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【金管バンド】金管バンドとの出会いから今まで④

おはようございます。音楽家、チューバ奏者、指揮者、金管バンドディレクターの河野一之です。

失敗してもまた1から始めればいいと思っている河野です。その後諦めず成功したらこの失敗は布石に変わります。

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【金管バンド】金管バンドとの出会いから今まで④

英国に留学をして3ヶ月、ようやく”流れ”見たいものがわかり、暮らしに慣れてきました。しかし、相変わらず気が狂うかのようなスケジュールで分単位で生きていました。

今思えば洗足での大学時代に一人暮らしをお許しいただき、自分を生存させ続けるスキルを持たせてくれた母親には本当に感謝です。

この頃の河野は以下のことをこなすことで精一杯でした。

  • 己の生存(料理、洗濯、掃除、買い物など身の回りのこと)

  • 大学院での研究(授業への出席、楽曲研究やプレゼンテーション準備、大学バンドや室内楽、自分のソロなど)

  • Tonでの活動(週2リハ、他週末に本番など)

この他にストレスが溜まると動けなくなるので、趣味のサイクリングや時間がかかる料理(趣味)などもしていました。ラーメンが食べたすぎて粉、出汁、かえしから作ったのもこの頃でしょうか。

実際に作った際の写真。麺も手打ち、チャーシューも作り、スープも丸鳥から作りました。煮込みの時間は弱火にかけ大学に練習に行っていました。

そんな超忙しい年末がやってきて、やっと冬休み。1日数時間の練習と年明けのプレゼンの試験の準備、+Tonでのキャロリング(テスコなどの大規模商業施設でクリスマス・キャロルを演奏しサポートを受ける行事)などをしていました。

キャロリング(Caroling)

このキャロリングはいまだに色濃く覚えています。とてもいい時間でした。
僕はTonではBb Bassを吹いていたのですが、この日は金五での演奏なため自分のEb Bassを持参し、メンバーに迎えにきてもらいます。

金管バンド業界で有名な赤本(Hymn Book)の後半に載っているキャロル特集をガンガン演奏していきます。

テスコ=日本でいうイオンみたいなスーパー。大小さまざまあります。

音大生でガンガンやる子なんかですと、一冬に¥100,000近く稼いでいる子もいました。キャロル文化恐るべしです。

またキャロル以外でも、突然本番二日前にご連絡をもらい、知人が亡くなったからとお葬式で演奏をさせていただく機会をいただき金五でお伺いもしました。

写真1番左はボブの姪っ子のヴィッキー。本当にお世話になりました。

Cory Bandからの連絡

そんな忙しい毎日を過ごしていたところ、僕の携帯にメッセージがきました。

「Coryのメンバーがレコーディングの日たまたま空いていないので、代奏してもらえる?」

恐れ多くも当時2011年世界ランキング1位のCory Bandからの連絡でとても驚きましたが、何事も勉強ですし、こんな機会は2度とないということでお引き受けさせていただきました。

その後めちゃくちゃく練習をして当日、ガッチガチに緊張しながらウェールズの渓谷の一つ、リョンダ渓谷にあるバンドルームへ向かいました。(確かSeamusというコルネットメンバーが迎えにきてくれました)

Coryのリハは基本的に月木の19:30~21:30、なので確かその日は月曜日にお伺いした気がします。19:00前にはついてウォームアップをし、リハに備えます。

会場にはDVDやBrass Band World Magazieなどでよく見る顔がたくさんいて、まさしくWorld Ranked No.1 Brass Band, Cory

その後のリハではその演奏レベルの高さに驚きっぱなしで、ついていくので精一杯。一瞬で2時間終わったのを覚えています。

そして後日CDレコーディング、13~14曲ある収録曲をガンガン録っていきます。もちろんミスは許されません。必死に食らいついていきました。

その時のCDがこちらです。

https://amzn.to/4hBS3gt

Cory Band入団の打診を断る

その後、この時の演奏が認められたのか正式にCoryへの入団の打診がありました。しかし、はじめ河野はこれをお断りします。

というのも、死ぬほどお世話になっているTonへの愛情やメンバーへの親しみが強く、本当の家族のように思っていたからです。

英国へ単身スーツケースと楽器だけ持って渡り、たいして英語も話せないテンションだけの日本人を伝統あるバンドに快く迎え入れてくれて、英国での金管バンド活動のイロハを教えてくださり、その後もScottish Open(前回の記事)やキャロリング、そして毎週2回あるリハなど本当に良くしてくださったバンドを裏切るような真似はできないと思ったからです。

このような話をCoryにすると、当時指揮者であったボブがわざわざ自分が住んでいた寮のそばのパブまで来てくれて説得をしてくださいました。河野も悩みに悩みます。

そして、決定打は河野の留学期間が2年間しかないということでした。

これはいまだに思いますが、もし河野がイギリス国籍を持っており、イギリスで生活するイギリス人であればTonにその後も在籍していたと思います。しかし、河野には2年間というタイムリミットがあり、日本で知名度のあるCory bandからのお誘い。さらに世界ランキング一位というタイトル

かたや素晴らしいバンドであることには間違いはありませんが、アジアひいては日本ではご存知の方はほぼほぼいないTon

洗足を卒業間近に「金管バンドで生きて行こう」と決めた自分の決意や、そう簡単にイギリスに残ることはできないであろう近い将来、そしてその後の日本での活動を考え、さらにボブもお話にきてくださったということで、大変おこがましい話ですが、Coryへ入団させていただきました。

Croy Bandでの生活

Coryでの生活はこれまでのブラスバンドライフと比べ、一新されました。週2×2時間のリハは変わらないのですが、ほぼほぼ月に3~4回ほど週末には英国各地、もしくは欧州のどこかでコンサートがあるので忙しさが倍増。

さらに曲はCoryメンバーにとっては「いつもの」曲ですが、河野にとってはそうではないのでさらい直し、CoryやBobがもつ音楽の流れを汲み取らなくてはなりません。超高難易度の曲たちと共にです。

ここにさらに2~3月は全英大会地区予選、5月欧州選手権(ヨーロピアン)、9月〜11月までブリティッシュ・オープン、全英大会決勝、Brass in Concerとコンテストもガンガン入ります。

これまでも分刻みで動いていましたが、さらに忙しくなり、留学に多大な費用をかけてきていましたが、まさしく元とってる感がすごかったです。忙しすぎで大学の友人にもほぼほぼ会えていないレアキャラ化していました。

最初の3ヶ月

さて、世界ランキング一位のバンドに入団させていただいたのはとても光栄だったのですが、はじめの3ヶ月は毎回リハーサル後バンドを辞めたいと思っていました。

というのも、自分のレベルが低すぎて自己嫌悪感がヤバいのです。

素晴らしい奏者たちが素晴らしい演奏をされているCoryに、自分はふさわしくないと3ヶ月間毎回思っていました。リハーサルが終わった後の家では毎回大反省会です。

最後に

こうして自分にとって夢にも思わなかった人生が幕を開けました。英国音楽修行(Cory激闘編)が開幕です。

続きはまた以下リンクから、ここまでお読みくださり、お付き合い誠にありがとうございます。
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Kazz


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