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人種差別に切り込んだナイキの新CMに感動した人&発狂した人

NIKE(ナイキ)の新CMがアツい。ガツンと心を打たれました。

実在するアスリートの実体験に基づいたストーリーだそうですが、このCMの何がスゴいって、馬鹿なネトウヨがウヨウヨ湧いてくるのが目に見えてるのに、真っ正面から人種差別問題に切り込んだことでしょう。

ネットではナイキを称える声も多い一方で、案の定、「日本社会が差別的だと誤解される」「日本は欧米より全然差別が少ない」「ナイキは左翼に毒されている」的なコメントも溢れているようです。

もちろん、ナイキの狙い通りでしょう。アホが大量に炙り出されると同時にCMはどんどん話題となり、再生数は公開から10日間で1000万回(12月6日時点)を突破。ものスゴい広がりを見せています。

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「ナイキはもう買わない」「ナイキのスニーカーは捨てる」という声も出ていますが、実はこれと似たようなことが数年前のアメリカでもありました。

人種差別に抗議してNFLから干されたコリン・キャパニック選手をナイキが起用し、やはりド直球の広告をドカンと作成したのです。

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キャパニックは2016年、黒人に対する警察の暴力に抗議し、国歌斉唱中の起立を拒否。そのパフォーマンスは他選手にも波及しましたが、トランプ米大統領は彼らを「不敬なクソ野郎」と罵り、「クビにしろ」と要求。国民間でも賛否が巻き起こったようです。

結果、キャパニックはNFLから追放されることになったのですが、ナイキはそんな彼を「Just Do It」の30周年記念キャンペーンの広告に起用。米国版ネトウヨは蜂の巣を突いたような大騒ぎになったとか。

トランプは「(ナイキは不買運動で)間違いなく殺される」などと煽り、この犬笛に呼応したネトウヨがナイキのスニーカーを燃やすなどして不買運動を呼び掛けました。一時は株価も3.2%減少したそうです。

でも、すぐに若い世代がキャパニックとナイキのカッコよさに飛びつき、爆発的な売り上げを叩き出します。その勢いは凄まじく、ナイキ史上最高値の株価を更新、売上高は前年同期比で10%増を記録しました。

ナスダックのチャートを見たトランプはどんな顔したんだろう。想像するとクスッと笑えますよね。

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ということで、ナイキのCMは社会的にもマーケティング的にも正しいんですよね。まぁ日本で今回のCMが売り上げにどう影響するのかはわかりませんが、それでも社会的信頼は確実に高まったと思います。

SDGsを掲げる企業は年々増加していますが、まだこれほど真正面から人種差別と戦う企業は珍しいし、他企業に与えたであろう影響という点も含めてナイキの功績は大きい。

人種差別は日本でも蔓延していますよ。それを認められない人間は、それだけで差別に加担しています。いつかわかってもらえるといいな。


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