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いつでも初めてのお客様に向けて

お疲れ様です。音楽家、チューバ奏者、指揮者、金管バンドディレクターの河野一之です。

先日おかげさまをもちまして、Immortal Brass Eternally(通称IBE)とのコンサートが大盛況の中終演しました。 関係各位、本当にありがとうございました。

さて、演奏会後メンバーさんがこんなツイートを載せててくださってありがたいなと思うのと同時に本当に良かったと思ったのです。まずはご覧ください。

いつでも初めてのお客様に向けて

僕は年がら年中、音楽、とりわけチューバや金管バンドをさせてもらっているので今回に関しては金管バンドのことはよく知っています。

なので詳しい説明がなくても演奏を観覧したらそのまま楽しめます。
ですが、例えIBEのご常連であっても、とりわけ今回の初見でのご来場のお客様というのは我々のことも、音楽、特に金管バンドのことなんて全然知らないわけです。

なのでいつもとても気をつけているのが、

「自分がその立場になった時にどうしたら楽しめるか」

という点です。自分が何にも知らずに入場した初見のお客様だった場合、または金管バンドが好きだったり、吹奏楽やオケなどの他ジャンルが好きだった場合など、指揮者のポジションから客席を眺めた時にいらっしゃるお客様の層を瞬時に判断して話し方や内容を作ります。

でもこれは別に特別な能力ではなく、誰しも相手によって話し方や内容を変えるはずです。例えば楽器について話をする時に小学生に話すのと,大人やご高齢に話すのとでは口調やいかに内容を噛み砕いたり、逆にフォーマルな言葉を使ったりなど変化を加えて話すはずです。

ですが、大体は少し噛み砕いて簡単な日常日本語会話ぐらいで話した方が誰しもわかりやすいですし、聞きやすいわけです。

例えば吹奏感という言葉をMCの最中に入れる時も、

「この楽器の吹奏感、つまり吹いてみた時の感じですね、これが変わってくるのです。さらに音色(おんしょく)、ねいろとか言ったりしますね、も同様に管の巻き方やベル、朝顔の部分ですね、これの広げ方を変えることで変わってくるのです。おんなじ管の長さなので巻き方や管の広げ方を変えるだけで全く違う音がでます。おもしろいですよね」

このように解説をさせていただいています。このスキルは教員免許をとったり、これまでのプロ活動で老若男女様々な方々に楽器や音楽の説明、吹き方のレッスンなどをさせていただく上で、必ず

相手側が既にご存知の知識

を確認した上で0から説明する時、既に知識や経験をお持ちの方に説明をするときなど分けてやってきた経験からだと思います。

僕たちがつまらなく感じるのは、知らないものごとやなんかわからないものが続いたときです。

劇団四季のライオンキングのロングランは大前提に素晴らしい内容というのもそうですが、世界中の人が既に映画や本、または音楽をCDなどで知っているから特に解説もなく楽しめるのです。

でも河野一之という存在や、チューバ、はたまた金管バンドをそんな「みんな知っているでしょ?」という前提でお披露目しても体感95%の人は知らないけどなんかすごいねぐらいで終わってしまいます。

僕はお客様に楽しんでもらったり、時には感動してもらったりと僕自身がディズニーランドやテーマパーク、映画を見たりすばらしいコンサートを見にいったときのような

時間があっという間に過ぎた非現実の空間

を作りたいのです。
そのために演奏はもちろんのこと、何度もバンドに確認を行ったり、コンサートの流れの確認や自分自身のMCの練習といった細部まで行います。

演奏会前には客席を歩き回りゴミが落ちていないかとか、座席のここからの見え方はどうかなとか、いつでもお越しくださるゲストの皆様の立場になって考えます。

僕はこれはプロアマ関係ないと思っていて、有料無料も関係なく、我々のイベントに人生の時間を割いて来てくださる方々に少しでも非現実の楽しい時間を過ごしてもらいたいのです。

なので先述したツイートのようなご感想は本当にありがたいし、頑張って良かったなと思います。また練習して、研究してがんばります!

Thank you

Kazz

PS:今回とは全く関係ありませんが、英国のマウスピースメーカー、Mercer & Barker社とアーティストととしてお世話になることがきまりました。

引き続きよろしくお願いします!


サポートして頂いた支援は全て金管楽器や金管バンドの奏法の研究、音楽を使ったエンターテイメントの発展に使用させていただきます。