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0.1秒のバスケットボール
※画像は生成AIで作成。ブザービーターのシーンを表現したかったが、相手の選手がいなかったり、24秒計が33秒だったり、審判の位置がおかしかったり、、、まだまだ改善の余地はありそう。
逆転劇が起こりやすいバスケット
バスケットボールをやっていると、ブザービーターで勝負が決まる、とか残り1秒で逆転シュートが決まる、とかそういうシチュエーションに山ほど出くわします。
ブザービーターというのは、終了のブザーと同時、もしくはブザーの後にシュートが入ること。
バスケットの場合、ブザーが鳴る前に手からボールが離れてしまえば、ブザーが鳴った後にゴールが入っても有効になります。
バスケットは世の中のスポーツの中で一試合で最も点数が入るスポーツといわれていますが(不勉強で他にもっと点の入るスポーツがあればすいません)、不思議なもので、多少のチーム力の差ぐらいだとなぜだか似たような点数に収束していくという特性があります。
結果、70点、80点と入るにもかかわらず、1点差、2点差で勝負が決まる、ということがとても多いスポーツです。(逆に、力の差がほとんどないはずなのに10点以上開くこともあったりしますが。)
そして、ブザービーターはおそらくバスケット未経験者が思っている以上にしょっちゅうあります。
各Qの終了時と試合終了時に、オフェンス側はシュートが外れてもボールを奪わて得点されるリスクがないので時間切れの前にとりあえずリングに向かって投げる、という行為を必ずと言っていいほど行います。そうなるとたまたまであれ、狙ってであれ、シュートが入ることがあり、逆転劇が生まれます。
0.1秒の攻防
バスケットでは1秒あればシュートは打てますし、3秒もあれば、フォーメーションプレーもできてしまうのですが、2023年のルール改正で、もっと短い単位の0.1秒、0.2秒でタイムが止まる、というシチュエーションが多くなりました。
2.第 8 条 競技時間、同点、オーバータイム、 第 10 条 ボールのステータス、 第 34 条 パーソナルファウル
<変更点の概要>
クォーターもしくはオーバータイムの終了間際にファウルが宣せられた場合の取り扱いに関する変更です。 審判はそのファウルが競技時間内に起きたかどうかを判断することがルール化され、ファウルと競技時間の終わりに前後が存在することが前提となります。
したがって、審判が「ファウルは競技時間の終了より先に起きた」と判断した場合、たとえ短い時間でも競技時間が残っている必要があり、試合はゲームクロックに少なくとも 0.1 秒以上を表示して再開されます。これに伴い、プレーのインターバルが始まる前にゲームクロックに 0.0 秒を表示した状態で、誰もリバウンドの位置に着かずにフリースローを行うことはなくなります。
審判が「ファウルは競技時間が終了した後で起きた」と判断した場合、そのファウルはアンスポーツマンライクファウル、テクニカ ルファウルもしくはディスクォリファイングファウルで、後に続くクォーターやオーバータイムがない限り、競技時間の終了後に起き たものとして、なかったものとみなされます。
【条文 8-8】
各クォーターやオーバータイムの終了間際にファウルが宣せられた場合、審判は残りの競技時間を決定する。ゲームクロック には最低でも 0.1 秒が表示される。
「当たり前やん」って感じに見えますが、これまでは、ブザーとほぼ同時にファウルが起こった場合、タイムを厳密に図ることはせずそのまま終了、もしくはファールでフリースローの場合「フリースローは打つけどリバウンドはなし」という処置をとっていました。
ところが、厳密にはファウルと終了ブザーには前後関係があるはずなので、終了ブザーの前におこったファウルであれば、「0.1秒」以上必ず残しましょう、という改正がありました。
なので0秒でリバウンドなしフリースローというシューターにとってめちゃくちゃ緊張する変なフリースローがなくなりました。
この変更で何が起こったか?
0.1秒とか0.2秒とか、1秒を切る秒数が残った状態でプレーがスタートするケースが激増しました。
なぜかというと、前述のとおり、元々オフェンスプレーヤーは、就業間際には入ったらラッキーぐらいのつもりで少々強引にでもシュートを打とうとします。そうなると、ディフェンスはそれを防ぐ動きをとらなければいけないので必然的に終了間際のシュートファウルが起こります。そしてルール改正の結果、残り僅かの秒数が残って再開されるケースが増え方たということです。
0.1秒で何ができるのか?
とはいえ、1秒にも満たない時間を残されても何もできないじゃないか、と思われるかもしれませんが、実は残された秒数でできることはルール上明確に定義されています。
これがあまり知れ渡っていないルールです。
16-2-5
スローインあるいは最後のフリースローの後のリバウンドのときに、ボールをつかんでショットをするためには、最低でもゲームクロックあるいはショットクロックが0.3秒以上を表示していなければならない。
0.2秒あるいは0.1秒しか表示されていない場合、ショットを成功させるためには、ボールをタップするか直接ダンクしていれるしかなく、その場合でも0.0秒が表示されたときにプレーヤーの片手または両手はボールに触れていてはならない。
【補足】ここで示される0.2秒以下での「タップ」とは一瞬であってもボールをつかむことなくボールをはじく(チップ)のことを言う。0.2秒以下で一瞬でもボールをつかんだ場合、そのショットは認められない。
0.1秒、0.2秒の場合はタップだけOK。
逆に、0.3秒以上ある場合はつかんでシュートを打つのもOKということです。1秒もあればダブルクラッチなんかもしちゃえますね。
これ、結構重要なルールだと思うのは私だけでしょうか?
これが分かっているかどうかでスローインの戦術が変わります。
0.2秒以下の場合はタップしか認められないので、ゴール前にボールをスローインで放り込んで、背の高いプレーヤーがタップする、という動きをすることが基本になります。これを知っているだけで2点取れるかもしれません。
そして、この2点は必ずブザービーターであり、均衡した試合で起こる最後の逆転シュートになるかもしれません。
大逆転の試合は見ていて楽しいのですが、審判は緊張しますね。
審判もこれをきちんと知っておかないと、そのシュートが有効かどうかの判定ができないので是非知っておきたいルールです。