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試合の流れ読み 年間勝ち取る!〜鈴木選手インタビュー〜

U-30 DREAM TOURNAMENT 第1戦(新利根川)で優勝した鈴木寛人選手。利根川の陸っぱりで育ったボート歴3年の急成長中アングラーだ。夢はTOP50参戦という鈴木選手に、津風呂湖戦の抱負や今後のバス釣り人生について聞いた。

 ――茨城県ご出身で、現在27歳と伺いました。関東から国立の山口大学に進学したのも珍しいですね。
 「親の希望もあって、国立大学を中心に進学先を探していたところ、暖かくてバスが釣れそうな山口県に行くことを決心しました。行ってみたら思った以上に魚が釣れる所でしたね。TOP50の会場としても有名な小野湖のほか、阿武川ダムはすごいです。バックウォーターに半端なくバスがいます。大学生活はアルバイトか釣りの2択でした。ほぼ陸っぱりです。リザーバーのほか、野池やクリークなどフィールドは豊富です。ボートは、知り合いのバックシートに乗せてもらうだけでしたが、将来を見据えて船舶免許だけは大学生時代に取得しました。大学時代の専攻はバイオ系で、そのまま大学院まで進学したので、山口県には24歳まで住んでいました。ボート釣り歴は、関東に戻ってからなので、3年くらいですね。今の自宅が都内なので、津久井湖と相模湖がホームです」

 ――TOP50参戦が将来の夢とのことですが。
 「高校生くらいの時に強く意識し始めました。TOP50の試合を実際に見に行ったのがきっかけですね。霞ヶ浦か北浦戦だったと思います。潮来マリーナに行った記憶があります。それを見て、初めて自分も出たいって思いました。今その夢が徐々に近づきつつある段階です。先ほどお話ししたように、大学選びも釣りが関係していました。大学院卒業後、関東に戻ってきてから、レンタルボートの釣りをしばらく続けていましたが、来年ランクルとバスボートを導入する予定です。来シーズンは準備期間で、再来年のJB檜原湖、JB霞ヶ浦参戦を見据えています。そこからTOP50を目指します」

 ――医療系の企業で営業職に就いているとのことですが、就職先も釣りありきで選んだのですか。
 「土日休みや給料の高さで選びました。TOP50参戦後はきっぱり会社を辞めるつもりです。参戦後の収入源が悩みですが、ガイド業など色々と検討中です。家族や恋人も私の夢を応援してくれていますね」

 ――バス釣りを始められたきっかけは何でしょうか。
 「小学校高学年くらいのとき、利根川上流で、サッカー仲間の同学年の友人に連れられて、バス釣りに行きました。その時、僕が釣れずに、友人が釣れてすごく悔しかったのを覚えています。そこからみるみるハマっていった感じです。振り返ってみると、僕は小学生から高校まで利根川の陸っぱりで育ちました」

 ――今まで釣った中で、一番心に残っている魚を教えてください。
 「バスじゃないのですが、3歳くらいの時、父親と利根川に行って、ミミズで釣れた小さい魚なのですが、それが一番記憶に残っています。クチボソかモロコか分からないのですが、すごく感動したのを覚えています。たぶん、その頃から魚好きだったのだと思います」

鈴木選手(右)は、幼少期から釣りに親しんできた。

――なぜドリームトーナメントに出場しようと思ったのですか。
 「30歳以下の人たちが集まる大会って、あまりないじゃないですか。TOP50でやっている選手やアマチュア、陸っぱり中心のアングラーまで集まる中で、自分がどれだけ釣りが上手いのか確かめたいです。あとは若手アングラー間のつながりも、どんどん広げていきたいですね。もちろん総合優勝も本気で狙っています。年間優勝だけを目指して突っ走ります。自信はあります。新利根戦は、純粋にすごく楽しかったです。若い人たちだけで大会をやると、活気があって雰囲気が変わりますからね。優勝後は周りの反応はもちろん、知らない人も含めてすごく声を掛けられるようになりました。津風呂湖戦はライブ同船して頂くので、すごい楽しみです。もちろん緊張しているのですが、初めて僕が釣りしているところをライブ動画にされるので、後から自分の釣りも振り返ってみたいです」

 ――TOP50に参戦できたとしたら、何を目標に戦いますか。
 「AOYはもちろんですが、賞金が一番高いJBクラシックで勝ちたいですね。個人的にはそこが一番の目標です」

 ――バスフィッシングの魅力はどこにあると思いますか。
 「やはりトーナメントですね。競うことが個人的に好きなので。それを自分が大好きな魚釣りで実現できることが一番の魅力です。昔から負けず嫌いで、バス釣りにハマった理由も、釣れなかった悔しさからでした。閉鎖水域で本当に自分の力が試されるっていうのも面白いなと思います」

 ――得意な釣りを教えてください。
 「正直言ってあんまり得意な釣りがなくて…。強いて言うなら、ライトリグです。ライブスコープ導入直後は少し戸惑いましたが…。苦手なフィールドのタイプはありません。リザーバーでもマッディーシャローでも、苦手意識はありませんね」

 ――トーナメントにおいて、ご自身の強みはどこにありますか。
 「釣りの技術うんぬんというよりも、試合の流れを読むのはそんなに苦手じゃないです。他のアングラーの動きとか、ウェイトを読みながら、出し抜ければなと考えています。そういう意味でTOP50の小森プロに、あこがれや尊敬の念を抱いています。試合の戦略など、合理的なところが好きで、ずっと応援してきました。トーナメントで年間優勝する人って、そういう所が上手い。単戦での優勝もすごいですが、年間優勝をきっちりと取れる。そういった小森プロの長所を本当に尊敬しています」

持ち前の勝負強さで、今期は東京チャプター年間優勝を勝ち取った鈴木選手(左)。U30ドリームトーナメントでも活躍が期待される

――最後に、津風呂湖戦への意気込みを聞かせてください。
「もう二度と次のチャンスは巡ってこないと個人的には思っているので、新利根戦の勢いのまま、年間優勝を勝ち取りたいと思います。正直、津風呂戦単体では優勝できるとは思ってないので、年間優勝を取るための釣りをしようと思います。やはり一番釣ってきそうなのは宇佐見素明選手ですね。10位以内でないと年間優勝は取れないと思います。初日ゼロの時点で終了してしまうので、戦略に悩んでいます」

データ
鈴木寛人(すずきひろと)
1996年生まれ。身長174センチ、体重66キロ。
利き腕=右、スピニング=左巻き、ベイト=左巻き。
主な戦績=2023東京チャプター年間優勝

 BASS FISHING LIVE
記者 近藤