホライズンTRPG拡張ルールブック』
GMが許可するのであれば「ログホラ・ウェンズデイ」や「セルデシア・ガゼット」の追加データを使用してもよい。
▼推奨キャラクター
このシナリオは、戦闘1回、ミッション1回で構成されている。
このシナリオは、CR1のキャラクター4人で遊ぶことを想定して作られている。冒険に挑むキャラクターは、アーキ4職(戦士職・回復職・攻撃職×2)が揃っていることが望ましい。不足する場合は戦士職・回復職を優先すること。
▼おすすめサブ職業
探検家、地図屋、辺境巡視、狩人、追跡者、薔薇園の姫君、斥候、密偵、調教師など
▼PCの立場
PCたちは〈アキバの街〉でパーティを組んでクエストを受注し、「ユニバシル魔草庭園」にてモンスターの生態調査を行う。
PCが希望するならば、コネクション、ユニオンを取得してもよい。
▼セッション難易度
以下の難易度から1つ選択する。そのとき『ログ・ホライズンTRPG』未経験者がプレイヤーに含まれているのであれば「難易度:イージー」を選ぶこと。
▼因果力の増強
GMが許可するなら、プレイヤーは次のどちらかを行ってもよい。
・手持ちの「因果力チケット」を消費して追加の【因果力】を最大1点まで得る。
・PCの所持金から50Gを消費して「温泉」を使用し、追加の【因果力】を最大1点まで得る。
使用するEXパワー
このシナリオでは以下の専用EXパワーを合計1回まで利用できる。
《クリティカルアーツ:大防御》_[EXパワー][パーティー]
タイミング:イニシアチブ_判定:なし_対象:広範囲20(選択)_射程:20Sq
コスト:因果力4(協力)_制限:シナリオ1回
効果・解説
このEXパワーのコストは[戦闘不能][死亡]状態のキャラクターも支払いに参加できる。
3ラウンド目以降に使用できる。対象は【ヘイト】を-2してもよい。
〔対象:ヘイトトップ〕対象は[軽減:30]を得る。この効果はラウンド終了時まで持続する。
《クリティカルアーツ:大回復》_[EXパワー][パーティー]
タイミング:イニシアチブ_判定:なし_対象:広範囲20(選択)_射程:20Sq
コスト:因果力4(協力)_制限:シナリオ1回
効果・解説
このEXパワーのコストは[戦闘不能][死亡]状態のキャラクターも支払いに参加できる。
3ラウンド目以降に使用できる。対象の[戦闘不能][死亡]を解除し、【HP】を対象の【最大HP】と同じまで回復させる。
《クリティカルアーツ:単体火力》_[EXパワー][パーティー]
タイミング:メインプロセス開始時_判定:なし_対象:自身_射程:至近
コスト:因果力4(協力)_制限:シナリオ1回
効果・解説
このEXパワーのコストは[戦闘不能][死亡]状態のキャラクターも支払いに参加できる。
3ラウンド目以降に使用できる。あなたがこのメインプロセスで行う「対象:単体」の攻撃は、[攻撃判定]をクリティカルしたとして扱い、ダメージロールに+[(CR×2)+10]される。
《クリティカルアーツ:範囲火力》_[EXパワー][パーティー]
タイミング:イニシアチブ_判定:なし_対象:広範囲(選択)_射程:4Sq
コスト:因果力4(協力)_制限:シナリオ1回
効果・解説
このEXパワーのコストは[戦闘不能][死亡]状態のキャラクターも支払いに参加できる。
3ラウンド目以降に使用できる。対象に[(CR×2)+5]点の直接ダメージを与える。
〔対象:モブ〕対象を[戦闘不能]にするか[死亡]させる(あなたが選択)。
オープニングフェイズ
GMはメインプレイとオープニングフェイズの開始を宣言し、次のシーンのシーン予告をすること。
インタールード
シーン予告の内容は、次のシーンのシーン定義を目的から順番に読み上げるとよい。プレイヤーからのシーン要望が無ければ、そのまま次のシーンを開始する。
シーン予告とシーン要望の確認は以降のインタールードでも毎回行なうこと。また、このシナリオでは、基本的にすべてのシーンにPC全員が登場する。GMはこれもプレイヤーに伝えよう。
OP1:【ぼくらはみんな生きている】
「モンタージュ」には、シーンが変化した描写とそれを読み上げるべきタイミングが記載されている。これは厳密なものではないので、GMはPCたちの反応を見つつ、ロールプレイが一段落したなどの区切りの良い場面で「モンタージュ」による変化の描写を行うとよい。
・モンタージュ
大災害から2か月が経過した〈アキバの街〉。オープニングの舞台となるのは、街の一角に建てられた〈アキバ冒険斡旋所〉となる。君たちは同様のクエストを受注するということで一か所に集められ、斡旋所の受付嬢である〈ロデリック商会〉のきらりから詳細を説明される。ナース風の衣装に身を包んだ彼女は、メンバーが揃ったのを見計らい元気に話し始める。
きらりは簡単に自己紹介をした後、今回のクエストについての説明を行う。概要は以下の通り。
・アキバの街近郊、地球世界では東京都小平市にあたる場所に〈ユニバシル魔草庭園〉というダンジョンが存在する。
・「ユニバシル魔草庭園」はゲーム時代にはNPCとの会話で「薬草アイテムが豊富に存在する」と言及されるのみだった侵入不能ゾーンだが、〈大災害〉後に侵入が可能となっていることが明らかになった。
・先行調査によればモンスターLvは30~40程度と、低中ランクダンジョンに属するようである。危険度も低いことが窺われるが、未知のモンスターが存在する危険もある。
・依頼内容について。通常はモンスターと遭遇した場合、回避か戦闘となる。しかし今回は、モンスターに気づかれないように付近に潜み、モンスターの行動を観察・記録して持ち帰ることが任務となる。
・反復調査が重要となるため、観察対象は既によく知られているエネミーであってもよい。また、やむを得ず戦闘となった場合は自衛を優先してよい。
・クエスト報酬として、円卓会議からはひとりにつき前金で50Gが支払われる。また、ダンジョンまでの移動は自動的に手配してもらうことができ、貴重な情報を得た場合は報告時にボーナスが用意される。
・シーンの終了
依頼内容をPC達が了承したら、パーティの結成を行う。改めて、PCの視点で自己紹介を行うとよい。一通りの交流が終わったら、MD1【光のどけき薬草園】に進む。プレイヤーが望むならば、この後に一般アイテムの購入などを行うシーンを追加しても良いだろう。
ミドルフェイズ
インタールード
ここからはミドルフェイズとなる。GMはミドルフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
オープニングフェイズが終了したので、各PCには【因果力】1点ずつを配布しよう。
MD1:【光のどけき薬草園】
このシーンはミッションシーンとなる。GMはミッション用のシートやコマを準備すること。
このミッションでは、調査対象となるモンスターを見つけて観察を行うことで調査度トークンを集めることができる。GMはPCの興味などにあわせて調査対象となるエネミーの描写を適宜変更しよう。このミッションは、知られざる生き物の生態を描写して楽しむことを主眼としているので、PC側からの描写も積極的にしてもらうと良いだろう。
・ミッションの進行
1.このミッションはラウンド進行をとる。ラウンド開始時、GMはスポットイベント表に従って各スポットのイベントを決定する。
2.各ラウンド、PCは下記のシナリオ動作から1つを選んで実行する。シナリオ動作のコストはスポットイベント表で決定されるので、参照すること。
3.各ラウンド終了時、PCは[食料]アイテムを使用してもよい。
・使用できるシナリオ動作
〈環境記録〉_[シナリオ動作]
タイミング:メインプロセス_判定:基本(運動、操作/7)_
次にPCが指定したスポットで行うシナリオ動作の達成値に+2する。〔達成値10〕次のラウンド開始時、GMはそのスポットイベント表を2回ロールし、PCはその中から好きな方を選択してよい。〔達成値13〕このシーンで使用できる[EXパワー]1つの使用回数を1回復してよい。〔自身:探検家、地図屋、辺境巡視など〕達成値に+1してよい。
〈生物探索〉_[シナリオ動作]
タイミング:メインプロセス_判定:基本(知覚、知識/8)_
指定したスポットに存在するモンスターのリストから[未発見]状態のものを1つ選び、[発見済]状態にする。〔達成値11〕さらに1種類のモンスターを[発見済]状態にしてよい。〔自身:狩人、追跡者、薔薇園の姫君など〕達成値に+1してよい。
〈行動記録〉_[シナリオ動作]
タイミング:メインプロセス_判定:基本(耐久、解析/8)_
指定したスポットに存在する[発見済]モンスターを1つ選び、調査度カウンターを1つ置く(最大4点)。〔達成値10〕同じモンスターに、さらに調査度カウンターを1つ置いてもよい。〔達成値13〕同じモンスターに、さらに調査度カウンターを1つ置いてもよい。
〔自身:斥候、密偵、調教師など〕達成値に+1してよい。
〈追加調査〉_[EXパワー][パーティ]
タイミング:イニシアチブ_自動成功_制限:シナリオ1回
[行動済]のキャラクターのみ使用できる。あなたは〈生物探索〉または〈行動記録〉を即座に1回行う。
〈休息する〉_[EXパワー][パーティ]
タイミング:メインプロセス_自動成功_制限:シナリオ1回
各PCは「消耗表:体力」を振り、その結果に等しい強度の[疲労]を回復してよい。この消耗表ロールは特技による影響を受けない。
・シーン終了
ミッションの清算が終わったらシーンを終了し、CL1【魔草庭園の黄昏】に進む。ミドルフェイズの終了にともない、PC全員に【因果力】を1点ずつ配布すること。
次はいよいよクライマックスフェイズである。ここでプレイに休憩を挟むと良いだろう。インタールードこの後ブリーフィングシーン、および戦闘シーンが予定されている。
次のシーンが戦闘の前に準備を整える「ブリーフィングシーン」であることを宣言しよう。
クライマックスフェイズ
インタールード
ここからクライマックスフェイズとなる。GMは、クライマックスフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
CL1:【魔草庭園の黄昏】
・戦闘準備
次の戦闘シーンでは手ごたえのある戦闘が予想される。[準備]タグの特技やアイテムの使用をうながし、万全の状態で戦闘に挑めるようにしよう。
[偵察]タグを持つ行動に成功したPCがいたなら、以下のカットインを読み上げること。
・ファンブル
前シーンのミッションで[慢心]を受けているなら、ファンブルの確率は大幅に上昇しているだろう。《敵情を探る》にファンブルした場合、PCの全員は【ヘイト】2かつ「最初のラウンドでは[待機]ができない」状態で戦闘を開始する。
・シーン終了
戦闘の準備が整ったら、シーン終了となる。
次はいよいよ戦闘シーンとなる。使用するエンカウントシートやマーカーなどを用意しよう。
CL2:【薬草園の戦い】
・エネミーの動き
エネミーは基本的に[ヘイトトップ]のキャラクターを対象に攻撃をする。この戦場最大の難点は中央の[地形]プロップであるが、エネミーは飛行状態なので、特に気にせず行動しつつ、チャンスがあれば【ヒーリングハーブの庭園】や【リフレッシュハーブの庭園】の効果を利用しよう。
・シーン終了
戦闘に勝利したら、シーン終了となる。倒したエネミーのドロップ品を入手するのを忘れないようにしよう。
また、冒険者たちは、「魔草庭園財宝表」(PC人数×1)回ぶんの財宝を見つける。財宝表ロールを行うこと。
エンディングフェイズ
インタールード
ここからはエンディングフェイズとなる。GMは、エンディングフェイズの開始をプレイヤーに宣言しよう。
エンディングは、すべてのフェイズの中でも比較的変更が容易な部分である。エンディングの目的は物語を終わらせ、プレイヤーに満足をしてもらうことだからだ。
E1:【セルデシア生態学】
・モンタージュ
「ええっ!?〈蒼ざめた鳥〉に会ったんですか!?」報告書を読んだきらりは開口一番PC達に問いかける。曰く、〈蒼ざめた鳥〉は特定の条件でしか出現しないとされる非常に珍しいモンスターで、生気や運気を吸う性質から、翻って出会えた者は非常に幸運であるのだとか。きらりはやや悔しそうにしつも、皆さんの調査の出来を讃えてくれる。クライマックスフェイズで勝利しているなら、クエストの報酬はひとりあたり20G上乗せされる。
最後に彼女は、クエストを終えて、よい体験はできたかと尋ねてくる。それぞれのPCの回答をもって、クエストを完了させよう。
・シーン終了
PCたちのロールプレイが一段落したら、このシナリオは終了となる。エンディングフェイズが終わったら、メインプレイを終了し、アフタープレイに移ること。
アフタープレイ
「アフタープレイ」にしたがってアフタープレイを行なう。
このシナリオで配布するログチケットは以下のとおり。
上記にくわえて、セッションに最後まで参加したプレイヤーとGMには「因果力ゲット」が1枚ずつ配布される。さらに、活躍したPCのプレイヤーには「因果力ゲット」を追加で1枚配布しよう。
この「因果力ゲット」配布は優れたプレイヤーを見つけ出すための措置ではない。その日のプレイを振り返って互いの健闘をたたえるためのものである。ぜひ全員の好プレイを思い出して、チケットを配布しよう。
・タグ報酬
PC全員は、ミッションシーン終了時の調査点合計が10点以上なら、[魔物の観察者]、15点以上なら[精緻なる魔物の観察者]を得る。
・セッションの終了
すべての処理が終わればセッションは終了となる。これにて今回の冒険は幕を閉じた。次なる冒険のためにいまは一時の休息としよう。お疲れ様でした!
データセクション
エネミーデータ
シナリオに登場するオリジナルのエネミーデータを記載する。
〈蒼ざめた鳥〉 [ボス][自然][暗視]
▼特技
《闇夜の医術師》:常時_
このエネミーは[阻止能力]を持たず、常に[飛行]状態となる。また、[弱点(呪薬):7]をもつ。
《音無き羽撃》:[物理攻撃]_メジャー_対決(5+2D/回避)_単体_至近_[17+2D]の物理ダメージを与える。〔マイナー〕[放心]を与える。〔因果力1〕この特技を「対象:範囲(選択)」にする。
《再行動》:_本文_ラウンド1回_このエネミーが[行動済]になった時に使用する。このエネミーは即座に[未行動]となり、その後ラウンド終了時まで【行動力】が0となる。
《衝動発作》:セットアップ_自動成功_広範囲20(選択)_至近
対象は「クリンナップ開始時、このラウンドに2sq以上移動していなかった場合、あなたは20点の直接ダメージを受ける」を受ける。これはマイナーまたはメジャーを使用することで解除できるBSとして扱い、[重篤]の影響を受ける。〔因果力1〕このBSを受けている間、対象はこのエネミーに近づくようにしか移動できない。
《瘴気の渦》:クリンナップ_自動成功_広範囲20(選択)_至近
このエネミーから見て3Sq以内のキャラクターは対象にできない。対象に[重篤]を与える。このエネミーは自身のBS1つを解除してもよい。
▼解説
体が闇色のインクで構成されている鳥のようなモンスター。白い仮面と帽子のように見える顔は、周囲の生物の魔力を吸収して幻覚や不調を呼びおこす効果がある。基本的な夜にしか見られない希少な生物。
プロップデータ
シナリオに登場するプロップデータを記載する。
【破裂草の庭園】 [地形]
探知難易度 なし 解析難易度 6 解除難易度 なし
▼効果・解説
このプロップは達成値6以上の《異常探知》によっても[解析済]状態になる。〔接触、滞在〕対象の【ヘイト】に+1する。
【裂傷草の庭園】 [地形]
探知難易度 なし 解析難易度 6 解除難易度 なし
▼効果・解説
このプロップは達成値6以上の《異常探知》によっても[解析済]状態になる。〔接触、滞在〕対象は[追撃:3]を2つ受ける。
【ヒーリングハーブの庭園】 [地形]
探知難易度 なし 解析難易度 6 解除難易度 なし
▼効果・解説
このプロップは達成値6以上の《異常探知》によっても[解析済]状態になる。〔接触〕対象に[再生:5]を与える。この[再生]は対象がこのプロップから離れるまで持続する。
【リフレッシュハーブの庭園】 [地形]
探知難易度 なし 解析難易度 6 解除難易度 なし
▼効果・解説
このプロップは達成値6以上の《異常探知》によっても[解析済]状態になる。〔接触〕対象がBSを1つ以上解除する場合、かわりにその数に1を加えた数のBSを解除してよい。
GM用EXパワー
シナリオの難易度調整に利用できるオリジナルのGM用EXパワーデータを記載する。
シナリオ設定
描写に際しての設定を紹介する。この項に書かれている設定は、あくまで参考用である。描写に際しては、GMは背景情報を自由に変更しても良い。
モンスターの描写について
ミッションでPC達が目撃することになるモンスターたちの生態は、実在の生き物などを参考に自由に描写してよい。ここでは、シナリオのモンスターリストにある生物について、いくつか描写の例を紹介する。
〈緑不定形〉
スライムというモンスターは作品によって扱いにかなりの差があるが、ここでは本種を粘菌や、巨大単細胞生物のように想定する。この生物は極度に乾燥した気候を嫌うため、水分のある環境で見つけることができる。
①スライムの移動…可愛らしい無表情の顔のまま、スライムがゆっくりと移動する。よく見ると「足」をのばし、尺取虫のように体全体を使って「歩いている」ことが分かるだろう。歩いた後に残される粘液は粘り気が強く、移動する際にグリップの役割を果たしているのかもしれない。
②スライムの排泄…PC達が緑不定形のゆっくりとした動きを根気強く観察していると、スライムが何か大きな塊を吐き出す。スライムが去るのを確認してその塊に近づいてみると、どうやら金属の取っ手のような、何かの道具だったものの一部らしい。体内に取り込んで、他の部分を吸収したものの、この金属部分については消化することができずに吐き出してしまったらしい。
〈六角鈍口〉
6つのツノ、もとい外鰓とよばれるエラをもつ両生類型モンスター。またの名をウーパールーパーという。
①アンビストマの抱卵…PC達は水際の茂みの中に、抱卵しているアンビストマを見つける。ゼリー状の鞘に包まれた卵は、半分透き通って中の様子を見通すことができる。
②アンビストマの再生…肉食獣に尻尾を食べられてしまっていたが、短時間のうちにみるみる体が再生していく。驚異的な再生力は、サンショウウオ類の特性だと聞いたことがあるPCもいるかもしれない。ゲーム時代には部位破壊などしなかったこのモンスターにも、怪我や怪我の治癒という概念が通じるということを君たちは改めて確認する。
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