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バットマン:ノーマンズ・ランド(2)  ネタバレあり感想・あらすじ解説


英雄たちの帰還・・・!

バットマン:ノーマンズ・ランド


バットマン翻訳コミックの感想第15回は『バットマン:ノーマンズ・ランド(2)』です。


概要

本作は大地震で無法地帯となりアメリカ政府から見放されたゴッサムシティが舞台の超大作『バットマン:ノーマンズ・ランド』全4巻の2巻目になります。

おおまかな舞台の概要は前作『バットマン:ノーマンズ・ランド(1)』と変わりません。

前作が1巻目ということでノーマンズ・ランドとなり無秩序となったゴッサムシティの現状が主に描かれていましたが本作ではバットマンがゴッサムシティの復興に向けて動き出します。

前作ではほぼ登場しなかった3代目ロビンナイトウィングキャットウーマンも登場して活躍します。

前作に引き続きオラクルアズラエルハントレス2代目バットガールも登場します。
本作では2代目バットガールの正体も明かされます。

ヴィランも前作同様多数登場しますが本作で主に活躍するヴィランは以下になります。

トゥーフェイス(ハービー・デント)
ペンギン(オズワルド・コブルポット)
ミスター・フリーズ(ビクター・フリーズ)
ポイズンアイビー(パメラ・リリアン・アイズリー)
クレイフェイス(ベイジル・カルロ)
マンバット
ニコラス・スクラッチ
ロックアップ(ライル・ボルトン)
KGビースト(アナトリー・ナイアチェフ)
マクシー・ゼウス
デビッド・ケイン

あらすじ

大震災の後、アメリカ政府はゴッサムシティを居住不可能地区と見なし、全市民に退去を命じた。そして数ヶ月後、“ノーマンズ・ランド”に残った人々は、弱肉強食の縄張り争いのなかで生きのびていた。ギャングが市民を脅かし、ヴィランたちが街の支配を巡って攻防を繰り広げる。しかし、バットマンが再び活動を始め、街には平和が蘇りつつあった。正体不明の新バットガール、ロビン、ナイトウィング、ゴードン本部長、ハントレス……ゴッサムの他のヒーローたちも、荒廃した街の支配を取り戻すために、ギャングやヴィランとの戦いに乗り出す!

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前作では市民やヴィランの起こす問題に対して都度対応をしてきたバットマンですが本作ではゴッサムシティ復興に向けてバットマンが動き出します。

ロビン、ナイトウィングを呼び戻しバットファミリーを集結させロックアップ達の支配する刑務所の解放、ポイズンアイビーの支配する公園にバットマンが隠していたゴッサム復興の鍵の回収、その行方はニューヨークに居るキャットウーマンに委ねられます。

解説・感想(ネタバレ注意)












本作も短編のエピソードが続いて物語が進みますので各エピソードごとに解説・感想をします。

領土宣言

主な登場人物

バットマン(ブルース・ウェイン)
主人公。
ゴッサムシティの大富豪ブルース・ウェインがバットマンとして犯罪者を取り締まっていた。
ノーマンズ・ランドとなったゴッサムシティで縄張りを広げていたがペンギンとトゥーフェイスの争いを知り、罠だと知りながらも向かい窮地に陥る。


オラクル(バーバラ・ゴードン)
ジム・ゴードンの娘で元バットガール。
ジョーカーに腹部を撃たれてから下半身不随で車いすでの生活となる。
バットガールを引退してからはオラクルとして情報や電子工作でバットファミリーをサポートしていた。
ゴッサムシティがノーマンズ・ランドとなってからはクロックタワーを拠点にしてゴッサムシティの情報を収集していた。
ペンギンとトゥーフェイスの争いをバットマンに知らせるが罠だと気づきバットマンに忠告をする。


2代目バットガール
バットマン風のコスチュームで顔まで覆っている正体不明の女性。
オラクルからは正体を知られており認められていない。
バットマンから縄張りを守るように指示をされる。


ペンギン(オズワルド・コブルポット)
無法地帯となったゴッサムシティで物流と情報を支配している暗黒街の王。
前巻のエピソード『地獄の歓楽』でバットマンに負けて情報を全てバットマンに流しバットマンの縄張りには手を出さない約束だったがトゥーフェイスと縄張りを広げる画策をする。


トゥーフェイス(ハービー・デント)
元々は正義感の強い地方検事だったが顔の半分を酸で焼かれてから凶悪な人格が出てきてヴィランと化してしまった男。
コイントスの結果に従うという特徴がある。
ペンギンと画策してゴードンに対する恨みを晴らそうとする。


エコー
他者の精神を読み取れるロシア人の強化脳人間の女性。
牢屋に居た所をKGビーストからトゥーフェイスに紹介されてトゥーフェイスに協力をしてバットマンと対決をする。
バットマンの精神を読み取り過去を知ることとなる。


ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警の本部長。通称ジム・ゴードン。
ブルーボーイズというゴッサム市警達の勢力の縄張りを広げて強化させる為にペンギンの縄張りを奪うことを決める。


解説
バットマンとトゥーフェイスがメインのエピソード。

ノーマンズ・ランドとなったゴッサムシティの冬の終わり頃、トゥーフェイスはペンギンを呼び出し、共にバットマンの縄張りを奪いゴードンを倒すことを画策します。
バットマンはペンギンとトゥーフェイスの動きを察知して止めようとします。
ゴードン率いるゴッサム市警達ブルーボーイズは縄張りの境界線の強化の為にペンギンの縄張りに攻撃を仕掛けることに決めます。

トゥーフェイスはブラックゲート刑務所でKGビーストに金を支払いエコーというテレパス使いの強化脳人間の女性を紹介してもらい仲間にします。

バットマンはペンギンとトゥーフェイスの動きを罠だと知りながらも止める為に動き、自身の縄張りを2代目バットガールに守るように指示をします。

ペンギンとトゥーフェイスが部下同士を対決させているなか、バットマンが乱入してトゥーフェイスの部下の女性を助けますがそれはエコーでありバットマンは不意をつかれて気を失います。

トゥーフェイスは部下を連れて北へ進軍して縄張りを広げ、ゴードン達ブルーボーイズはペンギンの縄張りを攻めますが争いの中でゴードンの妻であるサラが撃たれます。
ペンギンと部下達はバットマンの縄張りを攻め、2代目バットガールが1人で奮闘します。
そこにトゥーフェイスが現れますがペンギンにブルーボーイズ達に縄張りを奪われたことを告げて立ち去るように言います。
2代目バットガールはトゥーフェイスの勢力に敵わず、バットマンの縄張りはトゥーフェイスに奪われたのでした。

銃で撃たれたサラですが重症にはなりませんでした。
ゴードン達ブルーボーイズはペンギンの縄張りを奪えましたがそれは実は前巻のエピソード『運命の反転』でトゥーフェイスと親密になったレニー・モントーヤ巡査がゴードンの指示でトゥーフェイスと裏で繋がりペンギンを裏切り、互いに協力をしたからなのでした。

建物の屋上にバットマンを捕らえたエコーですがテレパス能力でバットマンの過去を見て少年の時に目の前で両親を殺されたことを知ります。
しかしエコーはバットマンの秘密は誰にも言わず、トゥーフェイスのこともクズと罵りバットマンの秘密は教えないとのことです。
エコーの目的はバットマンを4時間足止めすることで、その間にトゥーフェイスはバットマンの縄張りを奪ったのでした。
エコーはバットマンに謝り、去って行きます。
体力が戻ったバットマンは縛られていた太いパイプを引き抜いて脱出します。(ここのシーン脳筋すぎて好き)

バットマンが自身の縄張りに戻るとそこには処刑された人々と、



裏ーお前の負け



というトゥーフェイスからのメッセージが残っているのでした。


感想

バットマンがトゥーフェイスの罠にはまり敗北して縄張りを奪われる話でした。
トゥーフェイスが結構かっこよく描かれていて良かったです。
エコーはこのエピソードだけ登場のヴィランですがバットマンを倒したり秘密を知ってバットマンに同情したりして悪い奴じゃなさそうでした。
あとバットマンがめちゃめちゃマッチョに描かれていてそれもかっこよかったです。


ケインの紋章

主な登場人物(ネタバレ有り)

バットマン(ブルース・ウェイン)
トゥーフェイスに自分の縄張りの人々を虐殺されたことで怒りを燃やしている。


オラクル(バーバラ・ゴードン)
ゴッサムの情報収集をしてバットマンをサポートしている傍ら、喋れない少女(カサンドラ・ケイン)に言葉を教えていた。


喋れない少女(カサンドラ・ケイン)
バーバラに言葉を教えて貰っている喋れない少女。
作中では名前が出ないがカサンドラ・ケインという名前がある。
実は暗殺者デビット・ケインの娘で暗殺術を学んでいたことがある。


デビッド・ケイン
オラクルやゴードンも存在を知っている有名な暗殺者。
かつてブルース・ウェイン(バットマン)に格闘技術を教えていたこともある。
トゥーフェイスの依頼でゴードンの命を狙うが娘のカサンドラに止められる。


トゥーフェイス(ハービー・デント)
バットマンの縄張りを奪い、虐殺をしたことでバットマンの怒りを買いバットマンに捕らわれることになる。


解説
バットマンとケイン親子がメインのエピソード。

物語は前のエピソード『領土宣言』の続きから始まり、トゥーフェイスに虐殺された人々をバットマンが埋葬をしています。
墓前に謝るように頭を下げるバットマン。その様子を2代目バットガールは見ていましたが声をかけられず、去ろうとしますがバットマンから「期待外れだったよ」と厳しい言葉を言われてしまいます。

クロックタワーではバーバラの元に喋れない少女(カサンドラ・ケイン)が訪れ、バーバラから言葉を教わります。
教えている言葉は「STOP」でした。
ゴードンがバーバラを訪れ、カサンドラは去りますが外に出ると男を見つけて隠れます。

男は暗殺者のデビッド・ケインであり、スナイパーライフルでクロックタワーを出たゴードンを暗殺しようとしますがスコープに娘であるカサンドラが立ちふさがり撃てませんでした。
警官達にケインは見つかりますが追ってきた警官達をなぎ倒して逃亡します。

一方でバットマンはトゥーフェイスのアジトに乗り込み、トゥーフェイスを縛りあげていました。
バットマンはトゥーフェイスに虐殺された人々の復讐に来たのでした。
いつも以上に怒りを出しているバットマンにトゥーフェイスも恐怖の表情になります。
バットマンはトゥーフェイスを真似てコイントスをしますが踏みとどまり、トゥーフェイスを殺しませんでした。

ゴードンとバーバラはカサンドラに暗殺者の件を聞き、カサンドラは喋れませんがジェスチャーで暗殺者がデビット・ケインであることと自分がケインの娘であることを伝えます。

ケインが再びゴードンの暗殺に来ますがカサンドラが再び立ちふさがります。
殺し合う2人ですがカサンドラはケインに「やめて!」と叫びます。
これは冒頭でバーバラがカサンドラに教えていた言葉(STOP)です。
カサンドラが喋れたことにケインは涙を流してカサンドラに触れます。
しかしゴードンが現れたのでカサンドラはケインを止めるためにケインと共に窓を突き破り落下していきます。

それを屋上から見ていたバットマンはロープで2人を助けます。
カサンドラは自らケインの手を放して落下していきますがバットマンに助けられました。

カサンドラと共に墓地に逃げたバットマンはカサンドラを問いただしてケインとの関係を知り、自身もかつてケインに暗殺術を学んでいたことを思い出します。

バットマンはケインのゴードン暗殺を止める為にケインと対決します。
一方でカサンドラはケインに暗殺を依頼したトゥーフェイスの元に行き、トゥーフェイスからコインを奪い追い詰めます。

バットマンとケインの元にカサンドラが現れ、ケインはカサンドラを抱きしめようとしますが拒否をされます。
ケインは失意のまま去って行きました。

バーバラはかつて自分がバットガールであったことをカサンドラに明かし、バットガール時代の写真を渡します。
バットマンはバットファミリーに招集をかけるようにオラクルに指示をするのでした。


感想

後にバットファミリーの一員となるカサンドラ・ケイン登場のエピソードでした。
この時点ではカサンドラの名前は出てこないので名前が分からないし喋らないからいまいち感情移入はしづらいですが悪い子じゃないんだろうなというのは感じます。
どちらかというとバットマンの師であったケインとの対決の方が話的には面白いのですが、ケインも冷酷な暗殺者と見せかけて結構情に脆いというキャラクターであんまり強キャラにも見えませんでした。
トゥーフェイスは前のエピソードとは打って変わってバットマンには縛られて脅されて、カサンドラにはコインを奪われて狼狽するという情けない役回りでした。
バーバラが最後にカサンドラに自分の正体(元バットガール)を明かしてゴードンの暗殺阻止の礼を伝えるシーンが好きです。

ロード・トリップ

主な登場人物(ネタバレ有り)

ロビン(ティム・ドレイク)
バットマンのサイドキック。ティムは3代目のロビン。
ノーマンズ・ランドとなったゴッサムシティからは離れてヤング・ジャスティスと行動を共にしていた。


スーパーボーイ(コン=エル)
スーパーマンと人間のDNAをミックされて作られたクローン体の少年。
ヤング・ジャスティスのメンバーでティムの友達。


インパルス(バート・アレン)
フラッシュ(バリー・アレン)の孫の少年。
フラッシュ同様高速で動ける。
ヤング・ジャスティスのメンバーでティムの友達。


ラグーン・ボーイ
緑の半魚人の少年。
普段はアクアマンの海底王国アトランティスに住んでいるアトランティス
人。


ポイズン・アイビー(パメラ・リリアン・アイズリー)
植物と同化して植物を操り誘惑するヴィラン。
公園に来たヤング・ジャスティスと戦うことになる。
実は正体はポイズン・アイビーが作った偽物の怪物フェラクだった。


バットマン(ブルース・ウェイン)
ポイズン・アイビーに苦戦するヤング・ジャスティスを助ける。


クレイ・フェイス(ベイジル・カルロ)
泥状の肉体を持ち変形や変装して戦うヴィラン。
最後に意味深に出てくる。


解説・感想
ヤング・ジャスティスがメインのエピソード。

バットマンではなくヤング・ジャスティスのシリーズのエピソードで子供向けの印象でした。
ヤング・ジャスティス(ロビン達若者のジャスティス・リーグのようなチーム)のロビン達少年メンバーがノーマンズ・ランドとなったゴッサムシティに来るお話。
1コマだけヤング・ジャスティスの女子メンバー3人が描かれている。
前のエピソードでロビンは招集されたのに最後はヤング・ジャスティスのメンバーと共にゴッサムシティから去って行く。
ティムに対してバットファミリー以外の同世代の友達が出来て良かったねという気持ちになりました。


結集

主な登場人物(ネタバレ有り)

バットマン(ブルース・ウェイン)
ついにバットファミリーを招集してゴッサムシティ復興に動き出す。
ゴードンとも対面することとなるが拒絶される。


オラクル(バーバラ・ゴードン)
バットマンの指示でバットファミリーを呼び寄せる。


ロビン(ティム・ドレイク)
ゴッサムシティに戻り仲間達と再会して嬉しそうにしている。


ナイトウィング(ディック・グレイソン)
初代ロビンとして長年バットマンのサイドキックをしていたが現在はナイトウィングとして活動中のヒーロー。
バットマンからの信頼は厚い。


アズラエル(ジャン・ポール・バレー)
聖デュマ騎士団が作り出した聖戦士。
ロビン達よりも早くゴッサムシティに来てバットマンの指示で活動したり市民を助けていた。


カサンドラ・ケイン
オラクルに協力者としてロビン達に紹介される。
言葉は喋れないのでジェスチャーでコミュニケーションをする。


ハントレス(ヘレナ・ヴェルティネリ)
バットマンの仲間ではないが紫のコスチュームを着てバットマンのように活動している自警団員の女性。
バットファミリーではないのでオラクルに呼ばれることはなかったがバットマンとロビンが会いに行く。


ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警の本部長。通称ジム・ゴードン。
ついにバットマンと対面するが嫌悪感を露わにしてバットマンを追い出す。


2代目バットガール
バットマン風のコスチュームで顔まで覆っている正体不明の女性。
バットマンに任された縄張りを守れず、死者を出したことを気にしている。


解説
バットファミリーがメインのエピソード。

物語は2つ前のエピソード『ケインの紋章』のラストシーンのバットマンがオラクルにバットファミリーの集結を指示するところから始まります。

バットファミリーのメンバーがクロックタワーに向かっている間、バットマンはゴードンに会いに行きますがゴードンはバットマンの話を聞こうとせず、出ていけと言いバットマンを殴ります。
ゴードンに殴られたバットマンは黙って俯き、去ろうとします。
去り際にトゥーフェイスについて忠告をしてバットマンは去って行きました。
残されたゴードンは1人で俯きながら佇んでいるのでした。

クロックタワーにはカサンドラとアズラエルが来ており、そこにロビンとナイトウィングも合流して軽口を叩きます。
メンバーが集結したところでバットマンは登場をしますが早々にナイトウィングを連れて出ていきます。

場面は変わり、とある建物で2代目バットガールが1人で十字架を手に祈っていました。
バットガールがマスクを外すとハントレスの顔が出てきます。


2代目バットガールの正体はハントレスなのでした。


その後ろからバットマンとナイトウィングが現れて声をかけます。
バットマンは最初から2代目バットガールの正体がハントレスだと気づいていたとのことです。

まあ声変えてる描写ありませんしスタイル丸わかりのコスチュームですのでバットマンならすぐ気づいたでしょう。
自分はまさかハントレスがバットガールとして2重に活動していることに驚きましたが。

バットマンはハントレスに対してバットガールとしての活動の失敗を挙げて𠮟責します。
ハントレスは言い返しますがバットマンは成長することとルールに従うように言います。
しかしハントレスは従わないと言い、バットマンはそれなら何もするなと言いますがハントレスはそれも拒否します。

バットマンとナイトウィングは去り、ハントレスは一人きりになるのでした。

クロックタワーに戻ったバットマンはバットファミリーにゴッサムの再生の為に全員で力を合わせることを話します。
その中にはカサンドラも含まれていました。
バットマンは各メンバーに指示を伝え、カサンドラにバットガールのコスチュームを渡します。

カサンドラはバットガールのコスチュームを着て3代目バットガールとなるのでした。



感想

ロビン、ナイトウィングがついに登場してバットファミリーが集結するというノーマンズ・ランドシリーズの中でも重要なエピソードでした。

さらに正体不明だった2代目バットガールの正体がハントレスだと判明してカサンドラが3代目バットガールになるというバットマンシリーズ全体でもポイントとなるエピソードでした。

ハントレスが2代目バットガールを演じていたのは本心ではバットマンの力になりたいけどハントレスとしては素直には言えないので2代目バットガールとして正体を隠してバットマンのような活動をしてバットマンに協力をしていたのかなと思います。
このハントレスのツンデレ感あるところが好きです。
バットマンはハントレスに全然なびきませんが。

バットファミリーの名の通り、メンバー間のやりとりは兄弟家族のようで微笑ましくて良かったです。

闇の底

主な登場人物(ネタバレ有り)

ロビン(ティム・ドレイク)
バットマンに招集されてナイトウィングと共に水路を通ってゴッサムシティに向かう。


ナイトウィング(ディック・グレイソン)
ロビンと共に水路を通ってゴッサムシティに向かう。
ロビンに対してやんちゃでからかうような言動を繰り返す。


トミー・マングレス(トーマス・マンチェスター)
ゴードン本部長を恨んでいる殺人鬼のヴィラン。
ギアヘッドと共に水路の備蓄を独占するために来訪者を殺している。


ギアヘッド(ナサニエル・フィンチ)
全身のほとんどを機械化したサイボーグ。
ゴッサムシティがノーマンズ・ランドとなる前にナイトウィングとロビンとの闘いに負けて機械の両手両足を失った。
現在はトミー・マングレスの背中にくっついて共に戦う・・・と思いきや両手両足が無いので口を出すだけでなにもしない。


ラットキャッチャー(オーティス・フラネガン)
マスクを被ってネズミを操ることができるヴィラン。
チラッと登場してネズミと会話するだけで特に何もしない。


解説・感想
ロビンとナイトウィングがメインのエピソード。

前回のエピソード『結集』よりも前の時系列のようでロビンとナイトウィングが地下水路を通ってゴッサムシティに向かう中でトミー・マングレスとギアヘッドに遭遇して戦うエピソード。

ナイトウィングとロビンの兄弟のようなやりとりが良いですね。
ナイトウィングはロビンに対してはかなり調子に乗ってからかいます。

トミー・マングレス&ギアヘッドと対決しますがギアヘッドは両手足が無くてトミーの背中にくっついているだけなので実質トミーだけとの戦いです。


トミーとギアヘッドを倒して進んでいくナイトウィングとロビンをネズミが意味深に見つめて終わります。
これはラットキャッチャーの伏線・・・?

バットマンが居ないからか緊張感なくロビンとのやりとりを楽しみながらもピンチの時にはしっかり助けるナイトウィングの兄貴感が良かったです。


予言された夜/スクラッチの失墜

主な登場人物(ネタバレ有り)

アズラエル(ジャン・ポール・バレー)
聖デュマ騎士団が作り出した聖戦士。
ついに追い求めていたニコラス・スクラッチと決着をつける。


3代目バットガール(カサンドラ・ケイン)
バットファミリーとなったカサンドラ・ケインがバットガールのコスチュームを着てアズラエルをサポートする。


バットマン(ブルース・ウェイン)
二コラス・スクラッチを捕まえるという任務を後回しにしているアズラエルに対して鬼上司のごとくスクラッチを倒すように催促に来る。


レスリー・トンプキンス
無法地帯となったゴッサムシティで医療行為を行っている女医。
ブルースの亡き父トーマス・ウェインの友人でブルースを幼い頃から知っており、バットマンの正体ということも知っているブルース・ウェインの数少ない理解者。
アズラエルとは1巻のエピソードから交流が有り、年配者として助言をすることが多い。
バットマンやアズラエルが暴力で物事を解決することを快く思っていない。


ニコラス・スクラッチ
カリスマ的影響力を持つ新興宗教の教祖。
元々はロックミュージシャンでゴッサムシティが大地震で混乱した時にテレビを通して破滅的な演説を行い信者を増やし、暗殺者やヴィランと協力してゴッサムシティの混乱を加速させて成り上がっていった。
トゥーフェイスやペンギンも一目置いており、バットマンからも危険視されている。
見た目は北斗の拳の雑魚キャラのような世紀末的なファッションセンスをしている。


解説
アズラエルがメインのエピソード。

ノーマンズ・ランド1巻からアズラエルが追っていたニコラス・スクラッチとついに決着をつけるエピソードです。

アズラエルが夢の中で西部劇のような決闘をニコラス・スクラッチと行っていて、目を覚ますとレスリー・トンプキンスの医療キャンプに居ました。
アズラエルは親交を深めたレスリーの医療キャンプでレスリーをサポートしていたようです。

そこにバットガール(カサンドラ)が現れてニコラス・スクラッチの部下を捕まえることになりますが、そこに更にバットマンが現れます。



バットマン「任務はどうした?何をグズグズしている?スクラッチを捕まえろ」

バットマン:ノーマンズ・ランド 予言された夜



まるで支店に抜き打ちで来た上司のようです。
暴力で物事を解決しようとするバットマンにレスリーは苦言をします。
レスリーはアズラエルに対してスクラッチを捕まえることにできるだけ暴力を使わないように努力してほしいとお願いするのでした。

バットガールと共にスクラッチの元に向かう途中、アズラエルはバットガールにアズラエルのコスチュームを着るとアズラエルの”システム”が発動して凶暴になってしまうのでなるべく着たくないと話します。

アズラエルはスクラッチの信者が集まる集会所に辿り着きました。
スクラッチはステージの上で演説を行い、信者を扇動して自分たち以外の勢力を皆殺しにしようとします。

アズラエルは信者達に紛れますが正体がバレてアズラエルと対面して捕まります。
スクラッチはステージ上でアズラエルを殺そうとしますがアズラエルは上手くスクラッチを誘導して次の日の朝まで拘束されることになりました。

拘束されているところにバットガールが助けに来ますがアズラエルはスクラッチを捕まえてスクラッチの医薬品をレスリーの元に届ける為にあえて捕まったままでいるのでした。



時がくれば、なすべきことがわかる
うまくいくよ
多分

バットマン:ノーマンズ・ランド スクラッチの失墜



ここで夜明けの空を見つめるアズラエルのシーンが好きです。

アズラエルはコスチュームを着させられて処刑されそうになりますが、マスクを被りアズラエルの”システム”が目覚めて拘束を破り、助けに現れたバットガールと共にスクラッチの部下を倒していきます。

スクラッチは信者にアズラエルを殺すように言いますが信者は従いません。
アズラエルは信者達の目の前でスクラッチを完膚なきまでに叩きのめします。
こうしてアズラエルとスクラッチの戦いは終わりました。

アズラエルはレスリーに医薬品を届けますが、結局暴力を使い力を楽しんだことを後悔します。
レスリーは優しく諭します。



いつでも自分自身をコントロールできるわけじゃないわ
目的は純粋でも、その行動が不純な場合だってある
それが人間よ
崇高でもあり、愚かでもある。
でもね、生きてる限り、やり直すことはできるわ

それから、変なコスチュームは脱ぎなさい

バットマン:ノーマンズ・ランド スクラッチの失墜



そう言ってレスリーは自分を待っている患者の元へ向かうのでした。


感想

ノーマンズ・ランド1巻からのアズラエルのエピソードのひとつの区切りのような話でした。

アズラエルの”システム”の発揮。
レスリーとの関係性。
ニコラス・スクラッチとの決着。

ちょっとひねくれているバットマンに比べて正統派なヒーローのアズラエルのエピソードはやっぱり読んでいてすっきりします。
さらに今回はバットガール(カサンドラ)という相棒まで出来ました。
バーバラ、レスリー、カサンドラとアズラエルは女性との絡みが多いですね。

ニコラス・スクラッチはカリスマ性はありますがアズラエル相手では手も足も出ませんでしたね。
教祖が信者達の目の前でボコボコにされて見放されるのは『バットマン:ザ・カルト』ディーコン・ブラックファイアを思い出しました。

レスリー・トンプキンスがとても芯の強い信念を持った女性として描かれていて良かったですね。
ラストのセリフが好きです。


行方不明の子供

主な登場人物(ネタバレ有り)

バットマン(ブルース・ウェイン)
マンバットであるカーク・ラングストロームの家族をペンギンから守る為に立ち回る。


フランシーヌ・ラングストローム
コウモリ人間であるカーク・ラングストローム(マンバット)の妻で遺伝子研究者。
血清を打つことでマンバット化できる。
夫であるカークとは何ヵ月も前から会っていないとのこと。


アーロン・ラングストローム
カークとフランシーヌの幼い息子。
生まれつきコウモリのような見た目をしている。
常人以上の感覚を持ち、匂いや視認性の高さから食料や物資を探し出せる能力を持つ。


ベッキー・ラングストローム
カークとフランシーヌの幼い娘。
見た目は普通の人間だがフランシーヌと同じく血清を打つことでマンバット化できる。


ペンギン
無法地帯となったゴッサムシティで物流と情報を支配している暗黒街の王。
アーロンの能力に目をつけている。


解説・感想
バットマンとマンバットの家族がメインのエピソード。

バットマンはコウモリのコスチュームを着た人間ですがマンバットは見た目がコウモリ人間のヴィランです。
マンバットであるカーク・ラングストロームは登場しませんが家族である妻と子供達が出てきます。

ノーマンズ・ランドとなったゴッサムシティでラングストローム一家は息子のアーロンの物資や食材を見つけ出す能力を活かして市民達と生活をしていました。
しかしペンギンにアーロンの能力が目を付けられてしまいアーロンが捕まることになります。

バットマンもアーロンを助けようとしますがフランシーヌは血清を自分に打ち、マンバット化してアーロンを助けるのでした。
ラストでは娘のベッキーもマンバット化して3人で飛び去って行きます。

異形の姿となっても助け合う家族の関係は変わらず、娘もマンバット化するのが印象的なエピソードでした。

異形のヴィランであろうと助けようとするバットマンがかっこよかったです。

カーク・ラングストロームのマンバットはゲーム『バットマン:アーカムナイト』に登場します。


オンエアされた真実

解説・感想
ゴッサムシティのとある市民がテレビ放送の電波を通してノーマンズ・ランドとなったゴッサムシティの現状をアメリカ全土に伝える短編エピソード。

テレビ放送の形式で話が進み、ゴッサムシティの様子がアメリカ中に放送されますが実はそれはバットマンがオラクルと協力してゴッサムシティの現状を外に伝える為に電波ジャックをして行ったことでした。(放送してる本人は電波が無いと思っているので放送されているとは気づいていない)

放送を見て襲いに来た暴徒の集団を放送者が見に行くと誰もいなくなっていて、バットラングだけが残されている演出が良いですね。


暴かれた素顔

解説・感想
バットマンの正体を知ったゴッサム市民の末路が描かれた短編エピソード。

キラークロックとバットマンが戦っているとマスクが剝がされてブルース・ウェインの顔が出てしまいます。
キラークロックは顔を見ずに去りましたがそれを目撃したゴッサム市民の男が居ました。
男は精神病棟のアーカム・アサイラムでハービー・デントなどの患者の治療をしているグライダー博士でブルース・ウェインとは知り合いでした。

グライダー博士はバットマンの正体を取引の材料にしてトゥーフェイスから安全な生活と食事を得ようとしましたがトゥーフェイスはバットマンの正体に興味が無く、コイントスをしてグライダー博士を殺すのでした。

グライダー博士の遺体を埋めようとするトゥーフェイスの部下をバットマンが見つけて倒すと、バットマンは遺体がグライダー博士だと気づきました。

グライダー博士が自身の正体を知ったことは分かりませんでしたが部下の会話からトゥーフェイスとの取引に失敗して殺されたことを知ります。



その取引がどんなものであれ、予定通りにはいかなかったようだ
悪魔との取引はそういうものだ

バットマン:ノーマンズ・ランド 暴かれた素顔



バットマンのダークな雰囲気が詰まっている短編で好きです。


悪の巣窟/時間稼ぎ/ブラックゲートからの脱出

主な登場人物(ネタバレ有り)

ナイトウィング(ディック・グレイソン)
バットマンの指示でロックアップ達の支配しているブラックゲート刑務所を奪い返す為に潜入する。


オラクル(バーバラ・ゴードン)
クロックタワーからナイトウィングをサポートする。


ロックアップ(ライル・ボルトン)
自身の正義感でブラックゲート刑務所に犯罪者を収容していたがナイトウィングに解放されそうと知ると全員死刑と称して皆殺しにしようとする。


KGビースト(アナトリー・ナイアチェフ)
ロックアップと共にブラックゲート刑務所を支配している片腕が武器のヴィラン。


2代目トリガー・ツインズ(トム&タド・トリガー)
西部劇の恰好をした双子の悪党。
ロックアップらと共にブラックゲート刑務所を支配している。


ブラックゲート刑務所に収容されているヴィラン

ブラックマスク(ロマン・シオニス)
ベントリロクイスト(アーノルド・ウェスカー)
スケアクロウ(ジョナサン・クレイン)
マッドハッター(ジャービス・テック)
ファイヤーフライ(ガーフィールド・ライナス)
ダイナマイティア(デイル・ビグラー)
テューモルト(本名不明)
モンスーン(本名不明)
スティールジャケット(本名不明)


解説・感想
ナイトウィングがメインのエピソード。

バットマンの指示でナイトウィングがロックアップ達に支配されているブラックゲート刑務所を奪い返す話。
多数のヴィランが登場してナイトウィングが対決したり捕まっているヴィラン達と協力して脱出をします。

ベントリロクイストスケアクロウブラックマスクなど1巻のエピソードで登場したヴィラン達も捕まっていました。
スケアクロウは1巻のエピソード『恐怖の信仰』でコスチュームを燃やしたからか素顔なのですがいつものように不衛生なおじさんではなく若めの姿で描かれているうえに割とまともな言動をするので解説書を見ないとスケアクロウとは気づきにくいです。

ナイトウィングはかなりの窮地に陥りますがロックアップ達を制圧して囚人達の脱獄も阻止してオラクルの元に帰還します。

ナイトウィングが大活躍のエピソードでした。


恵みの大地

主な登場人物(ネタバレ有り)

バットマン(ブルース・ウェイン)
ロビンソン公園に隠した物を見つける為にポイズン・アイビー、クレイフェイスと関わることになる。


ロビン(ティム・ドレイク)
バットマンと共にロビンソン公園に向かう。
クレイフェイスに捕らわれていた子供達を保護したりバットマンとクレイフェイスの対決でバットマンをサポートをする。


ポイズン・アイビー(パメラ・リリアン・アイズリー)
植物を操り誘惑も出来るヴィラン。
ロビンソン公園に潜み、植物や子供達を守っていたがクレイ・フェイスに見つかり捕らわれている。


クレイフェイス(ベイジル・カルロ)
泥状の肉体をした怪人のヴィラン。元々はホラー映画の俳優だった。
泥を操って姿を変えたり武器にしたりして戦う。
ポイズン・アイビーを泥で固めて捕らえ、バットマンも一人では勝てないと認めているかなり強いヴィラン。


解説
バットマンとポイズン・アイビーとクレイフェイスがメインのエピソード。

物語はゴッサムシティがノーマンズ・ランドとなってから23日目と本編よりもかなり前から始まります。

クレイフェイスがロビンソン公園を訪れて、ポイズン・アイビーの作る果実を売るために果実をよこすように脅します。
ポイズン・アイビーは公園で子供達を保護して一緒に生活をしていました。
ポイズン・アイビーはクレイフェイスの提案を受け入れたフリをしてキスをして誘惑しようとしますが・・・

話は現在(ノーマンズ・ランド189日目)に戻りペンギンが新鮮な果実を確保しているのはポイズン・アイビーからなんらかの方法で得ているとバットマン達は考え、直接ペンギンを問い詰めるとペンギンは取引相手はクレイフェイスだと答えます。

一方でゴッサム市警達ブルーボーイズは武力による秩序を考えるベティット達の一派とゴードン達で派閥が分かれて袂を分かつのでした。

バットマンとロビンがロビンソン公園に向かうと公園は密林状態になっていました。
ロビンはバットマンにロビンソン公園で探すものを聞きますがバットマンはゴッサムの生命保険と曖昧に答えます。

公園の植物はバットマン達を導くように動いて道を作り、公園の地下の小型ケイブに入ります。
そこにはクレイフェイスの泥に捕らわれたポイズン・アイビーと子供達がいました。

ポイズン・アイビーはクレイフェイスの誘惑に失敗して脅されて果実を作り、子供達は収穫をさせられていたのでした。
バットマンの探し物である箱はポイズン・アイビーに取られていて箱を返してほしければクレイフェイスを倒して自分たちを解放するようにポイズン・アイビーはバットマンに要求します。
バットマンはロビンに子供達を連れて保護するように言い、ポイズン・アイビーと二人きりになります。

その頃2代目バットガールを演じていたハントレスは自分を否定したバットマンに対する怒りを燃やしてハントレスのコスチュームを纏い、ゴードンから離れたベティット達を制裁しようとしますが逆に言葉巧みに仲間に取り込まれます。

バットマンはポイズン・アイビーを拘束している泥を破壊しようとしますが硬すぎて壊せません。
バットマン曰く震災の後にクレイフェイスと戦って殺されかけたとのことで、強すぎて一人では勝てないのでポイズン・アイビーに協力を求めます。

ロビンは保護した子供達になぜポイズン・アイビーと共に居たのか聞くと彼らは親がおらず公園でポイズン・アイビーと出会い、緑を守る代わりに面倒を見てくれていたとのことです。

公園にクレイフェイスが訪れ、バットマンが立ち向かいますがクレイフェイスの方が強く有利でした。
そこにロビンが公園の川に仕掛けた爆弾を爆発させて地下に水が流れ込み、ポイズン・アイビーの泥が流れて拘束が解けました。

解放されたポイズン・アイビーはクレイフェイスに植物を植え、急成長させて動けなくします。
動けなくなったクレイフェイスにポイズン・アイビーがキスをするとクレイフェイスは塵となり崩壊して植物の塊になるのでした。

こうして子供達もポイズン・アイビーもクレイフェイスから解放されるのでした。



ポイズン・アイビー「バットマン、今日が何の日か知ってる?」
バットマン「夏の始まり・・・」

ゴードン「・・・夏至だ」

バットマン:ノーマンズ・ランド 恵みの大地



公園に夏の果実が実る頃、ゴードンが栽培していた植物にも果実が実るのでした。

ゴードンはレニー・モントーヤにある人物に縁を切ることを伝えるように頼みます。
その夜、ゴードンの元にトゥーフェイスが訪れました。

レニー・モントーヤに縁を切ることを伝えさせた相手はトゥーフェイスでした。
レニー・モントーヤとトゥーフェイスは1巻のエピソード『運命の反転』から繋がりが有り、最初のエピソード『領土宣言』の時のようにゴードンはレニー・モントーヤ経由でトゥーフェイスとたびたび協力していたのでした。

しかしケインを使ったトゥーフェイスのゴードン暗殺未遂のこともあり、縁を切ろうとしましたがトゥーフェイスがそれを承諾せずレニー・モントーヤのことを好きだと言い、レニー・モントーヤと彼女の家族を保護している(捕えている)と言います。
ゴードンは怒りますがトゥーフェイスはゴードンを叩きのめして去っていくのでした。

バットマンが公園に隠していたゴッサムシティ復興に関わる物ですが、既にポイズン・アイビーに破壊されていました。
バットマンはその場は諦めてポイズン・アイビーに公園の守護者となり子供達の面倒をみて、作物の市民への配給を約束させるのでした。

公園にあったのはゴッサムシティの何かのデータが入ったディスクであり、バックアップはゴッサムシティの外にあるとのことでバットマン達はゴッサムシティにいないキャットウーマンにバックアップの確保を依頼をすることを決めるのでした。


感想

バットマンがメインでポイズン・アイビー、クレイフェイスと比較的有名なヴィランが味方と敵として登場、さらにペンギンやトゥーフェイスも少しですが登場するという読んでいて面白いエピソードでノーマンズ・ランド2巻では一番好きなエピソードです。

ポイズン・アイビーらしさがよく描かれていて、緑を守る子供達を守ったり植物を駆使してクレイフェイスを倒すなども良かったです。
クレイフェイスも強キャラとして描かれていて良かったですね。

夏至のくだりはポイズン・アイビーのエピソードらしさとノーマンズ・ランドらしからぬ爽やかさがあって好きなシーンですね。

また、このエピソードではブルーボーイズの仲間割れハントレスとベティット達の合流ゴードンとレニー・モントーヤとトゥーフェイスの関係の変化、ラストのキャットウーマンの登場など今後のノーマンズ・ランドに関わる出来事も多く起こっています。

さらには3巻から正式に登場するベインも少し出てきます。

2巻の中でも重要なエピソードであり、イラストもきれいでポイズン・アイビーが美しく描かれていて良かったです。


潜入/女上司/寄り道

主な登場人物(ネタバレ有り)

キャットウーマン(セリーナ・カイル)
ネコのコスチュームを着て盗みを働く女性。
バットマンとは敵対したり協力したりと立場が変わりやすいが現状は味方のようでバットマンに対して好意を持っている。
ノーマンズ・ランドとなってからはゴッサムシティから離れていたがバットマンの依頼でニューヨークにあるゴッサム復興の為のディスクの入手を依頼される。


解説・感想
キャットウーマンがメインのエピソード。

ニューヨークにあるゴッサム復興の鍵をバットマンがキャットウーマンに泥棒を依頼する為にニューヨークからゴッサムシティに呼び出してまたニューヨークに行かせます。
キャットウーマンはブチ切れますがバットマンにキスをされるとすんなり了承するのでした。

その後は仲間を見つけたり超能力を持った特殊部隊に襲われたりマクシー・ゼウスというギリシャ神話のゼウスの化身だと自身を思い込んでるヴィランに絡まれたりとしますが結局ディスクはミス・ホワイトというノーマンズ・ランドの裏で暗躍する女性に奪われてしまうのでした。

さらっとどんなエネルギーも体を通過するとかいう無敵人間が登場したりもするキャットウーマンらしく相手を出し抜いていくエピソードでした。

パワープレイ

主な登場人物(ネタバレ有り)

バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムシティの発電施設を占領しようとするミスター・フリーズを止めるために単身で氷の城に乗り込み対峙する。


ミスター・フリーズ(ビクター・フリーズ)
全身を特殊な冷凍スーツに身を纏い冷凍銃を扱うヴィラン。
過去のバットマンとの戦いの最中に失った妻ノーラの復讐の為にバットマンの守るゴッサムシティから電力を奪い混乱させようと企む。


解説・感想
バットマンとミスター・フリーズがメインのエピソード。

ゴッサムシティのチャイナタウンに冷凍された人々が居てバットマンはミスター・フリーズの仕業だとすぐに気づき、発電所の隣の氷の城に向かいます。

ミスター・フリーズはバットマンとの過去の戦いで冷凍保存されていた妻のノーラを誤って冷凍銃で撃ってしまい、亡くしていました。
ミスター・フリーズはそれからバットマンを憎み、バットマンの守るゴッサムシティの電力を支配して混乱を招こうとします。

バットマンはミスター・フリーズの復讐を止める為に戦います。
ミスター・フリーズはバットマンの活動の動機も「復讐」ではないかと問いますがバットマンは「正義ゆえ」と答えます。
(アニメ、ゲーム、映画ではバットマンは自分の事を「復讐」だと言ってたりもしますが)

バットマンはミスター・フリーズに冷凍銃で氷漬けにされますが発電所の仕掛けで爆発が起こり、氷が砕けてバットマンは助かります。
バットマンとミスター・フリーズは互角の戦いを繰り広げますがさらに発電所が爆発しミスター・フリーズの氷の城は崩壊しました。
計画は失敗しましたがミスター・フリーズは諦めず、「必ず戻る」と言い、バットマンも「来るなら来い」と答えるのでした。

バットマンとミスター・フリーズの一騎打ちの戦いがしっかり読めるエピソードでした。
冷凍銃を駆使して戦うミスター・フリーズとガジェットや仕掛けを駆使して戦うバットマンの対決が面白かったです。

妻を失い復讐の為に生きるミスター・フリーズに対してバットマンは怪物になったと切り捨てるのでした。少し悲しいですね。


まとめ

以上がバットマン:ノーマンズ・ランドの2巻の内容です。

ロビンやナイトウィングが合流し、キャットウーマンも舞台に上がることで様々なヴィランとの戦いが描かれました。
ペンギン、トゥーフェイスが幅広く動き、ポイズン・アイビー、クレイフェイス、ミスター・フリーズなどの知名度が高めのヴィランとのエピソードも面白かったです。
バットガールを巡るハントレスやカサンドラとバーバラのエピソードも深みが有り、良かったです。

以下今後の物語に続く要素です。

・バットマンが公園に隠していたゴッサム復興の鍵となるディスクの行方
・キャットウーマンからディスクを奪ったミス・ホワイトの上司の正体

いったいどうやってバットマンはゴッサムシティを復興させようとしているのか気になりますね。

というわけで『バットマン:ノーマンズ・ランド(2)』でした!

読んで頂きましてありがとうございました!


前回の投稿から一か月以上空いてその間にアニメ『異世界スーサイド・スクワッド』やアマプラで『バットマン マントの戦士』が始まるなどバットマンのファンの盛り上がりが見れて嬉しいですね。

次回の感想は『バットマン:ノーマンズ・ランド(3)』となり、ベインがゴッサムシティに戻り、ジョーカー、ハーレイクインもついに動き出します!

また読んで頂けると嬉しいです!

よろしくお願いします!

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