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「ベイトマンニュース」ポチョ~ンとした人
このたびのお葬式で、ひと際私の目を引いた人たちがいます。
まず一人目は私の義弟のお嫁さんのお母さんです。
彼女は88歳。しゃんとしていて朗らかなメアリーは、いまだに週何回か病院でボランティアの仕事を続けています。数年前にコロナ禍の渦中に旦那さんを失い、以降は一人暮らし。今でも掃除、洗濯、料理に買い物、と身の回りのことはすべて自分でこなし、薬も全く飲んでいないのよ、と笑っています。
趣味は人と話すこと。それからパッチワークなどの手芸。いつもニコニコと笑っていて、一度話始めたら止まらない。笑。
そばにいるだけで私まで朗らかな気持ちになるような、そんなおばあちゃんです。
もう一人は夫の父親の妹、つまり叔母の旦那さんのティムです。
ティムとクリス(叔母)は若い時にフランスに移住して、長い間酪農の農場をしていました。フランスで3人の娘を育て上げ、今は農場から引退してフランスの田舎町で夫婦2人で暮らしています。
私たちもティムとクリスの農場には何度も訪れました。動物を扱う農場の仕事は大変で、朝早くから夜遅くまで働き通しだったけど、自然の中で暮らしているティムとクリスはいつも大きく、温かく、いつでも私たちを受け入れてくれる存在でしたね。
農場を引退してから会う機会も少なくなり、ここ数年は電話で話すだけだったけど、今回遥々フランスから駆けつけてくれました。
久しぶりに会うティムとクリスは相変わらず温かく、素朴で、まっすぐで。
ティムは癌闘病の真っ只中なのに、「悪いところは切ってもらって治ったらよし、治らなかったらそれまた人生。」と平然と笑っています。
この2人に共通しているのが、「愚痴を言わない」。そして「朗らか」。歳を取るのも大変、農場も大変、闘病も大変やけどそれは皆同じ。しんどいときだってあるさ、と明るく受け入れて笑っている。すごいなぁ、と心から尊敬しますね。
そして何よりこの2人の顔、表情、姿、雰囲気がとにかく美しい。なんというのかな、とにかく美しいんですよ。
何事も擬音語で表現してしまう関西人の私と息子は、こういう素朴な雰囲気をまとっている人たちのことをいつの日からか「ポチョンとしてる」と表現し始めました。エゴも見栄も、欲も我もない人はほんまにポチョ~ンとしていて、純粋でかわいらしくて美しい。一緒にいるだけで笑顔になってしまうような人たち。
こういう雰囲気を持てるのは、やはり今までの生き方が影響しているわけで、きっと幸せの基準が違うんやろなぁ、と思います。
一生懸命、真摯に、楽しく、朗らかに。それが幸せだと知っている。そんな人たち。私もいつかポチョ~ンとした人になれたらいいな。ガチョ~ンやないですよ。ポチョ~ンです。笑。(え?ギャグがベタすぎます?古すぎます?イマドキの人たちは知らんやろな。ガチョ~ン。笑笑。)
そうなるために、自分が大事にするものを見定めて、迷わずに楽しく暮らしていこう。