ロールモデルを求めて
難聴が発覚した時、多くの本に「ロールモデルに会うのが良い」と書かれていました。
ロールモデルとは、子供が目指すべき人物や模範とする人のことです。
特に難聴の子供にとって、自分と同じような境遇で成功した人に出会うことは、希望や自信を持つ上で非常に重要だとされています。
しかし、現実は簡単ではありませんでした。難聴の男子はそもそも少なく、ロールモデルとなるべき人物に出会う機会がなかなかありませんでした。
さらに、新型コロナウイルスの影響で人と会う機会が減り、対面での交流はますます難しくなりました。
そんな中、SNSを通じて情報を探してみることにしました。
オンライン上には多くのコミュニティがあり、難聴に関する情報や支援を提供している団体もあります。しかし、そこでも難聴の男子に出会うのは容易ではありませんでした。少し年上の子供や成人の難聴者は見つかるものの、息子と同じような境遇の男子・男性には巡り会えませんでした。
そこで私は考え方を変えました。
難聴のロールモデルを探すのを一旦諦め、息子と似た性格や趣味を持つ少し年上の男子たちを探すことにしました。幼稚園や習い事の場で、息子にとって良い影響を与えてくれそうな子供たちと出会えるようにしました。
その結果、息子も徐々に他者から見られている自分をイメージできるようになり、目指すべき姿が少しずつ見えてきました。
ある日、偶然にも成人女性の難聴者と出会う機会が訪れました。
聴力は異なりますが、その方は努力を重ね、ポジティブな思考を持っている方でした。まさに息子に目指してほしい姿でした。
その女性と交流することで、息子自身も将来の自分を想像することが出来るようになり、自分も頑張ろうという気持ちを持つようになりました。
ロールモデルに出会うことの重要性を改めて実感しました。
直接的に難聴の男子には出会えなくとも、性格や趣味、姿勢が息子に合う人を見つけることも非常に有意義です。また、成人の難聴者との交流は、息子にとって大きな励みとなりました。
子供が未来を見据えて前向きに成長するためには、ロールモデルの存在が大切です。私たち親も、諦めずにさまざまな方法でロールモデルを探し、子供に希望を与えられるよう努めていきたいと思います。
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