【15巻】『少女ファイト』既刊17巻を振り返る
こんにちは。東京マンガレビュアーズでレビュアーをしているおがさんです。『少女ファイト』の既刊17巻分の振り返り記事を毎週火曜日にアップしています。このnoteは15巻の振り返り記事となります。
15巻のメインは金糸雀(かなりあ)戦です。今までの対戦とは少し毛色が違う戦いかなと感じてます。理由は後述します。
14巻までの記事はこちらから👇
記事は以下のフォーマットで進めていきます。
・この巻は何と何の戦いなのか
・心に響く名言
・注目のシーン
・過去作とのリンク
多少のネタバレと巻をまたいだ解説を含みます。気になる方は、そっ閉じを推奨します。よろしくお願いします。
【15巻】人としての弱さVS受け入れる強さ
『少女ファイト』(日本橋ヨヲコ/作画監修:木内亨/講談社)15巻より引用
(※以下、特段記載のないコマは全て15巻より引用しています)
金糸雀高校は、過食症、ネット依存症、潔癖症など体調に不安のあるバレー経験者を集めた高校です。言い方として正しいかは分かりませんが、人としての弱さを抱えたメンバーたちです。
『少女ファイト』において、金糸雀戦の描かれた方は、他とは異なると思っています。それは、人としての弱さを肯定する戦いでもあるからです。
今までの戦いは、すべてではないですが、自分の弱さを乗り越えていくことが必要でした。弱さを否定し、強くなることが求められました。
ですが、自分の弱さを受け入れることで見えてくるものもあります。過食症で悩んだ堂夏(どうなつ)も、思い込みで他人のせいにしてきたことに気付き、自分自身が弱いことを受け入れます。
作中でも語られるように、ずっと正しい人間なんていません。人は誰しもが弱さや未熟さを抱えています。何かに依存してしまうものです。
だからこそ、弱い自分を受け入れて、相手を尊重する心を持つ。
答えはシンプルです。これさえ忘れずに過ごせればきっと大丈夫なのです。気楽にいきましょう。
心に響く名言
「大きな何かを成し遂げる必要はないのです 後ろめたくない日々を淡々と重ねてゆく」それが大事なのだと。自分もひどく落ち込んだ時は、このセリフを思い出します。
落ち込んでいる時は、できないことを考えがちです。
今日はアレができなかった、今まではできていたのに・・・
あの人はあんなにすごいのに、自分なんか・・・
なので私は落ち込んだ時、できないことを考えるのではなく、自分が今日できたことを褒めるようにしています。自分にとことん甘く、どんなに些細なことでも。
部屋の掃除をすることができた。
ゴミ出しをした。
本を読めた。
料理を作った。
湯船に浸かった。
生きていくために最低限必要なことは、些細な積み重ねなのです。
今日生きたことを褒めればいいのです。
辛いことがあったときに、思い出したくなる名言です。
注目のシーン
延友と知花が病室で二人で話すこのシーン、大好きなんです。延友が母親の死を乗り越えることができたからです。
と言うのも、延友の母親は病院で目を離した隙に容態が急変し、亡くなりました。その後、再婚した知花を母親として受け入れることができず、二人の間には確執がありました。ある種、母親を忘れないでいたいと言う延友の優しさの裏返しなのかもしれません。
そんな延友が口調はキツいですが、冗談を交えながら知花のことを思いやる言葉を投げかけています。
辛い過去を笑いに変えて話すことができて初めて、過去を乗り越えられたと言えます。
過去を乗り越え、新しい家族として歩みだしたことが分かります。
過去作とのリンク
15巻において、過去作『G戦場ヘヴンズドア』とリンクするような箇所があります。隆子と滋が話すシーンなのですが・・・『G戦場ヘヴンズドア』の結構なネタバレになってしまうので割愛します。(決して書くのがめんどくさくなったからではない)
とにかく、『G戦場ヘヴンズドア』を未読の方は読んでみて下さい。
と言うことで、15巻の振り返りはおしまい。
私は、日本橋ヨヲコ先生のファンは全て同志であり、戦友(とも)であると思っています。一緒に盛り上がってくれたら嬉しいです。
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