【雑記帳31】魚の向きに対するトレースコース
【雑記帳23】ではバスフィッシングにおける場所に関する判断を,バスの場所,ルアーの場所,自分の場所に関する判断に分けて順に考察していくことにしました.今回はルアーの場所に関する判断の一つとして魚の向きに対するトレースコースについて考えてみたいと思います.
まず,バスの場所に関する判断が済んでいれば,今狙っているバスがどのエリアのどんなストラクチャーのどんなカバーについているのかが想定されているはずです.これは,本当にそこにバスがいるかどうかは関係なく,あくまで仮説として魚の場所をイメージして釣りを進めているはずだということです(もしそれで釣れなければ仮説が間違っていたということがわかるわけです).さらに,その場所に流れがあれば魚は基本的に上流を向きますので,魚の向きもわかります.
この状況において,魚に対してどのようなトレースコースを取るかという判断があると思います.大まかに分類すると以下の図のようなコースが考えられるでしょう.下手くそな絵で申し訳ありませんが,上方向を向いた魚を空から眺めている図だと考えてください.これらのコースを区別する必要がない日もあるかもしれませんが,釣果に差が出る日もあるかもしれません.
私が聞いたことのある話としては,村田基さんの「もっとバスは釣れる!!」で,スピナーベイトを投げるときに①や②のコースなら,逃げていくスピナーベイトを追わせる形になるのでバスが強気にアタックしてくるのに対し,④や⑤のコースを取ってしまうと,どんどん自分の方に向かってくるスピナーベイトに対してビビってしまって,最終的に逃げてしまうと書かれていました.これはたぶんスピナーベイトを別のルアーに置き換えても成り立つ話で,強すぎるルアーを④や⑤のコースで投げてしまうとバスが逃げてしまう場合があるのだと思います.もちろん,バスの活性にもよると思いますが.
また,エリアトラウトの釣りでは②のコースが釣れると言われているのを聞いたことがあります.
後は,この図でバスが上を向いているということは上から下に水が流れていたり,風が吹いていたりする状況なわけですが,①や②の方向にルアーを通すということは,上流または風上側からルアーを投げる形になり,④や⑤の方向にルアーを通すということは下流または風下側からルアーを投げる形になります.適度な流れや風であれば,上流または風上側にボートポジションを取り,エレキを踏む回数を減らして流れや風に乗せてボートを流すことができる①や②のコースのほうが,魚に警戒心を与えにくくすることができます.田辺哲男さんの「最強のバス釣り入門NEXT: 第一人者が教える最新のバスフィッシング入門書」ではこのようなエレキの踏み方がキモだと書かれていました.