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バスケなめんなよ 8話
私がコーチ……
涼は中学生2回目の夏休みに突入しました。
それから1週間後位に涼に部活の状況を聞いてみました。
私「フットワークやってんだよな?」
涼「やってるよ…筋肉痛だよ…」
私「普通部活やってれば筋肉痛になるだろwって言うか、ちゃんと全力でやってるか?フットワークだけじゃなくて、全力で走ったり、全力でボール取りに行ったり……」
涼「やってるって!」
私「ならいいけど…それより、お盆連休みたいなのあるじゃん?部活をそんなに休んで大丈夫か?すぐ大会なんだぞw」
涼「しょうがねぇじゃん、顧問が休みなんだから……」
私「お願いしたのか?練習したいですって?」
涼「なんか用事が入ってるらしいんだよ…」
ここで妻登場!
妻「保護者会練習にすればいいんじゃない?なんか他の部活は先生が都合悪い時とか、部活の規定日数を超えた時にとかに保護者会練習でやってるらしいよ!」
私「それ部活と何が違うの?」
妻「保護者会費や個人で市の体育館を借りて、スポーツ保険入って保護者管理でするって感じにするから、学校とか部活には何も関係が無い事になるみたいよ」
私「ぶ、部活じゃんwwでも、俺も保護者会練習っていうのやってたな…確かにその時は顧問はいなかったな…あれがそうなのか…あっ!そう言えば俺、保護者会長だったんだww」
妻「涼!お盆の連休に保護者会練習やりたい?」
涼「まぁやってもいいけど」
私「お前さぁ…何そのやってもいいけどって…で、誰が管理するの?」
涼「そりゃあお父さんでしょw他に誰がやるんだよ」
妻「まず保護者会のLINEで保護者会練習をやろうと思うって流すね!涼の同級生の親は間違いなく賛成すると思うよ!」
私「ちょ待てよ!(キムタク口調)俺はやるとは言ってないぞ!」
妻「じゃあ涼達がボロ負けしてもイイの?いつも心配だって言ってるんだからイイじゃん!やりなよ!涼たちの練習観てみたいでしょ?」
私「ぐ…ぬぬ…」
と言った感じで、保護者にLINEを送る事になったのですが、私から2つ条件をつけさせてもらいました。
・2年生の為にやるから、2年生は必ず参加してほしい
・1年生は希望者のみ参加で構わない
この2つを必ず周知してくれと念を押しました。
私は保護者会長になってまだ1ヶ月も経っていません。
正直、涼の同級生部員の親の顔もほぼ知りません。
どんな考えを持っている人達なのか何も知らないのに、あまりきつく縛るのはどうかと思いました。
昨今、親の子供社会への現場介入と父親の子供に対するトップダウンが酷過ぎるように思います。
私はそういう親と絡んだりする事をいかに避けて生きていくかを最優先にしてきました。
家庭のルールや旦那様の考え方は、子供の世界や部活には全く関係ありません。
今時、親が理由で子供がやりたい事が出来ないなんて…
凄くお金が掛かるとかならわかりますが…
部活の練習や試合の送迎はチームメイトの親にお願いすればいいし、特に気にすることも無いと思います。
みんなお互い様!っていう気持ちでやってますのでw
しかし、中には練習の日程や顧問とコーチが決めた事にイチイチ口を出してくる親がいます。
その親は一回も息子の練習を見たことも無いし、試合にも来たことがありません。
その癖に
「そのやり方はおかしい」
「うちは食事会にはいけません」
「そんなに練習していいんですか」
「兄弟の送迎もあるので試合に遅刻します」
とか、本当に信じられない事を平気で言ってきます。
一度も試合を観に来たこともない父親が家で奥さんに指摘しているそうです。
いやいや、父親が兄弟か本人の送迎すれば済む話ですが、絶対に送迎等はしないそうですw
この件については、実際に私達保護者が本当に頭に来た事実として書いていきますので、しばらくお待ちくださいw
数日間の臨時コーチの始まり
保護者へのLINE周知も終わり、顧問の先生へお盆休みの練習を保護者会でやるための許可も取り、練習当日がやってきました。
と、その前にある保護者からこんなLINEが来ました。
保護者「体育館はかなり暑いので夕方からの練習が良いと思います」
私「は?決定通り13時〜行います。暑さ対策も兼ねてるし、そんな事理由になりません」
保護者「そうですか…」
さっそく保護者の現場介入が始まりました。
もうやる気が無くなりそうになりましたw
私の妻も他の保護者も呆れかえっていました……
こんな親が居たらチームプレイのバスケは崩壊してしまいます。
でも、お盆休みだけ練習を観るだけなのでグッと我慢をし練習会場に向かいました。
部員達にはあらかじめ私が行く事は伝わっていました。
まず初めに思ったのは
挨拶が全くできない子供たち…
2年生がボールを運んでいるのに1年生は動かない…
練習を始めるときに私への挨拶が無いww
とは言え、すべて含めて今現在の彼らの部活なので、今日は特に何も言わずにしておく事にしましたが、コートにはきちんと挨拶しろ!とだけ言いましたw
そうか…こう言う事も全くできていないんだな…
バスケとかスタミナとかそう言う問題じゃないんだな…なら下手だし、弱いはずだな…私は確信しました。
そして、これから行われる練習もどういう態度や、気持ち、熱量で行われるのかも想像できてしまったのです。
私から
私「熱中症になる恐れがあるから、水分休憩をこまめに取ってね。それと、体調が悪くなったらすぐに報告して下さい。休憩してもらって構わないから」
部員「…ハイ……」
本当に酷い返事でしたww
練習開始!!
まずアップのランニングから始めました。
体育館を5週くらいして、ストレッチ系を行うそうです。
と、ここで衝撃的な光景を目にしてしまいました。
アップのランニングで数人がバテています…しかも、2年の三井と槙野と金剛もその中に入っています……どうなってるんだ?
そして、コートを横にして歩きながらアキレス腱を伸ばしたりしたストレッチが始まりました。と、ここでまたしても衝撃的な光景が……なんとアップと一緒にフットワークをやっています……
しかも私が教えた4種類のフットワーク(サイドキック、バックサイドキック、サイドステップ、2人1組のサイドステップ)を横コート1回ずつです……1往復ではありませんwwおいおいww
しかし、今日は何も言わずに全て観ると決めたのでグッと堪えましたw
次にハンドリングとドリブル練習を始めましたが、涼と大翔以外ハンドリングすらままならない状態でした……特にドリブルは目に余るものがありました。
レッグスルーがほぼ全員出来ていないのです。
1年生も入部して4.5ヶ月経過しているのに……これは本当にマズいな…2年もそうだけど、左手がマジでヤバい状況です。
次にレイアップを始めました。
フリースロー付近の人にパスを出し、走りこんでパスを受けレイアップをするという通常のレイアップ練習です。
何と言うか……歩いているのか?と思う位のスピードですw
もちろん、シュートはほぼ入りません……ノーマーク、ノープレッシャーでこれか……
そして、シュートが入っても「ナイッシュー!」の声もないし、外れても「ドンマイ!」もありません……1年生は全く声を出しません…一体どういうことなのだろうか?
私はだんだんとここにいる事が怖くなってきました。
少しでも感じ取ってもらえればと思い、私は積極的に声を出すようにしました。
次にスクウェアパスをやり始めました。
スクウェアパスとは?
四角形を作ってパスを出し、出した人がその方向へ走り、パスを貰い次の人にパスを出す基本的な練習です。
それなりに広がった四角形を作り練習は始まりました。
またしても信じられない光景が……
パスが2回くらいしか続かないのです……キャッチミス、パスミスの嵐ですw
流石に練習にならないので教える事にしました。
私「パスを出す人は相手の走っていく方向の前に出してやる事。これをリードパスって言います。パスを貰う人はその場に突っ立っているのではなく、前に進む準備をしておく事、キャッチするときに目を閉じない事、パスを貰ったらすぐにパスを出す事、そして貰う人は大きな声でヘイ!と呼ぶ事」
と言う事を伝えもう一回やってもらう事にしました。
……まぁ前よりはマシになりましたが、問題が発生します。
1年生が2年生のパスをキャッチ出来ないのです……さらに涼のパスに至っては、2年生もまともに取れていません……キャ、キャッチが出来ないのか……槙野、金剛さらに大翔もキャッチに難がある事が分かりました。
試合を観ていたので分かってはいましたが、あくまで試合中だからだと思っていましたが、通常スペックでこれなんだと理解しました。
水分補給は必須!時代は変わりました
全ての練習終了後に水分補給休憩が入っていました。
これは昭和の部活経験者の私からしたら衝撃的でしたww
もちろん、今の時代の水分補給休憩が正解だし絶対です。
私はうらやましく思いましたw
水を飲んではいけなかったあの頃の私達が今のこの光景を見たらどう思うのでしょうか?水飲みまくりじゃん!最高じゃん!ってなりますよねw
水を飲むと強くなれないとか、勝てないとかwあれはあれで私の良い思い出です。時代は変わったのです!そして、科学的根拠がきちんと反映されているのです!
これまでの練習
アップ
ハンドリング
ドリブル
レイアップ
スクウェアパス
なぜこれしかやっていないのに全員バテているんだ!
しかも、時間かかりすぎてるし……
この時間が掛かりすぎていると言事ですが
とにかく行動が遅いのです。
アップからレイアップの練習が始まるまで数分掛かっているのです……
何なら、全ての練習開始までに数分掛かっているのです…
マジで時間がもったいない!時間は有限だし、最終的な事を言えば2年生は残り時間は1年もありません。
さらに練習日数で言えばもっと少なく、全ての無駄な時間が彼らの残り時間を少なくしていきます。
これは本当にマズいぞ……
そして次にツーメンが始まりました。
ツーメンとは
2人1組になりゴール下から向こうゴールまで全力で走り、パスを交換してシュートを決める練習です。
もちろん彼らのツーメンは歩いているくらいのスピードで行われいましたw
そして、1年生全員と金剛と槙野は膝に手をついて下を向いています…
もう何も考えたくありませんでした…
続けてスリーメンを行うようです。
おそらくいつも、ツーメンとスリーメンは繋ぎでやっているのだと思います。
しかし、歩いてのツーメンであんなにゼェゼェ言っているのに、このままスリーメンなんかできるのか?と思っていたら、1年生の1人が
「気持ちが悪いので休ませてください…」
と、辛そうに言ってきました。
私「座っても寝てもイイから楽な状態で休みな。で、水分をしっかり取ってね」
信二「ハイ」
その後、信二にどんな感じなんだ?
とか、ダメそうなら帰っていいぞ?
とか色々と話をしたのですが信二は
信二「わかりません」
としか言いませんww
これはダメだと思い、一緒に来ていた妻に信二の母親に連絡をしてもらい、迎えに来るよう連絡してもらいました。
あらかじめ保護者には、熱中症等のアクシデントがあるかもしれないから、その際には連絡をするので速やかに迎えに来てください。と、周知をしておりました。
10分後くらいに母親が迎えに来て信二は帰って行きました。
本当に今の部活って変わったんだなwもちろん世の中を考慮した上で、予め体調に不安がある人や迎えに来れない場合は、参加しないで欲しいと伝えてあるのですが……親が迎えに来るって……いくら何でも過保護過ぎないか?
いやいや、何かあってからではどうにもならないから、今の時代はこういうやり方でいいんだ!
と、私の頭の中ではグルグルと昔と今の事が回転していましたw
肝心のスリーメンですが、当たり前ですがほぼ歩いている状態ですw
スリーメンとは
3人1組でゴール下から向こうのゴールに全力で走り、パス交換をしてシュートを決める練習です。
まず、真ん中の選手がバックボードにボールをあて、左右の選手は走り出し真ん中の選手はそれを自分で取り左の選手にパスを出します。左の選手は真ん中の選手にパスをし、真ん中の選手は右の選手にレイアップが出来るタイミングのパスを出し、右の選手はレイアップを決めます。
真ん中の選手は右に行き、エンドラインを踏んで逆ゴール方向へ走り出します。
左の選手はリバウンドを取り、シュートを打った右選手が左側のエンドラインを踏んで走り出すのでパスを出し、さっきと同じようにパスを回しシュートまで行きます。
この1往復がワンセットになります。
疲れているのもあるのか
ほぼ徒歩だし、キャッチミスは当たり前、パスは遅いしリードパスも出来ていない…
これは本当にもう……2週間後に試合があるのにどうするんだ…
何とか右10本、左10本のシュートを決めきり終わりました。
10本ずつってww
長めの休憩を取り、いつもやっているハーフの3on3をやってもらう事にしました。
テクニック、特性等を見てみたかったのです。
スタミナ、走力が無いのはもう十分理解できたのでw
2年生を半分に分けて始まりました。
メンバー
黒
涼、金剛、1年生
白
大翔、槙野、三井
黒チームですが、涼がパスをさばいて金剛がフィニッシュと言う形にこだわったバスケを展開していました。
白は大翔がトップに入り、組み立てようとしていましたが…
槙野は変なタイミングでドライブに行くわ、DFや仲間がいる方向へ突っ込むし、三井はパスをもらったらすぐシュートを打つわでどうにもなりませんw
まず両チームのOFに1つだけアドバイスをしました。
それは、全員パスを出したらDFの前を通ってカッティングをしよう!
そうする事により、ボールを持ってる人の前が空くからドライブが出来るようになるし、仮にドライブを止められても、キックアウトが出来るから!
涼は理解したようですが、金剛と2年生は微妙でしたw
そして、涼が右ウィングへパスをしカッティングを行いました。
右ウィングの金剛に
私「左空いてる!ドライブ!」
金剛「…………あっ(ドライブ)」
3テンポ位遅れはありましたが、相手のDFmも全然ダメだった事もあり、ドライブからレイアップで得点が出来ました。
次に白チームのオフェンスです。
先ほど見ていたはずですが、黒がやったプレーが全くできません……
私は疑問に思いました。
先に涼たちがやったプレーを自分たちもやれば良いだけなのに…なぜ?
もう一度説明し、プレーを再開させました。
大翔が右ウィングの槙野にパスを出してDFの前を通ってカッティング!
槙野が………なぜか槙野は大翔が作った左スペースではなく、右へドライブに行ってしまいました…
私「えっ?話聞いてた?プレー見てた?」
槙野「えっ……」
私「大翔が左のスペース空けてくれたじゃん?なぜ右に行くの?今はこの左のスペースにドライブ行こう!っていう練習してるんだよ?」
槙野「はい…」
私「……じゃあもう一回やってみよう!」
私は大翔に
私「左ウィングの三井にパス出してくれ」
と、小声で伝えました。
大翔は指示通り左ウィングの三井にパスをし、DFの前をカッティングして行きます。
三井は大翔の空けてくれた右のスペースにドライブしなくてはいけません。
しかし、三井は左にドライブをしました……
しかも、左ドリブルをミスりました…
なるほど、やはりそういう事なんだな…
私は彼らの練習試合を観ていてほぼ確信した事がありました。
それは、三井と槙野と金剛についてです。
彼らは特に金剛は自分が一番出来ないと言う現実を知っていたので、ドリブルや最低限の基礎をそれなりの速さで覚えてきたのですが、自分がボールを持っていない時や今何をするべきかの状況判断が全く分かっていないのです。それは彼らが悪いわけではありません。
教えてこなかった顧問に責任があると思います。いや、顧問の責任もあるけど…しょうもない動画や銃を使ったゲームに時間を使い過ぎてるのか、「メディア時間」にバスケの動画なんて1ミリも観ていなかった事も大きな原因だと思います。
おそらく多くの中学バスケプレーヤーはNBAの動画を観ているでしょう。ステファンカリーやドンチッチやレブロン等のスーパープレーを観て俺もこうなるんだ!と、意気込んでいると思います。
夢を持つことは大事だし、誰にも馬鹿にする権利もありません。
しかし、そのスタープレーヤー達がシュートを決めるためにボールを持っていない他のスタープレーヤー達は必死にスペースを作る為に動き回っているのです。もちろん個人のみで1on1を仕掛け得点する事もあります。
しかし、毎回毎回そんな事が出来るほどバスケは甘くありません。
きっと彼らはオフボールの動きの事を全く知らないのだと確信しました。
これは涼と大翔に言える事です。
私のバスケ人生の中でもワーストであっただろう3on3も無事に終わり、最後は8秒ドリブルと言う練習で終わりにするようです。
8秒ドリブルとは
左右のゴールに分かれ、タイマーのブザーと同時にボールをバックボードに当てて、センターサークルまで全力ドリブルで行き、そのままサークルを1周してレイアップをすると言う素晴らしい練習ですw
これは自分もやってみたかったなぁと思いました。
右手30本、左手30本を行いましたが、当然ですが歩いてる方が早いくらいのスピードで行われたのは言うまでもありませんww
3時間の練習は終わりを迎え、片付けを急がなくてはいけません。
まぁ片付けが遅い遅い……さすがに私も声を掛けましたが、全員走って動くことはありませんでした。
そして、ダウンも終わり1日目の練習が終了しました。
次回は
涼に雷を落とします!!
練習態度や、挨拶が全くなっていませんでした…
まずは、そこから直さなくては!!!