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「自殺と自殺未遂と宗教:無神論者の視点からの考察」

犬は自分の吐いたものに戻り、豚は洗ってもまた泥の中で転げ回る。【ペテロ第二】


神とは「美味しい笑顔」のようなものだ。笑顔には味などなく食べられないのだが、誰もが美味しい笑顔というものが存在しているかのように錯覚させられている。

神は丸い三角形をつくれるか?

神は木で出来た鉄をつくれるか?

つくれない。故に神は存在しない。

そして神の信奉者とは「丸い三角形や木で出来た鉄はつくれるし、それらは存在している」と主張する人々のことを指す。

まさに初めにロゴスありき。


ネットで酷いカキコミをしているキリスト教の信者がいたとして、その人は誰かに石を投げ付けていることになる。そのような信者のカキコミを見て「羨ましいな」「あの人のようになりたいな」と思う人が増えれば、自然と信者も増えるだろう。だが彼らのようになりたいと思う者などいないと私は信じたい。

イエスは自らを省みることを推奨していなかったか?「先ず自分に罪のない者から石を投げなさい」とイエスは言った。毒麦は火に焚べられるとも言った。

石を投げるとはネットで意見を投稿することでもある。つまりどういうことか?彼らは呪詛された。おしまいdeath。火に焚べられるしかない。

そもそもイエスがいなければ異なる宗教や異端に対してのヘイトスピーチもなかったのだが。

イエスがいなければイスラム教も現在のような発展の仕方をしていなかった。血生臭い十字軍の歴史も原理主義者のテロルもなかった。イエスやパウロが人類の進歩を数百年遅らせた。イエスがいなければ、そしてキリスト教がローマ帝国の国教になってなければ、自然科学はもっと早い段階で画期的な発展を遂げていたはずだ。イエスさえいなければアカデメイアもリュケイオンも閉鎖されず、アリストテレスなどのギリシャ哲学がより広く早く伝播し、人類はもっとハッピーになれていた。イエスやその信者の存在は人類の発展にとっての足枷にしかならなかった。

キリスト教は人類にとっての災い以外の何物でもない。ルターやカルヴァンはキリスト教会の腐敗を訴求して宗教改革を行ったから偉いのか?ヤン・フスは自分の信念を曲げずに火炙りにされたから偉いのか?良かれと思って火炙りにされて処刑された殉教者が大勢いて、現在でも多くの人から篤い信奉を受けているが、殉教という名の自殺は本当に人類の為になったのか?

逆だ。教会など腐敗させるままにしておいて、そのままキリスト教が廃れて息絶えてしまっていれば良かったのだ。せっかくルネサンスが始まっていたのに、下らない宗教改革に巻き込まれて大勢の人々が辛酸をなめさせられた。免罪符だとか教会の腐敗だとか、そんなものは放置しておけば勝手に廃れていって、今頃は人類はもっと豊かに幸福に暮らせていた。ルターにしろカルヴァンにしろ、熱心な信者は暑苦しくはた迷惑で、ある意味病気だ。イエスによって呪われた病人なのだ。キリスト教原理主義者はサタンであり、害悪であり、毒麦だ。最初からイエスなどいなければ、現代にある奇妙なキリスト教カルト集団も存在していなかったのだ。

殉教という名の自殺は一部の信者には救いだが、ハルマゲドンという思想装置は万人向けだ。どこかの信者に自殺願望があったとしても、世間体など考えてしまってなかなか自殺出来なくて、それでハルマゲドンのような終末思想にひかれて宗教にはまっていく、そういう人なら大勢いる。自殺には恐怖感が付きまとい罪の意識も感じられるが、ハルマゲドンならば大勢の人と一緒に死ねるから大丈夫、信仰によってそのような心境にさせられる。

自殺を実行した人は無責任で恥ずべき行為をした人のように周囲から思われてしまう。失敗して後遺症が残るという不安もある。だが、ハルマゲドンで大勢の人と一緒に死ねれば、恥にはならず罪にもならないから安心だ、そんな心理が下支えとなって信仰心がますます強まって悪循環に陥っていく。コンコルド効果というものがあるように、人生においてのサンクコストの回収が見込めなくなり、抜け出す方法が見い出せなくなっていく。そして死を待ち望む気持ちがますます強まっていく。

キリスト教の教えでは、近々ハルマゲドンがやって来て人類は一度滅亡し、それから最後の審判で全ての人類の魂が裁かれるのだとか。裁かれるのはハルマゲドンで死んだ者だけでなく、人類の誕生以来、地上に産まれてきた人々全ての魂が裁かれる。赤ちゃんの魂も。最後の審判で見事に合格した魂は神の楽園に行ける。

キリスト教長老派の著名な日本人作家の本にそんな風に書いてあった。

だが書かれていないこともたくさんあった。例えば、「ネアンデルタール人やデニソワ人の魂は最後の審判で裁かれるのか?」「北京原人、ジャワ原人、アウストラロピテクスはどうなのか?」「ネアンデルタール人の時代から天使はいたのか?」「裸族は禁断の木の実を食べた者の末裔なのか、そうではないのか?」

ネアンデルタール人にはキリスト教徒はいなかった。裁かれる謂れもなく、いい迷惑だろう。もちろんモーセやイエスの時代には、ネアンデルタール人やデニソワ人のことなど誰も知らなかったのだが。

もちろん最後の審判だとか魂だとか、そんなものはどこにもない。聖書の教えは所詮は人間の創作や妄想に過ぎない。最後の審判が近いとか魂が穢れるとか言って他人を脅しているクリスチャンは、罪深く欲深く虚栄心が強いのではないか?

聖書にはこうある。


火矢を射て人を死に至らしめる気の狂った者は、仲間を騙して「面白かったではないか」と言う者のようだ。【箴言26.18~19】


現代人の中にはネアンデルタール人やデニソワ人の遺伝子を持つ者が大勢いて、ホモ・サピエンスがかつてネアンデルタール人やデニソワ人と交わっていたことが判明している。彼らはあなたの遠い親戚。だが、アダムの子孫でもある?とても基本的で本質的な話。アダムの子孫がネアンデルタール人だったならば、アダムはアウストラロピテクスだったのか?


自殺願望のあるクリスチャンがいたとして、ハルマゲドンが来て最後の審判があって楽園に行けたらラッキーだ、もし楽園に行けなくてもハルマゲドンで大勢死ぬから自殺する手間が省けてラッキーだ、未遂で終わった時の後遺症とかはヤダな、痛いのはヤダな、だけどハルマゲドンで死ねたらそんなの気にしなくて済むからラッキーだな、クリスチャンは最後の審判で楽園に行けても行けなくてもどっちに転んでも都合が良いな、自殺後の自分の家族への世間体とか考えると本当に申し訳が立たない気持ちになるけれど、ハルマゲドンなら世間体は関係ないな、早くハルマゲドン来ないかなぁ。

そういう気持ちが信者にはあるのだ。信者ならば尚更に。

神の王国とか楽園とかには、スマホよりも楽しいものなど彼らにとってはないのではなかろうか。だが、もしハルマゲドンが来てそこに行けたら彼らはラッキーだし、もし仮に行けなくても死んでこの世の面倒事から開放されてそれでオシマイなわけで、信者ならどちらに転んでもお得になるのだろう。


「自殺すると地獄に落ちる」というのも昔からよく聞く話ではある。

ハムレットの恋人であるオフィーリアが通常の葬儀ではなく密葬だったのは、自殺が罪とされていたからだ。

さて、もし仮に「自殺すると地獄に落ちる」という説が正しいとして、

では自殺未遂はどうなのか。

リスカや服毒をして未遂に終わった人は地獄に行かなくても良いのか?

1回くらいならセーフとか?

私は無神論者で天国も地獄も魂もないとは思うが、それらを信じている人はどのように考えているのかと疑問に思う。

「自殺すると地獄に落ちる」と思っている人は、「自殺未遂なら地獄に落ちないだろう」と思っているのだろうか?リスカは3回までならセーフ?

リスカとか服毒とかする自殺未遂リピーターは、周囲を脅迫しながら生きているようなものだ。もし自殺に成功していなくても、未遂で十分に罪な行いをしている。

自殺に失敗して半身不随、後遺症に生涯苛まれる、それもなきにしもあらず。未遂で自分でシモの世話も出来なくなる、そんなことも起こり得る。自殺未遂をしたことが周囲に知れ渡れば、その人は周りを脅迫しながら辛い余生を歩み続けることになる。

ならば自殺未遂者はダラダラと長生きしてから死ぬよりも、すっぱりと早目に死んでおいた方が少しは罪も軽くなるのではないか。例えばゴキブリに生まれ変わる定めだったのが早目に死ぬことで野良猫に生まれ変われたりだとか、自殺を早めた方がマシってことが起こり得るのではないか。

世の中には地獄というものは存在しないと主張するキリスト教団体もあるわけで、そうした宗教団体の信者になれば自殺未遂経験者にとっては何かとお得になるだろう。

その宗教の信者になれば何回リスカしても地獄行きはなし。何故なら元々地獄などないと教えられるから。ハルマゲドンでも自殺でも、地獄がないなら安心して死ねる。

それとも、何年か後にかつてその宗教の信者だったことを恥じて、「もっと早く死んでおけば」と後悔する日が来るのだろうか?「今からでも遅くないから棄教しよう」とはならないのだろうか?「せっかく今まで信者を続けて来たのだし、もうすぐハルマゲドンが来そうな予感もあるし、棄教したら今までの苦労が水の泡。勿体無い」といった心境なのだろうか?


彼らはワカサギ釣りに行くと良いのではないだろうか。テントの中で天ぷらを揚げて、それを食べながらお酒と睡眠導入剤を飲み、眠っているうちに一酸化炭素中毒死。自殺ではなく事故として処理される可能性もある。生命保険の受け取り金額が不自然に高額にならないよう慎重に行うべきだろう。

休日が終わり仕事や学校が始まる週の始まりの日、木の芽時や低気圧が通過して脳の内圧が変化しやすい時期、そのような時には要注意と言われるが、飛び込みは電車が汚れるので何か別の良い方法を考えて欲しいと思う。


私は無神論者。天国も地獄も信じない。自殺こそが真に哲学的なテーマだ。


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