厚労省「毎月勤労統計調査」の改ざん問題 原因の仮説
今回の厚生労働省の毎月勤労統計調査改ざん問題なのだが、アレはシステム上の問題がそのままで引き継がれて来てしまったのではないかと推測する。
つまり、直近の項目改訂(「パートタイム労働者」の追加)が1993年なので、おそらくそのタイミングでデータの電算化が行われた、と想定すると話が見えやすくなるワケだ。
当時の電算システムは入力項目のバイト数を減らすことに血道を上げていたので、無駄な項目や計算は徹底して排除されるのが常であった。この調査は大企業全数調査とその合計がセットになっているから、当時のSEならば当たり前のように「入力されたものの全数を合算して出力し、次のフローに投げる」という自動システムを構築したに違いない。その際、余分なバイト数を必要とする「補正用変数入力」およびその計算フローは当然用意などされなかっただろう。国が全数調査するんだから全数提出されてくるに決っている、という考え方だ。
しかしあにはからんや、実際に上がってきた調査結果は東京都で対象事業社の1/3。提出されたデータは入力しなければいけないが、出力される合計数字も補正なしのそのまんま。というか、それしか出力されてこない。
以降、大きな項目変更もなくそのまま運用されてきた、というのが僕の仮説である。誰かの指示や悪意ではじまったことではなかったというのが真相ではないかと。
もしそうであったなら、1998-99年のいわゆる「2000年問題」期にこの部分の改修がされなかったのが残念である。おそらく予算化の際に漏れたのではなかろうか。
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