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バットマン:ノーマンズ・ランド(3)  ネタバレあり感想・あらすじ解説


勇者たちの・・・決断

バットマン:ノーマンズ・ランド


バットマン翻訳コミックの感想第16回は『バットマン:ノーマンズ・ランド(3)』です。
2巻の解説・感想からだいぶ間が空いてしまいましたが読んでいただけると幸いです。


概要

本作は大地震で無法地帯となりアメリカ政府から見放されたゴッサムシティが舞台の超大作『バットマン:ノーマンズ・ランド』全4巻の3巻目になります。

本作は前作2巻で合流したバットファミリー達の活躍に加えてヴィランブルーボーイズ(ゴッサム市警)ゴッサム市民に注目したエピソードが多いです。
逆にバットマン中心のエピソードは少なめとなっています。

新たなヴィランとしてかつてバットマンを倒したこともあるベインや今では超人気ヴィランとなったハーレイ・クインのコミック登場初期の活躍エピソードもあります。

また、1巻で登場しゴッサムシティから去ったスーパーマンも再びゴッサムシティに今度はクラーク・ケントとして訪れます。
自分は本作ではこちらのエピソードが1番好きです。

本作で主に活躍するヴィランは以下になります。

キラークロック(ウェイロン・ジョーンズ)
ペンギン(オズワルド・コブルポット)
ベイン
トミー・マングレス(トーマス・マンチェスター)
ギアヘッド(ナサニエル・フィンチ)
ラットキャッチャー(オーティス・フラネガン)
ミスター・フリーズ(ビクター・フリーズ)
ジョーカー
ハーレイ・クイン(ハーリーン・クインゼル)
トゥーフェイス(ハービー・デント)

あらすじ

勇者たちの……決断
終わりの見えない
”ノーマンズ・ランド”の混乱――
無政府状態のゴッサムシティで、バットマンと同士達の戦いは続いていた。
バーバラ・ゴードンの後を継いだ新生バットガール、ロビンことティム・ドレイク、アズラエルたちの奮闘は、ゴッサムシティに残された善良な市民たちの心に希望の灯を点し始める。
しかし、事態は、バットマン、そしてバットファミリーの糸を離れて急展開していく。
果して、荒廃したゴッサムに再び平和が訪れる日は来るのか――

バットマン:ノーマンズ・ランド3 | ShoPro Books(小学館集英社プロダクション)|アメコミ(DC・マーベル)他

前作から始まったバットマンのゴッサムシティ復興計画の続き、何者かにある目的の為にゴッサムシティに送り込まれたベイン、動き出したジョーカーとハーレイ・クインなど物語が最終巻となる4巻に向けて動いていきます。

解説・感想(ネタバレ注意)












本作も短編のエピソードが続いて物語が進みますので各エピソードごとに解説・感想をします。

キング

主な登場人物

バットマン(ブルース・ウェイン)
主人公。
ゴッサムシティの大富豪ブルース・ウェインがバットマンとして犯罪者を取り締まっていた。
失踪したキングと呼ばれる男を探すように頼まれる。

キラークロック(ウェイロン・ジョーンズ)
生まれつきワニのような見た目をしているヴィラン。
怪力や鋭い歯と爪を持ち凶暴な性格。
自分がボスになるために市民から慕われているキングを探して排除しようとしている。


ペンギン(オズワルド・コブルポット)
無法地帯となったゴッサムシティで物流と情報を支配している暗黒街の王。
バットマンにキングの情報を聞かれる。


キング
ノーマンズ・ランドで困窮している市民達に簡易浄水器の作り方を教えたりして慕われている男だが素顔を隠している為に正体は不明。
行方不明になった為、バットマンは市民達にキングを探すように頼まれる。

解説・感想
バットマンがメインのエピソード。

キングと呼ばれる市民を助けて慕われてる正体不明の男が行方不明になり、バットマンが探す中でペンギンに情報を聞いたりキングの命を狙うキラークロックと戦います。

キングの正体はスタンリーという元受刑者でした。
ノーマンズ・ランドの惨状の中で神父と子供たちに出会い、刑務所で学んだ知識で彼らを助けていたのでした。
最終的にスタンリーはバットマンの友人として神父と子供たちに紹介されてこのエピソードは終わります。

悪人だらけのノーマンズ・ランドでも逆に善人として生きることになった人も居るというお話で良かったです。

神父と子どもが手作りのバットシグナルでバットマンを呼び寄せるのがバットマンがゴッサム市民から頼りにされているのが感じられて好きなシーンです。



港湾地区の守護者

主な登場人物

3代目バットガール(カサンドラ・ケイン)
暗殺者のデビッド・ケインの娘で暗殺者として育てられたがデビッドの元から去り、デビッドによるゴードン暗殺を阻止したことをきっかけにバットマンに認められて3代目バットガールとなる。
(詳しくはノーマンズ・ランド2巻のエピソード参照)
話すことが出来ないのでジェスチャーでコミュニケーションをとる。
診療所の発電機の燃料を確保するようにバットマンに頼まれる。


サンチェス
ガソリンスタンドの店長。
燃料を強奪しようとする強盗達の相手をしていたときにバットガールに助けられる。


解説・感想
バットガール(カサンドラ)がメインのエピソード。

診療所の発電機の燃料であるガソリンを確保する為にバットガールがガソリンスタンドに行くとサンチェスという店長が強盗されていたのでバットガールが助けます。

強盗達は店をロケットランチャーで破壊してバットガールは怒り、強盗達を殺そうとしますがサンチェスに説得されてやめます。

助けたお礼として隠されていた燃料をサンチェスから渡されてバットガールはバットマンからの頼み事を無事果たすのでした。

店長のサンチェスが良いキャラクターで強盗達の子供の頃を知っていて語ったり年長者としてバットガールを諭すのが良かったです。



帰郷

主な登場人物

バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムシティに帰ってきたベインを止めようと対決する。
フレーダマウスという浮浪者に扮して慈善院を訪れていた。


ベイン
かつてバットマンを倒したことのある巨漢で怪力のヴィラン。
怪力はヴェノムという薬を摂取して薬に支配されていたが今は違うとのこと。
アズラエルに倒されてゴッサムシティを離れていたが何者かの指示でゴッサムシティに帰ってきて自身が王(キング)になると言って早々にバットマンと対峙することになる。

解説・感想
バットマンとベインがメインのエピソード。

ベインがゴッサムシティに帰ってきてそれを察したバットマンがベインと対決をします。

対決は互角ですがベインが慈善院に爆弾を仕掛けたと告白したことでバットマンは爆弾を止めに去りました。

何者かの指示でゴッサムシティに来たベインは自身を王と名乗りこれからゴッサムシティで暗躍していきます。



地下の戦争

主な登場人物

ロビン(ティム・ドレイク)
バットマンのサイドキック。ティムは3代目のロビン。
争いの元となる備蓄倉庫の在処をバットマンに探すように頼まれて下水道に向かいヴィラン達と対峙する。


トミー・マングレス(トーマス・マンチェスター)
ゴードン本部長を恨んでいる殺人鬼のヴィラン。
2巻のエピソード『闇の底』でナイトウィングとロビンに倒されたがしぶとく下水道で生きていた。
ギアヘッドとのコンビで腕力担当とのこと。


ギアヘッド(ナサニエル・フィンチ)
全身のほとんどを機械化したサイボーグ。
ゴッサムシティがノーマンズ・ランドとなる前にナイトウィングとロビンとの闘いに負けて機械の両手両足を失い『闇の底』のエピソード同様トミー・マングレスの背中にくっついて共に戦う。
トミーとのコンビで頭脳担当とのことだが特に賢い描写は無い。


ラットキャッチャー(オーティス・フラネガン)
ネズミを操ることができるヴィラン。
ネズミたちを武器にするが大切にもしている。
ミスター・フリーズと協力してロビンを追い詰める。


ミスター・フリーズ(ビクター・フリーズ)
全身を特殊な冷凍スーツに身を纏い冷凍銃を扱うヴィラン。
2巻のエピソード『パワープレイ』でバットマンに敗れた後いつのまにか下水道に居てトミー達から貯蔵庫のことを聞き出して占領しようとする。


アラゴス(コーリー・ウィンドメア)
街を守る地下種族ウルフリングの族長・・・というロールプレイをしているゴッサム・ハイツ高校の学生でティムとは学友。
ノーマンズ・ランドの現状でおかしくなったのかクラスメイト達と共にゲームと勘違いをしているかのような言動をする。


ステファニー・ブラウン
ティムの恋人でありスポイラーという自警団員もしている。
父親はヴィランのクルーマスター。
母親にスポイラーとして活動してたのがバレて今後の活動を禁止されてしまう。


解説・感想
ロビンがメインのエピソード。

2巻のエピソード『闇の底』同様、下水道を舞台にロビンがヴィラン達と戦う話です。

下水道内にある貯蔵庫を巡りロビンとヴィラン達は対峙をします。

トミーとギアヘッドはロビンと出会うことなくミスター・フリーズに凍らされました。
ミスター・フリーズは途中で出会ったラットキャッチャーと協力して貯蔵庫を目指しますが結局ロビンに倒されます。

途中変なロールプレイをしているクラスメイトにロビンが助けられたり、ティムの恋人であるステファニー(スポイラー)のエピソードも挟まります。

ロビンは知恵を使って強敵であるミスター・フリーズを見事に倒します。

直接倒したのはミスター・フリーズ1人ですが結果的に4人のヴィランが倒されて貯蔵庫も確保したロビンは疲れて気を失い、バットマンに抱えられて病院に運ばれるのでした。

ロビンは途中でバットマンに見捨てられる悪夢を見ましたがロビンは見事にバットマンの期待に応えられて良かったです。


亡霊

主な登場人物

アズラエル(ジャン・ポール・バレー)
聖デュマ騎士団が作り出した聖戦士でバットファミリーの仲間。
暴力に明け暮れる日々に悩んでいる。


レスリー・トンプキンス
無法地帯となったゴッサムシティで医療行為を行っている女医。
心労を重ねるアズラエルを心配する。


解説・感想
アズラエルがメインのエピソード。

ノーマンズ・ランドの治安の為に日々暴徒を制圧しているアズラエルは暴力でしか物事を解決出来ないことを悩みます。

そんな中でゴッサムシティを彷徨ううちに亡くなった父親の影を見ます。
また、偶然1巻のエピソード『降下の悪魔』で助けた女性であるミツィ・フレダンと再会します。
ミツィもまた、亡くなった叔父を見たと言います。
アズラエルはミツィが探している母親を代わりに探しにガス工場に向かうとそこで自身に関わりのある人物達の幻影を見ます。
目を覚ましたアズラエルはミツィの母親を見つけ、再会したミツィと母親はアズラエルに見守られてゴッサムシティからボートで脱出するのでした。

どうやらオカルトがテーマのエピソードだったようで亡霊や幻影の描写が多々ある話でした。
相変わらず女性との絡みが多いアズラエルなのでした。



光の当たらない場所で/ヒーローの条件

主な登場人物

バットマン(ブルース・ウェイン)
チャイナタウンの電力の元を探るうちに霊龍団とその敵対組織の存在に気づく。


リンクス(リン)
中国系の殺し屋で霊龍団の元リーダーの女性。
片目に眼帯をしている。
バットマンとは知り合い。


解説・感想
バットマンがメインのエピソード。

2巻のエピソード『パワープレイ』でミスター・フリーズの管理していた電力発電所が破壊されたのにゴッサムシティのチャイナタウンには電力があることに気づいたバットマンは調査をすると、電力の元は奴隷として捕らえられた人々の人力での発電なのでした。

バットマンは知り合いであるリンクスと共に助けようとします。

リンクスたちの行動を見た奴隷達は奮い立ちマフィアに立ち向かいましたがその中で少女が亡くなってしまいリンクスは涙します。

リンクスとバットマンはヒーローについて問答しますがバットマンは自身をヒーローではないと語るのでした。

正直リンクスというキャラが初見だったのでいまいちのめり込めないエピソードでしたが最後にヒーローの孤独を語るバットマンの姿は良かったです。



コード

主な登場人物

ジョーカー
正体不明のサイコパスでバットマン最大のライバルだがノーマンズ・ランドとなってからはあまり派手に動いていなかったがハーレイ・クインとともに動き出す。


ハーレイ・クイン(ハーリーン・クインゼル)
かつてはアーカム・アサイラムでジョーカーを担当していた精神分析医の女性だったがジョーカーに心酔してヴィランとなった。
偶然読んだ本に影響されてジョーカーと恋の駆け引きをする。
コスチュームは最近はあまり見ない初期の赤と黒の全身タイツ。

ジョッシュ
ジョーカーの部下に志願して入った漫画家。
ハーレイ・クインに手を出して迫るという命知らず。


ハントレス(ヘレナ・ヴェルティネリ)
バットマンの仲間ではないが紫のコスチュームを着てバットマンのように活動している自警団員の女性。
バットファミリーとは距離を取りブルーボーイズを抜けたベティット達と行動を共にしている。


ビリー・ベティット
ゴッサム市警の元ブルーボーイズ。
ノーマンズ・ランドの治安は暴力で保つという思考を持っている。
ハントレスと共にジョーカーの計画に対抗をする。


解説・感想
ジョーカーとハーレイ・クインがメインのエピソード。

これまであまり活躍のなかったジョーカーとついに登場したハーレイ・クインのエピソード。
ハーレイ・クインはジョーカーに心酔していますが盗みに入った家にあった恋愛指南本に影響されてジョーカーと距離をとります。

ハーレイを鬱陶しがっていたジョーカーも自分からハーレイと離れていきますが、新人の部下のジョッシュと距離感の近いハーレイに焦り始めます。

そんな中でジョーカーは自身の縄張りの支配力を示す為に大統領選挙を開くことにして対抗相手としてベティットを勝手に選びます。

ジョッシュの描いた選挙ポスターを見たハントレスはベティットに報告に行きます。
ベティットはハーレイが計画を仕切っていることを見抜き、ハントレスにハーレイの監視を指示します。

ジョーカーとハントレスがハーレイを監視する中、ジョッシュは命知らずにもハーレイを口説きますがハーレイは拒否をします。
ハントレスも選挙の阻止の為にハーレイと対峙しますがのらりくらりと逃げられます。

ハーレイに手を出したジョッシュはジョーカーに爆殺され、ハーレイはジョーカーとよりを戻して姿を消しました。(大統領選挙は無くなりました)

今では大人気のハーレイ・クインのコミック登場初期のエピソードでした。
最近のコミックでは見なくなったジョーカーに心酔しているハーレイですね。
ジョーカーは基本はハーレイを雑に扱うのですが、こちらのエピソードでは珍しくジョーカーからハーレイにすり寄っています。
大統領選挙の対抗相手としてジョーカーがベティットに目をつけているのも今後のエピソードにどう絡むのか注目です。



地下鉄道

主な登場人物

マッケンジー・ハードバック・ボック
元ブルーボーイズの屈強な男。
ゴードン達とは袂を分かったがベティットのような暴力に頼らず自分の考えで市民を守っており、市民達からの信頼も厚い。
彼の活動はバットマンにも認められ評価されている。


バネッサ・ド・フリース
獣医学者の女性でノーマンズ・ランドでは市民の治療を行っている。
ボックとは親密な関係。


ペンギン(オズワルド・コブルポット)
無法地帯となったゴッサムシティで物流と情報を支配している暗黒街の王。
バネッサとボックから抗生物質を求められ、見返りにバネッサにペットを診てもらう。
ペンギンの鳥好きという設定が珍しく描写されていてジョーカーに鳥を傷つけられて泣く場面もある。
また、義理堅い一面を見せるシーンもある。


ロビン(ティム・ドレイク)
バットマンのサイドキック。ティムは3代目のロビン。
ゴッサムシティから子供たちを脱出させようとするボック達の警護をバットマンから頼まれる。


解説・感想
ボックとペンギンがメインのエピソード。


ボックは1巻からゴッサム市警で組織されたブルーボーイズでゴードンの仲間として登場していましたが、ベティット同様ゴードンとは袂を分かちブルーボーイズを抜けていました。

それからは高校の校舎を拠点として市民を守り、サバイバル術を教えるなどをして市民から信頼されバットマンからも一目おかれていました。

高校の保健室で治療をしているバネッサとは親密な関係で2人でペンギンの所に抗生物質をもらいに行くとそこにジョーカーが現れます。
戯れにペンギンのペットの鳥がジョーカーに傷つけられ、ペンギンは涙を流します。

そんな中ボックとバネッサはゴッサムシティから外に出る道があることを知り、ペンギンに鳥の治療と引き換えに子供たちの市外への脱出を求めますがペンギンは条件としてボックにデスマッチでエンジェルというチャンピオンと戦うように言います。

デスマッチにボックは勝ち、ペンギンは約束通り脱出用のバスを用意しました。
ボックが子供たちを脱出させようとすると、事情を知ったバットマンはロビンを派遣して警護をさせます。
脱出の道中では多くの無法者たちに襲われましたがロビンが守ります。

バスの行先は地下トンネル内の列車であり、ボック達はそれに乗り脱出しようとしますがデスマッチで敗れたエンジェルが無法者達を引き連れて襲います。

その様子を聞いていたペンギンはペットの鳥を治療してもらったお礼か、部下を連れてボック達を助けに行きます。

ペンギンの助けもあり、ボック達はゴッサムの市外に脱出します。
子ども達を脱出させたボックはペンギンとともにゴッサムシティに戻りました。


ヒーローは見ればわかる
バネッサ、彼女の父、子供たち
州兵、自警団の仲間たち
コブルポットを含めてもいい

だが、俺は違う
俺は仕事をしただけ
深い意味などない

バットマンがどうやってるのか数日前まではわからなかったが、今はわかる
彼は鏡など見ない
目の前にあるものを見て、一歩ずつ前に進むだけ

バットマン:ノーマンズ・ランド 地下鉄道



ボックは今回の件を振り返り、バットマンのように街を見下ろして守るべきものを強く思うのでした。


バットマンがほとんど登場せず、ゴッサム市警のボックが主人公で最後はバットマンと同じように街を守る意思を強く持つという良いエピソードでした。

ペンギンは義理堅く、ジョーカーに傷つけられたペットの鳥を治療したバネッサ達を助けるなど、海外ドラマ『GOTHAM(ゴッサム)』のペンギンのような振る舞いでけっこう好きなペンギンの描かれ方をしていました。

市民目線でのバットマン、ロビンの描かれ方も良かったです。


ダウンタウン侵攻

主な登場人物

バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムシティが何者かに狙われていてベインはその手先であることに気づく。
ベインにより仕掛けられたギャングの勢力争いを止めに向かう。


ロビン(ティム・ドレイク)
バットマンと共に行動し、ベインによって起こされたギャングの勢力争いに巻き込まれたトゥーフェイスを助けに行く。


ベイン
無差別にギャングに対して虐殺を行い、それをトゥーフェイスの仕業に見せることで勢力争いを起こさせる。
何者かの指示で動いているが計画や正体はベインにも不明とのこと。


トゥーフェイス(ハービー・デント)
元地方検事で「2」と「コイントス」にこだわるヴィラン。
ベインの計画により他のギャングの勢力に命を狙われることになる


ペンギン(オズワルド・コブルポット)
ベインがトゥーフェイスに罪を着せていることに気づきバットマンに伝える。
バットマン、ベイン、トゥーフェイスの誰が勝つのか様子を見ることにする。



解説・感想
バットマンとベインがメインのエピソード。


ベインがギャングを虐殺し、その罪をトゥーフェイスに着せますがベインの目的はその騒動の間にゴッサムシティの歴史資料館を破壊することでした。

ベインには歴史資料館を破壊する理由がないことからバットマンはベインの裏にいる黒幕の存在に気づくのでした。

バットマン、ロビン、ベイン、トゥーフェイス、ペンギンと割と有名なキャラ達が登場するエピソードで、トゥーフェイスのようなヴィランであってもちゃんと助けるバットマンやロビンがヒーローとして活躍してて良かったです。



逃がし屋

主な登場人物

バットマン(ブルース・ウェイン)
財産と引き換えにゴッサムシティから脱出できるという逃がし屋の実態が詐欺だと知り、正体を暴き制裁する。


解説・感想
バットマンがメインのエピソード。


ゴッサムシティから脱出したい市民を騙し、財産を奪ったうえで地下に閉じ込めるという悪徳な男女の2人組をバットマンが制裁するシンプルな話。
マッチ・マローンというチンピラ姿に変装するバットマンが見れる。

男は捕まり、女は逃げ延びたが残ったのは詐欺で奪ったノーマンズ・ランドでは使えない金品のみで最後は誰も目を向けてくれないという皮肉なオチでした。



慈雨

主な登場人物

バットマン(ブルース・ウェイン)
クラーク・ケントとして訪れたスーパーマンとささやかな時を過ごす。


スーパーマン(クラーク・ケント)
クリプトン星からやって来た最強の正義の超人。
ノーマンズ・ランド1巻のエピソード『訪問者』でゴッサムシティの現状を知り去ったが今回はスーパーマンとしてではなくクラーク・ケントとしてゴッサムシティに訪れてバットマンと再会する。



解説・感想
バットマンとスーパーマンがメインのエピソード。


概要でも書きましたが3巻で一番好きなエピソードです。

1巻のエピソード『訪問者』でノーマンズ・ランドとなったゴッサムシティをスーパーマンが訪れた際は市民の姿を見て自身の力では救えないと去りましたが、今回はスーパーマンとしてではなくクラーク・ケントとしてゴッサムシティを訪れます。(来るときと去る時はスーパーマンになります。)

クラークはゴッサムシティを訪れて農栽培をしている市民の手助けをします。
トラブルもありましたがそこにバットマンが現れてクラークとささやかな時間を過ごします。

バットマンを心配しているというクラークに対してバットマンは素直に「心配してくれてありがとう」と答えます。

雨が降らず、作物の栽培に困っていたバットマンでしたがスーパーマンが空に飛び立つと雨が降り出しました。
ゴッサムシティの為に雨を降らしたスーパーマン。
雨に濡れ、表情の読めないバットマンのアップで終わります。

バットマンとスーパーマンのお互いの性格や関係性がよく描かれていてとても良かったです。



伝言

解説・感想
ジェイソン・ブラウンというゴッサム市民がメインのエピソード


ジェイソン・ブラウンというゴッサム市民がゴッサムの声という幻聴を聞き、ゴッサムシティを巡る中で様々な人に会う話。

ジェイソンは幻聴に導かれる中でオラクルペンギンポイズン・アイビートゥーフェイスハントレスに出会います。
やがてどんどん体調が悪くなり幻覚も見えるようになるとハントレスの姿がバットマンに見えるようになります。

ジェイソンは伝言としてバットマン(ハントレス)に「ゴッサムを見捨てないでくれ」と伝え、息絶えます。

実はジェイソンは数日前にコウモリに咬まれていてそれが原因で狂犬病となり、幻聴や幻覚の症状が出ていたのでした。
しかしオラクルがバットガールであったことを知っているなど、幻聴にしては不思議な点があるオカルトチックなエピソードでした。

ペンギンやトゥーフェイスがジェイソンに妙に優しい(?)のがなんか良かったです。

あとジェイソンというとジェイソン・トッド(2代目ロビン)を思い出すのになぜわざわざジェイソンという名前にしたのかも気になります。


リザードキング/グランド街の決戦

主な登場人物

ロビン(ティム・ドレイク)
自身の勢力を広げようとするキラークロックと対決をすることになる。
両親に何も言わずにゴッサムシティに来たので心配させていることを気に病む。


キラークロック(ウェイロン・ジョーンズ)
部下を引き連れて勢力を広げようとペンギンの縄張りに進行する。


ペンギン(オズワルド・コブルポット)
キラークロックに縄張りを侵略されて迎え撃つ。



解説・感想
ロビンとキラークロックがメインのエピソード


キラークロックがペンギンの縄張りに進行し、ロビン、ペンギン、ブルーボーイズ達(ゴッサム市警)で迎え撃つ話。

ナイトウィング、オラクル、バットマンも少しだけ登場。

キラークロックと並行してロビンであるティムの両親と恋人のステファニー・ブラウンとの話が展開される。

ティムが父親にゴッサムシティに居ることを告げたことで父親がテレビで息子ティムの行方を求める報道に出たところでこちらの話は終わり。
続きは4巻のエピソードで読める。

ティムは歴代ロビン(ディック、ジェイソン、ダミアン)の中でも一般的な家庭の産まれで両親も健在という逆に珍しい素性なので、そんな彼が家族に秘密でヒーロー活動をすることの難しさがよくわかるエピソードでした。

まとめ

以上がバットマン:ノーマンズ・ランドの3巻の内容です。

絶望的な状況の中から始まったノーマンズ・ランドで徐々に市民達に希望が芽生えていくような兆しのあるエピソードが多々あり良かったです。


というわけで『バットマン:ノーマンズ・ランド(3)』でした!

読んで頂きましてありがとうございました!


次回の感想は『バットマン:ノーマンズ・ランド(4)』となり、長い長いノーマンズ・ランドも完結です


バットマンとゴードンの確執の行方
レスリーの信念
トゥーフェイスとレニー・モントーヤの関係の末路
暴走するビリーの正義
ハントレスは報われるのか
ジョーカーの狂気の先の悲劇
ベインを操る黒幕の正体とは・・・

(高すぎい!!!・・・読むなら電子版にしましょう!)

また読んで頂けると嬉しいです!

よろしくお願いします!

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