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「ベイトマンニュース」はみだし者のサガ

日本で暮らしているといつの間にか「皆同じ」がいいことで、ちょっと変わっている、だとか、皆とちょっと違うことは、なんだか良くないことのように感じるようになるのはなんでかな。

私は小さい頃から同じ年の友達よりも頭ひとつ背が高くて、髪の毛も癖毛でクルクルで、見た目が皆とは違っていました。私はそれがほんまに嫌で、いつも背をかがめて小さくなり、髪の毛も結んだり、ヘアアイロンで真っ直ぐにしたりして、なんとか目立たないように、皆と同じであるようにしていましたね。

イギリスに引っ越してからは誰もが「違う」ことが当たり前で、私が背が高いことも、癖毛なことも、日本人だということも、それは「私」であり、皆と同じである必要はないし、違っていることが間違いではない、ということを学びました。

それでもなんとかイギリス社会に馴染みたくて、ずいぶんともがきましたね。私はイギリス人とは見た目も考え方も、言葉も仕草も違うのに、なんとかイギリスに、あるいはイギリスにある日本人社会に溶け込もうと必死でした。
それでもどうしても「はみだしてる」感を拭えない私は、このままやったら私はイギリスの社会に溶け込めない、イギリス人の友達だってできない、と思い込み、精神的にしんどい数年を過ごしました。

いつの頃からやろうか。もういいやん。私はイギリス人ではないし、かといって日本人からもはみ出てる気がするけど、もうそれは仕方がないことやん。私が誰かと同じようになりたくて必死にもがいたとしても、私じゃない誰かには絶対になれない。もうやめよう。それよりも私が私でいるために、もっと自分のことを知ろう。そう思って自分探しを始めてから、気持ちがずいぶん楽になりました。
そして面白いことに、頑張ることをやめてから、欲しがることをやめてから、イギリス人、日本人は関係なく、ほんまになんでも話せる友達ができたのでした。

不思議ですよね。確かに人として親切で温かくて、丁寧であることは大事やけれど、後は人に無理矢理合わせたり、必要以上に一緒にいたりしなくても、自分を知ってさえいれば確実に友達はできるんです。というよりも、無理に友達を作らなくても、一人で十分楽しい時間を過ごせるようになります。それほど「自分を知る」ということは、強くなる条件の一つやと思いますね。

さて、私の「はみだしのサガ」は、スコットランドに移住してからも続行中です。笑。
この間まで働いていた野菜工場では、英語を話さない同僚たちと全くコミュニケーションがとれず、仕事中も休憩中もずっと一人で過ごしました。ここでは考え方とか見た目が違っているという以前に、言葉でのコミュニケーションがとれない。あぁ、ここには私が入れるコミュニティーはないんやなぁ、としみじみ思っていましたね。
そして新しく働き始めた病院では、ようやく会話を交わせる同僚ができ、患者さんとも話すようにはなったけど、いくら英語が通じるといえども、今度はスコットランドの強い訛りが聞き取れない。そしてアジア人がほとんどいないスコットランドの田舎では、私は容姿が皆とは違っていて、やはりはみ出ております。笑。もうこればっかりは仕方がないですね。もうここまでくれば、天の上の方にいる人に「あなたはあなたでいいのです。はみ出していいのです。そのまま違っていていいんですよ。」と念押しされている気分ですね。笑。
はい。了解です。ここでは私らしく、日本人で気が優しく、おせっかいな私のままで頑張っていきたいと思います。

ちなみに私の姉はものすごくぶっ飛んだ人で、はみ出しまくっているタイプの人なんですよ。「ちょっとはみ出してるくらいやったら叩かれるけど、はみ出しすぎたらもう誰も叩いてこうへんよ。」と言い切る姉はすごいなぁと思うけど、気にしぃで小心者の私はなかなかぶっ飛ぶこともできなかったな。だけどそんな私もすっかり強くなりました。やっぱりぶっ飛ぶことはできひんけど、ちょっとはみ出してる私でいいことにしよう。そんなサガですから。笑

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