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交響詩「復活」-我、再び甦らん- E.ボール

おはようございます。音楽家の河野一之です。

お知らせ

まずはお知らせをさせてください。

初見、初心者大歓迎

①9/18 9:30~15:00金管バンドのマスバンド、ホールで吹きませんか?

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上手でなくて大丈夫。ただ有名な曲を音楽や金管バンド好きで集まってホールで楽しむ会。

プログラム
・Home of Legends / PLC
・Arsenal / J. Van der Roost
・Canterbury Choral / J. Van der Roost
・The Year of The Dragon / P. Sparke
・Punchinello / W. Rimmer
・I Vow to Thee, My Country / G. Holst, arr. Philip Sparke
・Pomp and Circumstance No. 1/ E. Elger
・Highland Cathedral / Korb & Roever, arr. H Lorrim


埼玉県草加駅最寄草加市中央公民館ホール、無料駐車場完備

9/18(土)9:30~15:00

②河野企画ではオンラインレッスンor 対面レッスンも開講中!

無料での体験レッスンもありますのでぜひ以下のリンクまたはDMでお問い合わせください!


③12/19 18:30予定 河野企画5周年企画「スペシャルリサイタル」

場所:埼玉県南越谷駅、新越谷駅徒歩5分サンシティ小ホール

河野企画5周年記念スーパーリサイタル
出演
ソロチューバ、指揮
河野一之
ピアノ
清水初海
指揮
今井斐
ブラスバンド
Riverside British Brass

詳細は追って

交響詩「復活」-我、再び甦らん- E.ボール

僕がこの曲を初めて演奏したのは英国留学中のコーリーバンドでのあるシーズンでした。(ベース (金管バンドにおけるチューバパート)も美味しいところが盛り沢山です。)

確か日々にコンサートシリーズに加えレコーディングもしましたし、オーストラリア横断ツアーでも何度も演奏したのを覚えています。

今日はこんな偉大な作曲者が書いたこの交響詩について少し書いてみようと思います。

Eric Ball

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Eric Walter John Ballは1903年、イングランド南西部にあるグロスターシャーに生まれました。(下に兄弟が16人いたそうです。)

この地域はとても素晴らしい音楽家を輩出している地域で、僕も大好きなチューバとオーケストラのための協奏曲やグリーンスリーブス、ひばりの飛翔などを書いたRalph Vaughan Williams(1872-1958)や「惑星」、第一組曲などを作曲したGustav Holst(1874-1934)、そしてコーリーバンドの音楽監督、作編曲者でもあるPhilip Harperもその居を構えるイギリス音楽業界にとってなくてならない土地です。(おいしいビールもあります。)

ピアノとオルガンを学びながら、16歳の時にロンドンにある救世軍音楽部隊に所属します。

急逝した義理の妹の死後、突如として救世軍を辞めブラスバンド(金管バンド)の審査員やイングランドの強豪バンドの一つ、Brighhouse&Rastric Brass Bandの指揮者となり、その後当バンドを英国で1番を決める全英ブラスバンド・チャンピオンシップスにおいて優勝まで導きました。

その後どんどんブラスバンドにのめり込んだボールはThe CWS Bandと共にブリティッシュ・オープン優勝、さらに英国二大ブラスバンド雑誌の一つブリティッシュ・バンズマンの編集にも携わるようになりました。

その後1950年代になると強豪バンドとのコンテストへの出場をやめ、後進の育成や自身の創作活動(作曲)に集中し始めます。

強豪バンドとのコンテストでの優勝や経験をもとにこの頃書かれたのがResurgam(1950), Tournament for Brass (1954), Journey into Freedom (1967) 、The Wayfarer (1976)などのコンテスト課題曲にも設定されたような作品たちです。

Tone Poem Resurgam -I Shall Rise Again-

まずTone Poem=交響詩というのは詩や絵画のように何かしらの”内容”を持って作曲される単一型の楽章を持つ曲です。(交響曲は何楽章かに分かれている)

古代ローマ帝国が使っていたラテン語の一節にから用いられた「I Shall Rise Again, Resurgam」は1950年に作曲され、その後前述の全英大会や、その前哨戦になる地区大会にて何度も課題曲として使用されたり未だに世界中で課題曲として使用されている難易度、芸術的価値両方ともに素晴らしい作品です。

ソロモンの知恵

キリスト教にある旧約聖書、更にその外典(旧約聖書39巻、新約聖書27巻以外をそう呼ぶ)に載っている節がスコア(総譜)の冒頭に書かれています。

これはアポクリファ、ソロモンの知恵より3:1-3
(The Apocrypha The Wisdom of Solomon 3:1-3:)

But the souls of the righteous are in the hand of God,

and no torment will ever touch them.

In the eyes of the foolish they seemed to have died,

and their departure was thought to be an affliction,

and their going from us to be their destruction;

but they are at peace.

神とともある天上の魂たちに苦悩や苦痛が舞い降りることはない

死んだ瞳を持つ愚者たち、彼らの旅立ちは苦悩や苦痛に満ちたものになった

彼らの旅たちは彼らに終わりを告げた

しかし、彼らは平穏の中にあるのだ

(正式な日本語訳を探しましたがないので河野の意訳です。ご了承ください。)

イエス・キリストの復活、それらを用いた絵画や情景、そして先述したソロモンの知恵を題材に作曲されたのがまさし復活、Resurgam、この曲です。

河野の総評

10点満点中、満点の10点

難易度も無茶振りなどは一切なく、ブラスバンド、金管楽器、そして楽器法ブラスバンドのオーケストレーション(Brass Bandation?)などボールのこれまでの経験値、人生全てをフル活用されたかのような素晴らしい作品です。

この曲はバンズマンにとって永遠に練習し続けられるような曲ですし(チューバでいうRVWの協奏曲のような)、実際に老若男女問わず未だに人気も高くそれを裏付けるかのように世界中のコンテストで今も変わらず課題曲として選出されている楽曲です。

もし僕も載っているコーリーの演奏をお聞きになりたい場合はこちらからデジタル・ダウンロードできますので聴いてみください。

できるだけ3,000文字で収めたいので今日はこの辺で

Thank you

Kazz



サポートして頂いた支援は全て金管楽器や金管バンドの奏法の研究、音楽を使ったエンターテイメントの発展に使用させていただきます。