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「ベイトマンニュース」スコットランド生活【51】寂しい季節の変わり目

8月の半ばになると、スコットランドの山肌や荒野一帯、そしてゴルフコースが紫の絨毯を敷き詰めたようにカラフルになります。これは「嵐が丘」でお馴染みの「ヒース」の風景で、実はイギリスのあちこちで見ることができるんですが、スコットランドでは「山全部」とか「平野一帯」など、その範囲が広く、とにかくものすごい迫力なんですよ。
スコットランドが紫色に染まってくると、あぁ、夏もそろそろ終わりやなぁ、と、なんだか気ぜわしい気持ちになります。

これがヒースの風景。ちなみにここはゴルフコースです。

そして実際9月に入ってからは、急に誰かに「はい。以上!」と線を引かれたように夏が終了したと感じます。泣。
世界中が温暖化による気候変動で、めっちゃくちゃ暑くなっているというのに、今年スコットランドは暑い夏とはご縁がなかったですね。時々夏日(といっても20度台前半。)はあったけど、全体的に涼しく、雨が多い、すっきりしない夏でした。
それなのに夏が終わるのも早いです。9月に入った途端急に気温が下がり、日が短くなり、空が高くなったように感じます。風景の「色」も作物の収穫に伴って、緑からもっと茶系に変化しているようです。
これから秋が深まるにつれ、木々の葉がカラフルになり、厳しい冬を迎える前に、短くも美しい季節がやってきます。

季節が移り変わるのは当たり前にやってくる自然のサイクルやけど、やはり夏が終わるのは寂しいですね。スコットランドの夏はとにかく日が長いので、この夏はほんまによくゴルフをしました。夫婦2人になり、食事や子供の心配がいらないので、日中は一生懸命働き、仕事が5時に終わってからは毎日のようにゴルフコースを歩きました。
実は私はここ数年、耳が原因(であろうと思っている)の回転性の眩暈の症状に悩んでいて、不意の動きや上下左右の動きができなくなりました。これによって今まで週に3回、当たり前のように励んでいた合気道の稽古が思うようにできなくなり、自分がどこに向かっていけばいいのか、何を探求すればいいのか、わからなくなっていたんですね。
ずっと何かを深く追求してきた人ならわかってくれると思うんですが、今までやってきたことが(今までと同じレベルで)突然できなくなると、ほんまに心が迷います。これに新しい仕事、新しい環境へのストレスも加わり、とにかくこういう時は身体を一生懸命動かしていたい、とゴルフコースを歩きました。おかげで体力はつきましたね。笑。

さぁ、これから長く暗い冬をどう楽しく過ごすかが課題です。スコットランドの冬は夏と真逆でとにかく暗いです。寒いのは対策できても、暗いのはどうしようもない。冬の間、暗い中でも探求できる事を探さなければ、と気が焦ります。
まぁでもこうして季節が移り変わっていくからこそ、いろんな感情を体験でき、自然のサイクルを理解できるようになるのでしょう。

季節の変わり目は年に数回やってくるけど、夏の終わりの、今の変わり目が一番寂しい気持ちになるのです。


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