食いっぱぐれない人になりたい
休職を経験していたり、現職で仕事ができないポンコツ社員だったせいか、ほかの人と比べて「食いっぱぐれない人になりたい」という想いが強い。自分は他の人より仕事ができないし組織になじむのも苦手だから、いつリストラされたり倒産しても大丈夫なように自分のスキルや専門性を磨いておかないとヤバい、という焦りがずっとある。
この「食いっぱぐれない人」について、どうすればなれるのか・明確ななり方はあるのかなど、休職をしてからずっと考えてきたのだが、それについてなんとなく自分なりの答えが出たので書きたいと思う。
行き着いた先は「一生安泰な職業・スキルなんてない」だ。
明確に「この職業に就けば食いっぱぐれることはない」「このスキルを習得しておけば大丈夫」と断言できるものがあるんじゃないかと思っていたがそんなものはなかった。考えてみたらそうだ。将来どうなるかなんて誰にもわからない。仕事なんてすぐに生まれたり廃れたりしている。数十年前はスーパーのレジ打ち選手権があって優秀な人は表彰されていたなんて話を聞くが、今はセルフレジが多い。「デザイナーや歌手は人間にしかできない仕事だから才能さえあれば食いっぱぐれることはないだろう」なんて思っていたが、今は生成AIで絵や歌が簡単に作られるようになった。
今の時代から考えたら「英語」や「ITエンジニア」「マーケティング」などは食いっぱぐれない可能性が高いかもしれないが、それだって廃れない保証はない。ほかにも「資格をとっておけばなんとかなる」という風潮があるが、2015年に公表された野村総研とオックスフォード大の研究データによれば、専門資格職業の「士業」ですらAIによる代替可能性が高いことが示されている。(正確には申請書類の代行業務などがなくなる可能性が高いらしく、専門知識をもとにしたコンサルタント業務などは残っていくのではないかと予想されている)
結局「食いっぱぐれない人」について考えたところで予想程度でしかなく、絶対安泰とは言い切れない。自分が思っていた「この職業・スキルがあれば」なんてものは幻想でしかなかったのがわかった。
じゃあどうすればいいのか。一生安泰なものなんてないのはわかったが、それでも「お金の不安を減らしたい、食いっぱぐれない人になりたい」という想いはずっとあり続けてる。これについて個人的な考えとしては、
その時々で「現時点で残っていく可能性が高そう」と仮決めしながら職業・スキルを選び続けていくこと
時代の変化に合わせて柔軟に学び直す姿勢を持つこと
が大事なのではないだろうか。一生安泰だと言い切れる職業・スキルはないが、かと言って明らかに廃れそうな仕事をするのも長く働けない。とすると、その時々に合わせて「現時点で残っていきそうな職業・スキルを仮決め程度で選択していく」のが最善だと感じる。その選択もあくまで仮決め程度で、時代の変化に合わせて需要がなくなってきたら別のスキルを習得したり、職業を乗り換えていくといった柔軟な姿勢が大事に思う。
「食いっぱぐれない人を目指して何かしら職業やスキルは極めるけど、ずっとそれに固執するわけではなく、常に別の分野に飛び込む柔軟性も持っていますよ」というスタンスが重要なのではないだろうか。それにどんな選択も仮決め程度でしかない、と思ったら少しだけ気楽に働ける気がする。
これから転職活動を経て何かしらの仕事が決まるだろうが、どんな職業・スキルを選んでも「すぐ需要がなくなったらどうしよう、この選択が間違ってたらどうしよう」という不安は必ず出てくるだろう。それでも「仮決め程度でもいいから決め切ること」を大事にしたい。そうでないといつまで経ってもこの漠然とした不安は消えない。今思う最善の選択をしていくことでしか、未来が見えない仕事人生を進んでいく方法はないように思う。
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