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「ベイトマンニュース」出した方がいい

私の夫は何でもすぐに言う人なんですよ。
思ったこと全部、起こったこと全部、たとえどんなに小さな事でも全てをすぐに言わないと落ち着かない。聞く人(私)が家事でバタバタしていても、書き物をしていても、ひどい時にはトイレに入っていても、お構いなしで話しかけてきます。笑。
だけど私の話は聞いてくれない。というか、夫は何かに集中している時、気が他に行っている時は、何も聞こえなくなるみたいです。(本人いわく)これはわざとではないらしいです。ほんまかな。笑。

そもそも夫は「察する」ことが苦手な人種のようです。だから私はわかってもらいたい事があれば、はっきりと口に出して伝えるしかない。
ほんまにねぇ。フェアじゃないですよね。「察する」文化で育った私は、元々の性格もあって周りのことにいろいろ気づいてしまうタイプなんですよ。
察することを得意とし、先に先にあれやこれやと動いてしまう。私と一緒にご飯を食べていたら、ワイングラスが空っぽのまま、なんてことはまずないですよ。飲んだな、と思ったら即座にさっとつぐ。めっちゃ速いです。笑。
でも自分のグラスはずっと空のまま、だとか、夕飯の仕度をしていてもテーブルの用意をしてもらえない、とか、夫からはいろいろと察してもらえない。夫はわざとじゃないと言うけれど、ほんま?ほんまに気づかないんだ?と逆にびっくりするほどです。(あ、だんだんと愚痴になってきました。笑。)

夫にははっきり言葉にしないと伝わらないのに、タイミングを間違えると聞いてすらもらえない。やっぱりフェアじゃない気がするのは気のせいか?
特に結婚して数年は英語が話せなかったので、いろいろ言いたいことがあっても、ぐっと飲み込んでしまうクセがついてしまいました。
愚痴や不満をぐっと飲み込んでしまうと、それが少しずつ少しずつ溜まり、膨れ上がり、いつの日か爆発します。小出しにできれば爆発しないのに、それができないので、数年毎に私の大爆発を浴びる夫。
私の爆発はかなり怖いらしいですよ。笑。その期間は私の爆発が鎮火するまで、そぉ〜っと、そぉ〜っと、過ごすらしいです。火山か!私は。笑。

私の息子は小さい時、(私に似て)デリケートな、何でも怖い、怖い、と怖気づくタイプの子供でした。
どこにでもパーっと走って行ってしまったり、高い所に上ったりして、母をハラハラさせるのが男の子やと思っていたのに、息子は私の手を握りしめたまま、全く動かない。
おーい、大丈夫か?と思うほどの、怖がりで潔癖(砂場もダメ、粘土も絵の具もダメでした。)やったんです。
当然新しく行く場所も、私以外の人も苦手で、どこに行っても、オペラ歌手みたいに腹の底から大きな声で泣いていましたね。笑。(今だから笑える。)

ある日も保育園に連れて行った息子が、いつものように大地を揺るがすように大声で泣いていたんです。保育園が見えるか見えないか、ぐらいの所から泣き始めるので、到着する頃にはいろんな人から「あー、今日もシンくんが来たね。」と言われるほどの有名人。
「いつもすみません。」と恐縮する私に、保育園の先生が言ってくれました。「お母さん、シンくんは大丈夫ですよ。こんな大きな声で泣けるんだもの。こんなにちゃんと自己主張できるんだもの。自分を「出せる」シンくんのような子供は大丈夫です。」と。
それからも息子は泣き虫で弱虫で、ずっとクセ強の男の子やったけど、この時の保育園の先生の言葉が、折れそうになる私の心をいつも支えてくれましたねー。

どんな形でも「出せる」人は大丈夫。
ということは、出しまくりの夫は全然大丈夫やん。
溜めクセのある私の方が心配だ。あ、でも時々爆発するから、やっぱり大丈夫か。笑。

ちなみにあんなに出しまくりのクセ強だった息子は、成長に伴って玉ねぎの皮を一枚一枚むくように怖がりの皮を剥がしていき、少しずつ自信をつけていきました。おかげさまで今ではすっかり穏やかな面白い(ってこれは関係ないか。)青年になりました。小さい頃に思いっきり「出した」おかげでしょうか。極端な怖がりでもなくなり、ものすごい潔癖でもなくなり、逆にゆるりとし過ぎの方向に進んでいます。笑。

私たちはスコットランドに移住して夫婦2人で過ごすようになってから、なんとか上手く共存していけるように、お互いに「出す加減」を学んでいる真っ最中です。私もずいぶんたくましくなり、以前より頻繁に爆発するようになっています。笑。 

出し方はいろいろあれど、やはり何事も溜めずに出した方がいいですね。(出される側は迷惑かもしれないけど。笑)
それと夫にはやはりもうちょっと察する文化を学んでもらいたいもんです。(結局は愚痴で終了。笑。)

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