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ブラスバンドはバトンリレー

おはようございます、音楽家の河野一之です。

昨夜は東京都江戸川区で活動されているRiverside British Brassのリハーサル、もうこのバンドに指揮者としてお世話になり始めて7年を過ぎようとしています。

現在は来月6月12日(土)に開催を予定しているコンサートのためのリハーサルシーズンで、残り2回のリハを前にガンガンやらせていただきました。バンドさし!

さて、今日の題名

ブラスバンドはバトンリレーという題名ですが、これまで様々なバンドの演奏会をお客として見に行った時に感じたこと、そしてCory Bandでの経験も踏まえていつも指揮者としてバンドの皆さんにお話しすることを共有させていただきたいと思います。

ブラスバンドはバトンリレー

演奏会当日、大体開演の4時間前ぐらいに集まり、会場の設営やスタッフとミーティング、そしてゲネプロ(本番前の最終確認)、そしてお客様にご入場いただく開場からの開演、演奏を行い、お客様にご退場いただき後片付けをして飲みにいく(通常は)。この間大体8時間

この8時間の間で色んな役割を持った人たちがそれぞれのベストを尽くしてお客様のご退場までをコーディネートします。

そういう意味でのバトンリレー、その中でも僕は演奏家でもあるので演奏中、舞台上でのバトンリレーの話を書きます。

休符やCadenzaは水抜きの時間ではない

曲が始まり心地よい緊張感と集中に伴う時間経過の速さを感じるあの時間

ブラスバンドというアンサンブルゆえに、自分のパート譜に最初から最後までびっしり音符が書いてあるわけではなく時には数小節分の休符、誰かがCadenza(大体無伴奏での即興的独奏、現代では作曲者の指示が多いし、伴奏も入れる場合もある。)を演奏する箇所もあるためそれ以外の奏者は休符となっている。

ここであえて「お休み」と書かず、「休符」と書いたのかはもうお分かりいただけると思いますが、

曲の中で自分のパートに音が書いていない=お休み

では決してないのです。その音が音符として書いていない箇所は他の誰かが演奏していたり、直前まで吹いていた音の余韻をお客様に楽しんでいただく場所なのです。

ここで再度出します。ブラスバンドはバトンリレーです

バトンリレーではアンカー以外、自分が走り切りバトンを受け渡した後チームメイトが走り出します。疲労困憊でしょうが、そのチームメイトが走っている最中ご飯を食べに行ったり、友達と談笑するでしょうか?

恐らく大半の人はそのチームメイトを応援したり、その次のランナーを鼓舞したりと応援に回るはずです。

まして自分が走っている最中にチームメイトたちがダラダラと遊んでいたり、欠伸でもされていたら気持ちがなえると思います。

ここでよく自分の合奏に参加している時、自分が休符で誰かが演奏している時にどのような姿勢でいますか?

水を抜いたり、楽譜にメモをしたり、次の演奏箇所のことを考えるのもリハーサル中なのでありだと思います。

でもリハーサルの積み重ねが本番で出ます。なのでもしリハーサル中に毎回休符でカチャカチャと雑音を鳴らしたり大きな動作をしながら水抜きをしたり、姿勢を崩して座っていたりすると自分は目立っていないように感じますが客席+指揮者+他の奏者の集中力を奪います。

それは極端にいえば、美しい京都の街並みや自然豊かな屋久島の自然の中に突然ドンキホーテが出現するかのような違和感です。

もう一度書きます。

ブラスバンドはバトンリレーです。

もちろん休符が終わった後、自分のベストの演奏を行うためにメモ書きや水抜きは必要です。でも

「いつでも見られてると思って動く」
「他の奏者がバトンを繋いでいる最中」
「自分もこの後そのバトンを受け取りにいく」

これらのことを絶対に忘れてはいけません。リハで言えばたった2時間、演奏会でも大体同じぐらいです。その2時間の間、バトンを受け渡し続けていくわけです。

自分一人が気を抜いてバトンを落としてしまうのか、それともいつでも自分ごととしてバトンを見守ったり、時には受け渡したり、サポートに入ったり、そうしていくのは自分の気持ちだけです。

もし参考になりましたら幸いです。次の本番で是非試してみてください。

Riverside British Brass Concertは来月6/12(土)13:00~開場

コロナ対策のための入場ご予約フォームはこちら、1分で書けます。

皆様のご来場お待ちしています。

Thank you

Kazz



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