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Basic Channelについての備忘録 / BC-08:1994年: rediance : 1: rediance I 2: rediance II 3: rediance III

1994年のこのリリースを皮切りに、おそらく吹っ切ったと思われる。
やりたい放題感が強い音色。
しかし、これこそがBasic Channelたるスタンスの確立とも言え、この世の全てのdub technoは、ここから始まると言って過言ではないと思う。

トラック1は、なんとビートレス。
想像力の無いDJは困ったかと思う、音の実験をさらに進めてみた、と言った感あり。
この時の時代的な風潮としては、イギリスのWarp recordsがAIシリーズと銘打ちポストレイヴサウンドとして、このようなリスニング向けのエレクトロニックミュージックが世に出始め認知されていた、この空気を読んでいたのは、間違い無いと思う。
にしても、トラック1は極めて異色な音色と構成だ。いつかキックが入るのかなぁって聴いてると最後までキックは入ってこない。
dubの深淵まで潜りっぱなし、底は知れないから、とりあえずズッポシ潜りまーす!付いて来れる人だけ付いて来てください、後は自己責任でどうぞよろしく!って具合な、言わば挑戦状のようなトラックだ。
一般的な意味での曲展開は、相変わらず無いに等しいが、dub的な?意味での曲展開は、かなり綿密できめ細やかだ。これぞ、Basic Channelと言えるその真髄がこのリリースで仕上がったように思う。
このBasic Cahnnel流のミニマル道は、奥が深い。人によっては、こんなの同じフレーズの繰り返しばかりでつまらないってなるだろう、まぁほぼ半分くらいの人はそうなると思われる。
最初にふるいに掛けると言うか、お好きにどうぞ〜でも何かあったら自己責任でね、てへペロ、あ、いや、そんなことはしないね、Basic Channelはw
商業的な音楽は、ファンをガッチリ掴んでいかに離さないようにするかをやるだろうが、彼らはそんなん関係ない、好きなようにやっていますので、そちらもご自由にどうぞ、と言った具合、これにハマるとそら当然抜け出せないでしょ?
時代の流れも良かったかと思われるが、その男気溢れる、一見突き放してるようなほどの、潔い突っ走り方のセンスがもの凄くカッコ良かった、誰もやってないことをカッコ良くやっていれば自然と後から人がちゃんと付いてくものだろう。そんな事を思うトラック1。

トラック2は、とても素敵、BC-06を彷彿とさせる耳に心地よい音からスタートする、正直この音だけずっと聴いてるだけでも良いってぐらい最初のフェードインの音色が良い、もろ好み、いわゆる無限音階的なヘブンリーレインなこの音がずっとシュワァーって鳴り続けるからもう心地よいこと、この上ない。
さらに、そこに絶妙にディレイとフィルターで味付けされたミニマルなフレーズか重なってきてからーの珍しく?気持ちの良いタイミングでキックがインする。
惜しむらくは、曲長が短いこと。4分ほど。ファンはみんなこう思ってるはず、「えーもう終わるのぉ〜」って! 3倍くらいの曲長で良いってくらい良い音色のトラックだ。
なぜこれをいつものように、ズッポリ潜るようなロングな曲長にしなかったのか不思議。そしたら、もっと売れたのにw 個人的にこのトラックを耳コピして、長尺バージョンでも作ろうかなぁって思ってる、完全に自分用に。
しかし、このヘブンリーレインシューゲイザー風味のあの音をどうやって出すかが難しい、それが出来た時点でほぼ完成する、個人的にはw

トラック3、Basic Channelはよく深海サウンドと例えられるが(上手い例えだなぁと思う)、それを象徴するようなずっぶずっぶな深海サウンドが展開される。このトラックが13分強あるので、たぶんこのトラックが長かったために、トラック2は尺削られたのかなぁ。レコード別けてもいいからトラック2を長くして欲しかったなぁーーーー(エコー)
とは言え、このトラックもまたふっ切り具合が大迫選手並みにハンパない。まさに深海に潜るといった例えがガッチリハマる音色。水に潜った時の音がこもった感じに聞こえる、あの雰囲気をきっと想起される音がモコモコ、ポコポコ、とフィルターダビー変化仕様で実にまたゆったりと変化して潜っていく。しばらくビートレスでそんな感じですが、時折フィルターが極端な変調を良いタイミングで起こすので、ゆったりと浸りながらも心地良い音触りです。なので、俺のような変態中毒者はもう酩酊状態。
これもトラック1と同じくビートレスかなぁと思わせておいて後半の8分過ぎからキックが入ってくる!このタイミングで来るか!と初めて聴いた時に、ハッとしたのを覚えている。
ダンスミュージックの場合、クラブユースフルであることに重きを置かれて、全く曲の体を成していないものも散見されるが、これは明らかに全体を曲として聴かせる事を意識して作られている、
ってまぁそれが普通なんだけども、あの当時でこのジャンルで、こうゆう音色で、こういった構成を考えて作るのは、凄いセンスだと思う。今でこそ数々のフォロワーが様々な亜種、さらには新種も生まれて音楽は幅広い表現を体得しているが、このリリースは25年前ですよ!奥さん!ねぇちょっと凄くなーい!(誰だ、お前w

25年。いや改めてこの数字を前にし自分も年取ったなぁとおもたw そんな何も無い荒地だった所に先陣を切って切り開いたセンス、そこにシビれて憧れてまっす!

そして、次のリリースはこれまた凄いふっ切り具合が「大迫ハンパない!」越え!なので、書きまとめるのに、時間かかるかもしれない。
ちょっと覚悟して臨まないと、失礼になるのと、個人的にきちんと書きたいとい想いもあるので。

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