「ベイトマンニュース」内面の魅力が現れる

テレビで4人の大女優の対談を放送していました。
彼女たは長年の功績を認められ、クイーンから称号(日本では紫綬褒章のようなもの)を授与された世界的にも有名な大女優さんたちです。
彼女たちは皆90歳近い年齢なんやけど、会話も記憶もしっかりしていて、ウィットに富んだジョークを飛ばしてはウインクして大笑いしています。
この年代、戦争を跨いでの女優業は決して簡単ではなかったと思うんですね。きっといろんな屈辱的な差別もあったと思います。でもいろんな経験を乗り越えてきた彼女たちには、静かで強い自信と魅力を感じます。

私が一番感動したのは、彼女たちの美しさです。皆90歳近い、かなりのおばあちゃんですから、顔には細かいシワがいっぱいあるし、顔もたるんで、やっぱり立派なおばあちゃん。笑。　
でも味のある会話に、上を向いて大笑いする姿に、キラキラ光っている目に、見ているこちら側も微笑んでしまうほどの魅力があります。
日本でも樹木希林や杉村春子などの、味のある名女優さんがいましたね。典型的な美人の部類には入らないのかもしれないけど、やはりとても魅力的。

現在は簡単に、気軽に整形ができる世の中になりました。スコットランドでも若い人たちを中心にプチ整形する人たちが増えています。
流行っているのは眉毛のタトゥー、まつ毛の植毛、唇にヒアルロン酸を入れて分厚くする、頬にボトックスを注入する、などでしょうか。顔の皮膚をキューっと引っ張って、なんかツルツルテカテカになるやつ(あれは何をどうやっているんやろ。)をしてる人も多いです。あ、そうそう、この寒い国ではフェイクタンで肌を色黒にする人も少なくないですね。
それで気になるシワやたるみは一時的に見えなくなるかもしれない。だけどどう頑張っても加齢の波には勝てず、こういうプチ整形を何度も繰り返すことになるんですねぇ。

今時こういう整形はとても簡単にできるので、若い人たちはよく考えずに(っちゅうか、きれいになりたい一心で)整形を繰り返します。するともうちょっと、もうちょっとと繰り返すうちに何故だか皆同じような顔になってくるから不思議です。目が吊り上がって濃く(？)なり、唇が分厚く突き出て、肌がツルツルテカテカ。個性や味が全く見えなくなり、なんか皆同じ顔の怖い集団になる。
外面をきれいにするために繰り返す整形は、歳をとった時に輝く内面の美しさを見えにくくするような気がします。

歳を重ねた顔には、その人の生き方や暮らしが現れてくるんやと思います。だから先述した4人の大女優さんたちは、やはり自分に正直に、楽しく生きてきたんやろうなぁ。
歳をとった時に輝いてくる美しさは、やっぱり内面から出てくるもの。
歳をとっても個性的に美しく輝いていけるために、そして味のあるええ顔になれるように、いろんな経験を楽しんでいけたらなぁ、と思っています。