見出し画像

「ベイトマンニュース」腹を括って、向き合う

先日読んだ本に、40年間エレベーターガールとして働き続けた人のエピソードがありました。エレベーターガールというのは、一日中エレベーターの中にいて、ドアのそばで「いらっしゃいませ。」とお客様にお辞儀をし、「何階ですか?」と階数のボタンを押し、ドアの開閉をサポート(?)する仕事です。単純で簡単で、一日中同じ事の繰り返し。もし彼女がいなくても、エレベーターは同じように稼働するし、お客さん自身がボタンを押すこともできる。そんな仕事を40年間毎日毎日続けた彼女は、一体どんな気持ちで働いていたのかな。

実は私自身も同じような経験があります。私は昨年野菜工場で働いていました。そこではベルトコンベアにのって大量に流れてくる人参から、売り物にならない傷ものの人参をピックする、という仕事をしていました。仕事自体は単純で簡単やけど、毎日毎日流れてくる人参と向き合う日々は、気持ち的には決して簡単ではなかったですね。だけど毎日その仕事と向き合っていると、あるポイントを堺に、その中に楽しみを見つけることができるようになってきます。どこに立とう、どんなポジションでいよう、手の動かし方、目の動かし方、などなど、単純作業の中にも考えるポイントはたくさんあって、自分の気持ちの持ち方次第で仕事の中に楽しみを見つけられるようになる。
結局私はその野菜工場で半年働いたんですが、もしもそこで長く働くことになったとしても、私はきっとかなり楽しい気持ちで働くことができたんじゃないか、と思っているんです。その半年は毎日美味しい人参がタダで食べられたし。笑。

私は「仕事」というものは、自分で選んではいるけれど、同時に与えられたもののような気がしているんです。自分がどんなにやりたい、と望んでも、やはり最終的にはご縁があってこそなものだと思います。今自分がやるべきこと、そこから学ぶべき何かがある環境や人間関係が、やはり与えられると思うんですね。
だからどんな仕事であっても、働くことが決まれば、一定期間はそこでとにかく頑張る、と腹を括る必要があると思っています。

どんな仕事であっても、たとえそれがやりがいのある天職のような仕事でも、絶対にどこかで「嫌だなぁ〜」と思うことはあると思うんですよ。
エレベーターガールとして40年働いた彼女も、時には「私は何でこんな仕事をやってるのかな。」と思ったことはあったと思うんですよ。「何やってんだ?私は?」的な。笑。人参工場で働いていた私自身ももちろんありました。病院で働いている今だって「んんん?」と思うことはしょっちゅうあります。笑。
だけどそんな時こそ「これが今私に与えられた仕事だ」と腹を括って一生懸命に頑張る。そうしているとなんだか仕事が楽しくなってくる。職場に仲間ができてくる。そしていつの日か、「今」やっている仕事が次にやるべきことにつながっていくんじゃないか。

一生懸命目の前のことに取り組む人の姿は美しいと思います。それがたとえ単純で簡単な仕事でも、その中に楽しみを見つけて頑張る姿はとても美しい。
腹を括って、向き合う。とにかく一生懸命頑張る。それがご縁あって出会った仕事へのリスペクト。そうやって働いているうちに、いつか仕事は楽しい事になっていくんだと思います。さぁまた今日から頑張ろう。


いいなと思ったら応援しよう!