好きなことを素晴らしい奏者と(BiR)
おはようございます。音楽家の河野一之です。
河野企画では素晴らしいピアニストのご協力とリサイタルホールをご用意し、ご自分の音楽人生をより豊かに、自分の音楽の主役になっていただくためにBrass in Recitalというソロ演奏イベントを開催している。
最後に行なったのは第4回目の2020年2月、その後第5回目はコロナ禍で中止、そして今月10/18に満を時して記念の5回目を開催する。
今日はこのBrass in Recitalをなぜ開催するのか、そして今後どうしていきたいかを書いていきたい。
誰もが主役になれる場を
例えばオケ、吹奏楽、ブラスバンドというアマチュアの大編成のアンサンブルに所属し音楽を楽しむとする。
楽器にもよるがその中ソロが出てきたとしても10分ある曲の中の数秒、所属バンドとのソロ協奏曲なんて10年20年所属していて1回あるかないかぐらい、そのような方々にスポットライトを当て「自分自身がご自分の音楽の主役になってもらう」これがBrass in Recitalの主旨だ。
指揮者としての活動をし始めてからチューバでの活動の時よりもより多くの奏者と交流を持てるようになった。その中で演奏中に限らず日常会話や飲みの席で各自みなさんそれぞれとても素晴らしいキャラクターをお持ちで、それぞれ独自の音楽への愛を持っていた。(でなければわざわざ人生の時間とお金を使って休日に楽器を持って練習に行ったりしない)
そんな個性豊かで素晴らしい愛を持っている方々がソロの機会を持てる機会がコンテストやコンクール、または数十年に一度の楽団でのソロの機会だけというのは勿体無い、こう思ったとき音楽家の僕には幸いなことに
音楽家として演奏会を開催するノウハウが身についていた。
なので
・素晴らしいピアニストへの依頼
・演奏会場の予約
・演奏会の進行
・プログラムやチラシの作成
などなど色々な方々にご協力いただきながら開催することができた。
そしてその舞台ではこれまでソロを吹いたことが無い方からピアノとの合わせが初めての方、長年吹いてみたいと憧れのソロの曲を持っていた方など様々な想いを持った演奏が咲き乱れたのである。
無から有を
河野企画は音楽家としての業務の他に企画を発案、運営する業務がある。な何もしなければただの休日で何も無い週末であったけれども会場やピアニストを探し、BiRであれば参加者を募り演奏会を開催する。
何も無いはずだったとある休日に音楽で生まれる感動や、ソリストたちの奮闘、充足感、緊張、楽しみなど様々な感情が渦巻く。
そしてそれは演奏者だけに止まらず、お越し下さるお客様にも何もなかったはずの休日に音楽の楽しみやそれぞれの奏者からの情熱や演奏の魅力を楽しんでもらうことができる。
音楽で感動する=上手な演奏で”のみ”ではないことを知った。
例えば幼稚園生が鍵盤ハーモニカで必死に演奏する姿に僕らは感動し、親御さんであれば号泣する方もいるだろう。
全然コンクールで勝てないような演奏であろうとも、OGOBからすると感動の演奏が母校でされることもあるだろうし、例えば事故で演奏ができなくなったプロ奏者がなんどもリハビリを重ねた末に出す一音はその物語を知っている聴衆からすれば感動ものだ。
Brass in Recitalではそれぞれの奏者に本番の最中+打ち上げで必ず何かしらお話をしてもらうことにしている。
本番の最中、緊張はするだろうけども曲同士の間や初めにお話をしていただくことでお客様にその奏者のファンになってもらうことが目的だ。
誰か知らない奏者が吹いてもそんなに感情は移入しない、でもその奏者が
・どんな奏者で
・どんな楽器で
・どんな曲を
・どんな想いで選び練習し今日をむかえたのか
これだけでも知って聞くのではその後の演奏の印象は大きく変わる。
なのでどれだけ口下手でも演奏に自信がなくてもまずお話をお客様にしてもらうことをとても大事にしている。奏者も客席を見渡してお話をし、知らない人たちから「今」自分自身のことを話して聞いてもらった「自分の」お客様という認識では大きく異なるはずだ。
まとめ
なぜかこの国では
・趣味というとプロレベル、どハマりしているレベルでなくてはならない
・ソロの演奏なんていうのは上手い人がやることだ
・失敗したらどうしよう、やったこともないし
という想いを抱かれている方々が多くいる。
せっかく数多くある趣味の選択肢から自分自身が好きで続けている音楽、その中でも楽器
この楽器と自分自身でできる様々な可能性を引き出し「やるか」「やらないか」は自分次第である。
その選択肢を考える上での判断材料に
・趣味かそうで無いか
・どのくらいの実力があるか
・やったことがあるかないか
というのは全く関係ない
音楽が好きで、楽器演奏が好きで、明日死ぬとしたらソロの演奏に
興味があるかないか、やってみたいかどうか
これだけだ。
大変残念ながら同じ日常は続かない
僕たちが過去に戻れないのと同じだし、僕たちが毎日老いていっているのと同じで「いつかやれればいいや」はやらないし、やれない
あのとき少しだけ飛び込む勇気があればと死ぬときに思うのか、やって大失敗したけれどやってやったぜ!と笑うのかは自分しか決められない
Brass in Recitalはできるだけ継続していくけれども僕だっていつまでできるかはわからない。(本当に飽き性ゆえ)
自戒を込めて、僕もそろそろ挑戦の日々に戻ろうか
Thank you
Kazz
PS:12月20日に開催予定のBrass in Recital 6thの参加者募集も近々行います。
速報は以下Twitterアカウントより